現代社会において、情報活用能力は、学習指導要領においても言語能力と並ぶ重要な資質・能力として位置づけられています 1。GIGAスクール環境が整備された今、生徒たちが情報を主体的に収集・判断・表現し、自らの学びや生活に活かしていく力は、ますますその重要性を増しています。本校では、令和7年度、この情報活用能力の育成をさらに深化させ、教科の枠を超えた横断的な活用を推進してまいります。
単にICT機器の操作スキルを習得するに留まらず、情報の信憑性を批判的に吟味する力、多様な情報を関連付けて新たな価値を創造する力、そして情報を倫理的に扱う態度を育成することを目指します。特に、生成AIの急速な普及 1 を踏まえ、AIが生成する情報の特性を理解し、それを適切に活用するためのリテラシー(AIリテラシー)や、データに基づいて客観的に判断する力(データリテラシー)の育成は喫緊の課題です。これらの新しい情報リテラシーの側面を、従来の教育内容に積極的に取り込んでいく必要があります。
情報モラル教育については、これまでの取り組みを継続・発展させるとともに、生成AIの利用に伴う著作権やプライバシーの問題、フェイクニュースや誤情報への対応など、新たな課題にも対応できる指導内容を研究・実践します 1。他校の先進的な事例、例えば富士見丘中学高等学校における段階的な情報関連学習のカリキュラム 14 などを参考に、生徒の発達段階に応じた体系的な情報活用能力育成プログラムを構築し、全教員で共有・実践してまいります。
情報活用能力の育成は、特定の教科に限定されるものではなく、あらゆる教育活動において求められるものです。学習指導要領が「教科教育の場面で活かす」1 ことを重視しているように、探究学習 9 をはじめとするプロジェクトベースの学習活動は、生徒が情報収集、分析、整理、発表といった一連の情報活用スキルを総合的に活用し、実践的に学ぶ絶好の機会となります。本校では、各教科の特性を活かしつつ、教科横断的な視点を取り入れたカリキュラム・デザインを推進し、生徒が実社会の課題解決や複雑な事象の探求に情報活用能力を応用できるような学習場面を豊富に設定してまいります。