『前味(まえあじ)』
そもそも前味とはいったいどういうものなのか?
初耳な方もいらっしゃると思うので、簡単に説明させて頂くと、
前味とは一言で言うと、事前準備、事前対応のことで、『ティーアップ』というのがそれに当たります。
ティーアップというのは、ゴルフのティー(ボールの下に置いてボールを地面から持ち上げて打ちやすくする道具)からきているとされ、ビジネスなどにおいては、「商品やサービスに対し事前に好感を抱いて頂き期待値を高める」といったものです。
これを私たちの商品、サービスに当てはめてみると、「院で施術を受けて頂く以前の段階から、丁寧な事前フォローを行い、安心感を与え、良い関係性を築いておくことで、実際にご来院頂く際の期待値を高める」といったものとなります。
ご来院前のお客様は身体のことで悩んでいるし、初めて行くところでどんな先生なのか?どんな施術をやるところなのか?など、実は不安でいっぱいだし、緊張もしています。
少しでもそれらの不安を拭って安心させてあげて、楽な気持ちでご来院出来るようにしてあげましょう。
「先生丁寧で良い人そうだな。」
「誠実そうで安心できそうだな。」
「まだ受けに行ってもいないのにこんなに良くしてくれるなんて。」
「この先生に任せてみよう。」
などといった風に良い印象を抱いて頂き、その上でご来院頂けば、一番はお客様にとって、そして結局はこちらにとっても、Win-Winな良い結果を生むことと思いますので、ぜひ取り組んでください。
※前味で患者様に電話した際に必ず2回目の予約をとってくださいやあらかじめ料金を伝えたりとするとクレームにつながってしまうので、前味はあくまで期待以上の感動を届けるためにするものなので、前味の時点でフィルターをかけるようなことをしないように再度徹底する。
実際のやり方を説明していきます。
事前に行う具体的な方法としては、電話が主な手段となります。
電話が繋がらない時には留守電に残す、留守電設定もない時にはメールやLINEにてご連絡する、といった形で対応しましょう。
①電話→②留守電→③メール、LINE
といった順番です。
やはりテキストよりも生の声の方が温かみなど人柄は圧倒的に伝わりやすいので、極力電話でのやり取りを推奨します。
もちろん、ご来院前にはLINEはまだ繋がっていなかったり、メールもアドレスがわからなかったりといったことはあるかと思いますが、可能な限り行っていきましょう。
①電話
お電話するタイミングとしては、「新規の予約流入を見つけ次第、直近の空き時間ですぐに」です。
例えば、
「日曜など休日に入ったとしたら翌日月曜に出勤次第やる」
といった感じです。
働いている人であれば一般的には17時とか18時で終業だとすると17時〜20時くらいがお電話に出てくれやすいかもしれませんが、高齢の方など必ずしも働いてる方ばかりではないし、仕事も色んな働き方のものがあるので、極端に早い時間とか遅い時間でなければ正直あまり気にしなくても良いかとも思います。
<会話の項目>
⒈挨拶
⒉今お時間あるか確認
⒊お礼と電話した旨伝える
⒋お身体の状態聞く
⒌当日の注意事項説明
⒍何か質問ないか確認する
⒎予約日時改めて確認し終了
参考までに1〜7の簡単なトークスクリプト及び説明を以下に記載しますが、実際にやる際には自分の言葉で話して頂いて構いません。
「スクリプト通り正しく言う」よりも「ちゃんと気持ちや人柄が伝わる」ということが大切です。
なので、上記の1〜7のように "話す項目を箇条書きでまとめておく" くらいが良いかもしれません。
⒈挨拶
『JITAN BODY 整体院○○院の○○と申します。○○さんのお電話でお間違いございませんでしょうか?』
(説明)
仕事の上では基本的には『もしもし、、』とは言わない方が良いとされています。院名と自身の名前をしっかりと名乗り、かけたお客様のお電話で間違いないか確認をしましょう。
⒉今お時間あるか確認
『お忙しいところ恐れ入りますが、今2〜3分お時間頂戴してもよろしいでしょうか?』
(説明)
電話には出てくれたとはいえそんなに話せる状況ではないこともあります。しっかりと『お時間よろしいか?』の確認をしましょう。この時、明確に2〜3分とか5分とかお伝えしてあげるとよりわかりやすく、お客様も受け入れやすいのでおすすめです。
