TIMSS調査結果を踏まえた文部科学省の施策
1.新学習指導要領の着実な実施等
文部科学省において、TIMSS調査結果における各課題に対応した新学習指導要領の着実な実施とともに、各種施策を推進し、教育委員会・学校・教職員の取組を支援。
(1)主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善
主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善により、児童生徒に学習する意義を実感させたり、情報を精査して考えを形成させたり、問題を見いだして解決策を考えさせたりすることを重視した学習を充実できるよう、好事例の蓄積や情報提供などによる支援を実施。
(2)理数教育の充実
<算数・数学>
・日常生活や社会の事象、数学の事象から問題を見出し主体的に取り組む数学的活動を充実。
・小中学校教育を通じて統計に関する内容を充実。
・数学的活動を楽しめるようにするとともに、数学を学習する意義や数学の必要性などを実感する機会を設ける。
<理科>
・自然の事物・現象に進んで関わり、見通しをもって観察、実験などを行い、その結果を分析して解釈するなどの科学的に探究する学習を充実。
・理科を学ぶことの意義や有用性の実感及び理科への関心を高める観点から、日常生活や社会との関連を重視。
(3)情報活用能力の確実な育成
情報活用能力を学習の基盤となる資質・能力として位置付け、教科等横断的に育成することとし、学校での学習活動におけるコンピュータ等を活用した学習、小学校段階からのプログラミング教育、情報モラル教育等の充実。
(4)全国学力・学習状況調査も活用した指導の充実
全国学力・学習状況調査の結果等により、児童生徒の学習状況を把握した上で、知識・技能を実生活の様々な場面に活用する力や、様々な課題解決のための構想を立て、実践して改善する力を育成する指導の充実。
2.学校における環境整備の加速化に向けた取組の推進
(1)学校のICT環境整備の加速化と少人数による指導体制の検討
・「GIGAスクール構想の実現」として、一人一台の学習者用コンピュータ、学校内の全教室の高速かつ大容量の通信ネットワーク、緊急時における家庭でのオンライン学習環境の整備、GIGAスクールサポーターの配置等を推進。
・一人一台端末の活用等による児童生徒の特性・学習定着度等に応じたきめ細かな指導の充実等、学校におけるICT活用の効果を最大化する少人数による指導体制の計画的な整備について検討。
(2)理科教育に係る設備整備等
児童生徒が主体的に学習に取り組み学習意欲を育むことにつながるよう、観察・実験の充実を図っていく観点から、理科教育のための設備整備や観察実験アシスタントの配置の支援などを推進。
(3)小学校高学年からの教科担任制の導入(令和4年度目途)の検討
・義務教育9年間を見通した指導体制の構築、教科指導の専門性を持った教師によるきめ細かな指導の充実、教師の負担軽減等の観点から導入を検討。
・対象教科は、グローバル化・STEAM教育充実の要請を踏まえ、例えば外国語・理科・算数。