アクティブラーニングとは、従来の一方的な講義形式の授業とは異なり、生徒が主体的に学習に参加し、能動的に知識やスキルを習得する学習方法です。「主体的・対話的で深い学び」を育むことを目指し、文部科学省も推進しています。
アクティブラーニングの3つの要素
主体的な学び: 生徒が自ら課題を発見し、解決に向けて積極的に取り組む。
対話的な学び: 生徒同士や生徒と教師が対話を通して、多様な意見や考え方を共有し、学びを深める。
深い学び: 知識の理解だけでなく、思考力、判断力、表現力など、より高次の能力を育成する。
アクティブラーニングの具体的な手法と例
グループワーク:
小グループに分かれて、共通の課題について話し合い、協力して解決策を導き出す。
例: 社会科で地域課題について調査し、解決策を提案する。
ディスカッション:
特定のテーマについて、生徒同士が意見を交換し、議論を深める。
例: 道徳の授業で、ある道徳的ジレンマについて、異なる立場から意見を述べ合う。
プレゼンテーション:
調べたことや考えたことを、他の生徒や教師に向けて発表する。
例: 理科の実験結果をまとめ、発表する。
ディベート:
あるテーマについて、賛成と反対の立場に分かれて議論する。
例: 社会科で、ある政策の是非についてディベートする。
ロールプレイング:
特定の状況を設定し、生徒が役割を演じることで、問題解決能力やコミュニケーション能力を養う。
例: 外国語の授業で、レストランでの注文シーンをロールプレイングする。
フィールドワーク:
実際に現場に出向き、観察や調査、インタビューなどを通して、知識や理解を深める。
例: 地理の授業で、地域の地形や産業について調査する。
PBL (Project Based Learning):
実際の課題解決に取り組むことで、実践的な知識やスキルを身につける。
例: 総合的な学習の時間で、地域の活性化のための企画を立案し、実行する。
アクティブラーニングの効果
学習意欲の向上: 主体的に学習に取り組むことで、学習意欲が高まります。
思考力・判断力・表現力の育成: 課題解決や議論を通して、思考力、判断力、表現力が養われます。
コミュニケーション能力の向上: グループワークやディスカッションを通して、コミュニケーション能力が向上します。
協調性の育成: 協力して課題に取り組むことで、協調性が養われます。
多様な価値観の理解: 異なる意見に触れることで、多様な価値観を理解し、尊重する態度を育みます。
アクティブラーニング導入の注意点
教師の役割変化: 教師は知識の伝達者から、生徒の学習を支援するファシリテーターへと役割が変わります。
授業準備: アクティブラーニングを効果的に行うためには、綿密な授業準備が必要です。
生徒の慣れ: 生徒がアクティブラーニングに慣れるまでには、時間がかかる場合があります。
評価方法: アクティブラーニングの成果を適切に評価するためには、多様な評価方法を検討する必要があります。
まとめ
アクティブラーニングは、生徒の主体的な学びを引き出し、深い学びを実現するための有効な手段です。しかし、効果的に実施するためには、教師の意識改革や授業準備、評価方法の工夫など、様々な取り組みが必要です。