⒊お礼と電話した旨伝える
『この度は当院にご予約頂き誠にありがとうございます。私○○が当日担当致します、よろしくお願いします。ご挨拶と、ご来院頂いた際により良い対応ができればと思い、事前に少しお話できたらな〜と今回お電話させて頂いた次第です。』
(説明)
まずはしっかりとご予約くださったことへのお礼を伝える。そして、電話した理由を伝える。ちゃんとお伝えすれば、お客様としても時間を割くことに嫌な気持ちにはならないはずです。
⒋お身体の状態聞く
『簡単にで構いませんので、よろしければどのようなお悩みかお聞かせ頂けますでしょうか?』
(説明)
無理ない範囲で状態を伺い、寄り添った姿勢でお悩みに耳を傾けて安心させてあげましょう。
ここでの注意点として、良くしていく上で回数や頻度が必要な話や、流れで料金の話となることもあるかと思いますが、不安にさせるようなマイナスな説明や言い方はしないように気をつけましょう。
一番良くないのは "通院に繋がらなそうな方をお断りしてしまうこと" です。これはNGです。
現場では最大限必要性を示してあげて、少しでも良くなる手助けをしてあげるのが努めだし、お客様の為なので、通って頂けるように尽くしましょう。
最終的に決断するのはもちろんお客様自身ですが、出来る限りの対応はしてあげましょう。
もしかしたら皆さんが見てあげればそのお客様は幸せになっていたかもしれません。そのまま放置していたり、ただのマッサージや注射に頼っていたら大変な状態になってしまうかもしれません。
皆さんはこれまで沢山の方々を楽にして、幸せにしているはずです。自信を持って救っていきましょう。
⒌当日の注意事項説明
(※こちらに関しては電話予約、LINE予約の場合にはコールセンターから既に説明してくれているので、『当日の注意事項は既に説明を受けておりますでしょうか?』など聞いてみて、わかっていなそうだったら再度する感じで良いかと思います。)
『当日のことで何点か注意事項がございますので、もう少しだけお付き合いください。』
『当院は完全予約制となっており、万が一ご到着が遅れてしまわれますと、お時間を十分に確保できなくなってしまったり、場合によってはご案内自体が難しくなってしまうこともございますので、お時間に余裕を持って10分前を目安にご来院くださいませ。店舗の場所のご参考までに、ホームページの"院情報・アクセス"というページを開いて頂きますと、駅から当院までの写真付きの道案内も載っておりますので、是非ご覧になってみてください。』
『当日の服装に関しましては、硬いおズボンやスカートなどは避けて頂き、比較的動きやすい服装で来て頂けますとよろしいかと思います。』『当日の所要時間についてですが、初回は問診表をご記入頂いたり、お話をお伺いしたりなどといった時間とございますので、40分ほど見ていただけたらと思います。』
(説明)
遅れてしまった場合のことや、そもそも遅れないように10分前の推奨、アクセスわかりやすいようにホームページのご案内など、事前にできる説明をする。
服装についてもお伝えしましょう。意外とわかっていない方も多いし、着替えるものだと思っている方など様々です。
お後のご予定がある方などもいらっしゃるので、どのくらいの時間を要するものなのかもしっかり伝えましょう。
⒍何か質問ないか確認する
『こちらからは以上となりますが、ここまででご不明な点はございますでしょうか?』
(説明)
こちらが伝えることを伝えて満足ではなく、お客様も他に気になることや不安はないか確認しましょう。
⒎予約日時改めて確認し終了
『では、○月○日○曜日、○時〜にお待ち申し上げております。当日はお気をつけてお越しください。よろしくお願い致します。』
(説明)
予約日時を確認し、心遣いの言葉を添えて終わりましょう。時間に関しては午後4時、16時など2パターン伝えるようにしましょう。
以上はあくまでも一例であり、あまり話す時間がなかったり、逆にお客様との会話が広がって質問されたりすることもあるでしょう。
会話の流れも必ずしも1〜7のような順番とならないこともあるでしょう。
その都度臨機応変に対応をお願いします。
②留守電
繋がらず、留守電設定がされているようでしたら、留守電に残しておきましょう。
