GIGAスクール構想によって整備された1人1台端末は、鉛筆やノートと並ぶ「令和の時代の文房具」として、授業中はもちろんのこと、休み時間や家庭学習など、あらゆる教育活動の場面で日常的に活用されることが理想です 21。本校では、この「日常使い」の文化を醸成し、クラウド環境の利点を最大限に活かすことで、学習効果の向上と家庭学習とのシームレスな連携強化を目指します。
クラウド環境(例えば、Google Workspace 20 など)は、資料の共有、課題の提出・フィードバック、生徒と教員間、あるいは生徒同士のコミュニケーションを飛躍的に効率化し、その質を高める可能性を秘めています。これらの機能を積極的に活用し、生徒がいつでもどこでも学習リソースにアクセスでき、教員が個々の学習状況を把握しやすい環境を構築します。
端末の日常的な持ち帰りについては、家庭学習の充実という観点から、その効果的な運用方法を研究・推進します 1。単に宿題をデジタル化するだけでなく、家庭での探究活動や反転学習への活用、オンラインでの補習や発展学習の機会提供などを検討します。保護者がお子様の学習進捗を把握し、家庭での学習をサポートしやすくなるような情報共有の仕組み(例:学習管理システムを通じた進捗の可視化 14)も重要です。ただし、端末の持ち帰りに関しては、ランドセルの中身の軽量化や視力低下への懸念といった課題 14 にも配慮し、生徒の心身の健康を第一に考えた運用ルールを整備します。
さらに、オンライン環境を活用して、学校間の交流学習や、地域人材・外部専門家を招いた遠隔授業などを積極的に実施し、生徒の視野を広げ、多様な価値観に触れる機会を提供します 1。
GIGA端末とクラウド環境の「日常使い」を実現するためには、技術的・物理的な障壁を取り除き、学校全体で支援的な文化を育むことが不可欠です。安定した無線LAN環境や迅速なデバイストラブル対応体制の整備 25 はもちろんのこと、端末の適切な使用方法やデータ管理に関する明確な校内ルールを策定し、全教職員・生徒・保護者で共有することが前提となります。また、教員自身が自信を持ってICTを授業に自然に取り入れられるよう、継続的な研修とサポートが欠かせません。
家庭学習との効果的な連携は、単に宿題の提出方法をデジタル化するに留まらず、学校と家庭が一体となって生徒の学びを支える「連続的な学習ループ」を創り出すことを目指します。持ち帰り端末 1 は、反転学習モデルの導入、補足的な学習リソースへのアクセス、時間外の協働学習などを可能にします。保護者が学習進捗を確認できるプラットフォーム 14 は、家庭と学校の連携を強化し、生徒の学習に関する継続的な対話を促進することが期待されます。家庭での学習課題は、教室での活動を補完し、生徒の興味関心を引き出すような魅力的なものとなるよう工夫してまいります。