CBT (Computer Based Testing) は、コンピュータ上で実施される試験方式です。従来の紙と鉛筆による試験 (PBT: Paper Based Testing) とは異なり、コンピュータの画面に表示される問題に、マウスやキーボードを使って解答します。
CBTの例
資格・検定試験:
ITパスポート試験、TOEIC、日商簿記検定など、多くの資格・検定試験でCBTが導入されています。
受験者は、全国各地にあるテストセンターで、自分の都合の良い日時に受験できます。
試験結果も即時に確認できる場合が多く、従来のPBTよりも利便性が向上しています。
大学入試:
一部の大学では、CBTを活用した入試を実施しています。
英語の4技能 (リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング) を評価できるCBTも導入されています。
受験機会の増加や、多様な能力を評価できるというメリットがあります。
企業の採用試験:
一部の企業では、適性検査や筆記試験をCBTで実施しています。
受験者の回答をリアルタイムで分析し、個々の能力や特性に合わせた問題を出題するアダプティブテストも活用されています。
学校教育:
定期テストや実力テストをCBTで実施する学校が増えています。
採点の手間が省けるだけでなく、生徒の解答状況を分析し、個別にフィードバックを行うことも可能です。
CBTのメリット
受験者の利便性向上:
全国各地のテストセンターで、自分の都合の良い日時に受験できます。
試験結果を即時に確認できる場合が多く、合否判定までの時間が短縮されます。
試験の公平性・客観性向上:
コンピュータによる採点のため、採点ミスが減り、公平な評価が期待できます。
試験問題の難易度を調整しやすく、受験者全員に同じレベルの試験を提供できます。
多様な問題形式:
従来のPBTでは難しかった、音声や動画を活用した問題や、プログラミングスキルを評価する問題など、多様な問題形式に対応できます。
アダプティブテストでは、受験者の能力に合わせて問題の難易度を調整できます。
CBTのデメリット
コンピュータ操作に不慣れな受験者への対応:
高齢者やコンピュータ操作に慣れていない受験者にとっては、CBTはハードルが高い場合があります。
事前に練習できる環境を提供したり、試験当日にサポート体制を整えたりする必要があります。
不正行為への対策:
カンニングなどの不正行為を防ぐための対策が必要です。
試験会場での監視体制の強化や、オンライン受験の場合は本人確認システムの導入などが検討されています。
システムトラブル:
システムトラブルが発生した場合、試験が中断したり、受験者のデータが消失したりするリスクがあります。
バックアップ体制の整備や、トラブル発生時の対応マニュアルの作成などが必要です。
まとめ
CBTは、従来のPBTに比べて、受験者の利便性向上、試験の公平性・客観性向上、多様な問題形式に対応できるなどのメリットがあります。一方で、コンピュータ操作に不慣れな受験者への対応や不正行為への対策、システムトラブルなどの課題も存在します。これらの課題を解決しながら、CBTは今後も様々な分野で活用されていくでしょう。