『お忙しいところ恐れ入ります。○○様のお電話でお間違いなかったでしょうか?私、JITAN BODY整体院○○院の○○と申します。この度はご予約頂き誠にありがとうございます。ご来院前に何かご不安なことなどございましたら、遠慮なくご連絡くださいませ。では○月○日○曜日の16時、午後4時でお待ちしております。当日はお気をつけてお越しください。失礼致します。』
(説明)
一言気遣いのクッション言葉から入りましょう。その後、かけた相手が間違いないか一言入れる。しっかりと丁寧に名乗り、ご予約の感謝を述べます。不安を拭ってあげたい気持ちを伝える。日時が間違いないか細かく確認し、道中の気遣いを伝え、挨拶して終了。
これに関しては、こちらが一方的にメッセージを残すことからお客様との会話とはならないので、そのまま完コピでも良いと思います。話すスピードにもよりますが、上記でちょうど30秒くらいで収まるはずです。留守電の時間制限付きの場合もあるので、上手くやりましょう。
※折り返し来た時の対応
お客様が折り返しを下さった際には、
『料金がかかってしまうと思うので、こちらかすぐに折り返しますよ。』
といった感じで、配慮して差し上げましょう。
細かいことかもしれませんが、こういったことはとても大切です。
また、もし施術中だったり、この後すぐに施術などという場合には、用件だけ簡潔に伝える、ご都合の良い時間伺って改めてかけさせて頂くなどの対応をしましょう。
目の前のお客様は大事ですので、お待たせしてまでその場で長々とお電話することではないです。
③メール、LINE
前味については、後味の時ほどまだLINEやメールなどは送れないことも多いかと思います。
連絡可能な場合には、電話が繋がらなかった際にこれらを使いましょう。
ただ、後味との大きな違いとして、前味はファーストコンタクトになるので、やはり電話での生の声が望ましいです。
第一印象は非常に重要であり、その後に大きく影響を与えるからです。
そのため、電話が繋がらずLINEやメールをする際には、①電話でお聞きしたような項目を伝えるというよりは、「お電話させて頂いた旨を伝える」くらいで良いかと思います。
以下、送る文章の例になります。
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(宛先)
[お客様のアドレス入れる]
(件名)
こんにちは。JITAN BODY 整体院です。
(本文)
○○様
JITAN BODY整体院 ○○院の○○と申します。
この度は当院にご予約頂き誠にありがとうございます。
先程、(お客様の番号記載)へお電話させて頂きましたが、繋がらなかった為メールにてご連絡させて頂きました。(院の番号記載)から着信が入っているかと思いますが、ご了承ください。
お電話させて頂いた理由としましては、ご挨拶と、ご来院頂いた際により良い対応ができればと思い、事前に少しお話できればと思った次第でした。
お忙しいことと存じますので、返信のお心遣いには及びませんが、ご来院までに何かご不明な点がございましたらお気軽にご質問ください。
私も施術などあり、お電話に出られないことや、すぐにお返事できないことはありますが、いつでも遠慮なく仰ってください。
では○月○日○曜日の16時、午後4時でお待ちしております。
当日はお気をつけてお越しください。失礼致します。
JITAN BODY整体院 ○○院 ○○
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(説明)
メールの場合には件名などもちゃんとつけましょう。
まず挨拶し、お電話かけた事実をお伝えしましょう。
この際、かけた番号(に間違いがないか?)と、着信が入っているだろう番号(この番号から入ってますよーという意味)を教えてあげたらお客様もわかりやすいと思います。
次に電話した理由を述べ、お忙しいかもしれないことも考慮してお返事はなくても大丈夫だと配慮しましょう。
予約日時確認をして終了。
最後に改めて名前も添えましょう。
以上が前味となります。
ご来院時にお客様にもっと喜んで頂けるように、そしてより良い結果に繋げるためにも、その前段階から感動を与えていきましょう。
実践よろしくお願いします。
更新日 2024年8月16日