本校がリーディングDXスクール事業の指定を継続して受けていることは、これまでの取り組みが一定の評価を得た証であると同時に、さらなる教育実践の改善と発展への期待が寄せられていることの表れであると認識しております。この事業は、一度達成すれば終わりというゴールではなく、常に変化する社会のニーズや技術の進展に対応し、教育実践を絶えずアップデートし続けるプロセスそのものです 9。
今後、本校がDXを推進していく上で、いくつかの課題に直面することも予想されます。例えば、次々と登場する新たなテクノロジー(より高度なAI、メタバースなど)への対応、教員の多忙化の解消と専門性向上の両立、ICT活用における生徒間の格差や家庭環境による差の拡大防止 28、そして国際的な教育DXの潮流から学びつつも日本の教育文化に根差した実践をどう構築していくか 34 などが挙げられます。
これらの課題に対し、本校は真正面から向き合い、解決策を模索し続けてまいります。そのためには、PDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルを効果的に回し、本校の実践から得られる様々なデータ(生徒の学習ログ、アンケート結果、教員の自己評価など)を客観的に分析・評価し、その結果を具体的な改善策に繋げていく研究体制の確立が不可欠です。
リーディングDXスクールとしての役割は、単に自校の教育を高度化するだけでなく、その過程で得られた知見や教訓を、成功例も失敗例も含めて広く共有し、全国の学校のDX推進に貢献することにあります。そのため、本校は、常に学び続ける姿勢を持ち、国内外の先進事例 34 にも目を向けながら、自校の実践を相対化し、より普遍性のあるモデルへと昇華させていく努力を継続します。特に、GIGAスクール構想の次の段階を見据え、整備された1人1台端末環境をいかに持続的かつ効果的に活用し、全ての生徒の可能性を最大限に引き出す教育を実現するか 1 という問いに対して、本校ならではの答えを実践を通じて示していく所存です。
本校のリーディングDXスクール事業の推進と、それを通じた「未来の学び」の創造は、学校だけの力で成し遂げられるものではありません。生徒の皆さん、保護者の皆様、そして地域の皆様一人ひとりのご理解とご協力、そして積極的なご参加があってこそ、その真価を発揮するものと確信しております。
生徒の皆さんへ:
1人1台端末は、皆さんの可能性を無限に広げるための新しい「翼」です。この翼を最大限に活かし、主体的に学びに向かう姿勢を持ち続けてください。授業内外で積極的にICTを活用し、新しい知識やスキルを習得するだけでなく、情報を正しく判断し、倫理的に活用する力(情報モラル)を身につけてください。失敗を恐れず、様々なことにチャレンジし、仲間と協力しながら、未来を切り拓く力を養ってくれることを期待しています。
保護者の皆様へ:
本校のDX推進の取り組みにご理解を賜り、ご家庭におけるお子様の学習活動を温かく見守り、支援していただきますようお願い申し上げます。端末の持ち帰りによる家庭学習においては、学校から提供される情報 14 を参考に、お子様とのコミュニケーションを大切にし、学習習慣の確立や情報機器の適切な利用についてご指導ください。学校行事や授業公開、ICT活用説明会などにも積極的にご参加いただき、学校と家庭が一体となってお子様の成長を支えるパートナーシップを築いていければ幸いです。
地域の皆様へ:
学校は地域社会と共にあります。本校の授業公開や研究発表会 2 に足をお運びいただき、生徒たちの学びの様子をご覧いただくとともに、忌憚のないご意見をお寄せください。また、皆様が持つ専門的な知識や多様なご経験は、生徒たちにとって貴重な学びの資源となります。ゲストティーチャーとしてのご協力や、職場体験、地域課題解決学習へのご支援など、様々な形での連携・協働をお願いできれば幸いです。学校運営協議会などを通じて、地域に開かれた学校づくりにもご参画いただければと存じます。
本校は、リーディングDXスクール事業を通じて、生徒一人ひとりが輝き、未来社会でたくましく生き抜く力を育む教育の実現を目指してまいります。この挑戦は、生徒、保護者、地域、そして教職員が一体となって初めて実を結ぶものです。皆様と共に「未来の学び」を創造していくパートナーとして、引き続きのご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。