TALIS (Teaching and Learning International Survey 国際教員指導環境調査):
目的
各国の学校における教員の指導環境と学習環境を国際的に比較・分析し、教育政策の改善に役立てる。
教員の仕事に対する認識、職務満足度、職能開発、学校におけるリーダーシップ、生徒の学習環境などに関する情報を収集し、教育の質の向上に貢献する。
内容:
質問紙調査:
教員、校長を対象に、教員の仕事に対する認識、職務満足度、職能開発、学校におけるリーダーシップ、生徒の学習環境などに関する質問紙調査を実施。
学校調査:
校長を対象に、学校の組織文化、資源、指導・学習時間、教員の人材管理などに関する質問紙調査を実施。
対象:
中学校教員と校長 (一部の国では小学校教員も対象)
調査実施年:
2008年、2013年、2018年
次回は2024年に実施予定
TALISは、PISAやTIMSSとは異なり、生徒の学力ではなく、教員や学校の状況に焦点を当てた調査です。教員の労働環境や学校文化が、生徒の学習成果にどのように影響するかを明らかにすることを目指しています。
結果の推移
2018年のTALISにおける日本の結果は、以下の点が特徴的でした。
ポジティブな側面:
規律と学習の雰囲気:
学級の規律が良く、学習に集中できる環境が整っている。
協調的な学校文化:
教員同士の協力体制があり、新しいアイデアの実践において互いにサポートし合っている。
ネガティブな側面:
職能開発時間:
職能開発に費やす時間が国際的に見て短い。
仕事時間の増加:
特に中学校教員の仕事時間が、前回調査と比較して増加している。
女性教員の割合:
小学校、中学校ともに女性教員の割合が参加国中最も低い。
校長職における男女比の偏り:
中学校の女性校長の割合が参加国中最も低い。
これらの結果から、日本の教育現場では、教員の多忙化やジェンダーバランスの改善といった課題があることが浮き彫りになりました。
詳細な調査結果については、以下の資料をご参照ください。
文部科学省 TALIS 2018 結果より: https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/data/Others/1349189.htm
OECD 国際教員指導環境調査(TALIS)2018 報告書: https://www.nier.go.jp/kokusai/talis/pdf/talis2018_summary.pdf
これらの結果を踏まえ、文部科学省は教員の働き方改革や、女性活躍推進などの施策を進めています。