このイベントを発生させる前にD-03を終えていない場合、D-03のシーン描写を行ってからこのイベントが発動される。
夕刻(もしくは朝、昼でも構わない)に差し掛かって、探索者はふと自分が空腹であることに気づかされた。そろそろ食事の時間ということもあり、それまでは特になかった食欲が一気に湧いてくる。
探索者が食事を食料保管庫から持ってくるか、あるいは自分の所持品から取るかは自由だが、ともあれ食事をしようとする場合、探索者にどこで食事をとるか確認する。食堂と答えるならそのままでいいが、自分の部屋など別の場所を答えた場合は、<聞き耳>などでロールしてもらい、食堂から聞こえる物音の描写を先にしても良いだろう。いずれにせよ、食堂に向かう場合のみ、以下の描写を続ける。
探索者が食堂の近くまで来たとき、かすかに物音が聞こえることに気づく。それは、何か台車を手押ししているような、小さな車輪が回る音である。
食堂の入口まで辿り着いた頃には、その音を鳴らしていたものの正体がわかる——食堂前の廊下に金色の華やかなワゴンが止まっている。ただ、ワゴンを移動させていたと思しき人物は、廊下には見当たらない。
ここで探索者は<聞き耳>でロールを行う。失敗した場合、情報はない。成功した場合、あたりにとても香ばしい肉料理のような匂いが漂っていることに気づく。ワゴンの上に料理らしいものがないところを見ると、食堂のほうから流れてきた匂いなのだろう。
探索者が食堂に入ると、その中央に置かれた長机の上に、料理が並んでいる。そしてそれを並べたであろう給仕の恰好をした人物と、そこに近づいていく使用人らしいいでたちの人物が見えた。使用人は給仕に労いの声をかけ、給仕もそちらを振り返る。
「ご苦労さま」
「あっ——お疲れ様です、オーナー。お食事の準備、ただいま終わりました」
「ああ、戻ったらお客様にお知らせする。ここの席のお客様には次の料理があるから、その準備もしておいてくれ」
「わかりました。それにしても今日は珍しいコースですね、オーナーの仕入れた食材なんですか?」
「そうだ。仕入れの得意先から、珍しい食材が入ったから買わないかと」
「ふうん——たしかに、今日はいつもより値が張りそうな料理ですね。これなんか、すごく香り高いし、良い肉だ」
「それは熊だったかな。大丈夫だよ、滅多にこんな料理にはならないだろうから——っと、そろそろ時間だな。君も戻りたまえ」
その会話が終わった瞬間、2人の人影は忽然と消える。しかし料理はそのまま卓上に並べられており、あたりに漂う香りも燭台の光も残されたままになっている。
「光景」の記憶の再現に初遭遇した探索者のみ、<正気度>でロールを行う。成功で1、失敗で1D4の正気度を喪失する。
探索者がどうするかにもよるが、ここで食事をすること自体は可能である。また、並んだ料理も食べられそうに見える。
並んだ料理を調べたい場合は、<生物学>、<知識>-20%などでロールを行うことで調査できるだろう。ロールが成功すれば、それは明らかに熊の肉ではない、と探索者は確信することになる——しかし、「何の肉なのか」というところまでは確証を得ることができないだろう。それを見たことがあるかどうかは探索者によるだろうから、あるいは確かめられそうな探索者であれば気づいてもおかしくはない——その肉が "人間" のものであることに。しかし、気づいてしまった場合には<正気度>ロールが必要になる。成功で0、失敗で1D3の正気度喪失。
探索者から他に行動の要望がなければ、このシーンは終了となる。