本校では、GIGAスクール構想によって整備された1人1台端末とクラウド環境を基盤とし、各教科の特性に応じた効果的なICT活用を推進しています。「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指し、デジタル教材やAI教材、各種アプリケーションを積極的に導入・活用することで、生徒の学習意欲を高め、理解を深める授業改善に取り組んでいます。以下に、いくつかの教科における具体的なICT活用事例を紹介します。
国語科:
協働的な意見文作成: Google Jamboard(⇒FigJam)やGoogleドキュメントを活用し、生徒が互いの意見やアイデアを共有しながら、意見文を共同で作成・推敲する活動を実践しています 21。これにより、多様な視点に触れ、思考を深める機会を提供しています。
数学科:
AI教材「Qubena」の活用: 生徒一人ひとりの習熟度に応じて問題が最適化されるAIドリル「Qubena」を導入し、個別最適な学習を支援しています 18。教員は学習ログを確認し、個別のつまずきに対して的確な指導を行っています。
デジタル教科書と作図ツールの活用: 図形領域の学習において、デジタル教科書の図形描画ツールやシミュレーション機能を活用し、生徒が実際に手を動かしながら図形の性質を直感的に理解できるよう支援しています。
理科:
実験データの共同編集と分析: 観察・実験において、生徒が各自の端末で測定したデータをGoogleスプレッドシート等でリアルタイムに共有し、クラス全体のデータとして集約・分析する活動を取り入れています 21。これにより、考察の深化や誤差の検討などを協働で行うことができます。
シミュレーション教材の活用: 目に見えない現象や危険を伴う実験などを、デジタルシミュレーション教材を用いて安全かつ効果的に学習する機会を提供しています。
英語科:
デジタル教科書の音声・動画活用: ネイティブスピーカーの発音や会話場面を収録したデジタル教科書の音声・動画コンテンツを繰り返し視聴することで、リスニング力やスピーキング力の向上を図っています 31。
社会科:
地理情報システムの活用: 地図や統計データを重ね合わせて表示できるサイトを活用し、地域ごとの特色や社会現象の関連性を視覚的に理解する学習活動を行っています。
オンライン資料館・博物館の活用: インターネットを通じて国内外の資料館や博物館のデジタルアーカイブにアクセスし、歴史的資料や文化財に触れる機会を提供しています。
音楽科:
作曲・編曲アプリの活用: 生徒が直感的に操作できる作曲・編曲アプリを使用し、音楽制作の楽しさを体験させるとともに、音楽の構造や表現方法への理解を深めています 10。
演奏動画の共有と相互評価: 生徒の演奏を動画で記録し、限定公開のプラットフォームで共有することで、相互評価やアドバイス交換を促し、技能向上に繋げています。
技術・家庭科:
プログラミング学習: Scratchなどの教材を活用し、プログラミング的思考を育成する授業を展開しています。生徒が自ら課題を設定し、試行錯誤しながらプログラムを作成する活動を重視しています。
3Dモデリングと3Dプリンタの活用: 3D CADソフトを用いたモデリングと3Dプリンタによる出力体験を通じて、ものづくりのプロセスを理解し、創造性を育んでいます 13。
体育科:
運動技能分析アプリの活用: タブレット端末で撮影した動画をスロー再生したり、コマ送りしたりすることで、自身のフォームを確認し、技能改善に役立てています。
運動量可視化: 生徒自身の運動量を客観的に把握させ、健康増進への意識を高める取り組みも試行しています。
これらの事例は、各教科の学習目標を達成するために、ICTが持つ独自の機能(情報の可視化、個別最適化、リアルタイム共有、シミュレーション、多様な表現など)をいかに効果的に活用できるかという視点からデザインされています。本校では、特定のツールありきではなく、あくまで生徒の学びを深めるという目的を達成するための手段としてICTを選択し、その教育効果を最大化するための授業改善に継続的に取り組んでまいります。