D-01後に発動するイベント。
東階段から移動しようとしたとき、他意があったわけではなかったが、探索者の視線は踊り場の窓に向けられていた。そのとき一瞬、窓に人影が反射しているのが見えた。その影はすぐに廊下の角を曲がっていって見えなくなるが、それは紛れもなく人間が歩行する動きであった。
もし探索者がその人影を追うなら、追っていった先には人影もなければ、それらしい気配もないことがわかる。<聞き耳>や<追跡>などでロールを行って詳しく調べる場合のみ、以下の描写を続ける。
カーペットの様子などから推察して追跡すると、それが西階段のほうへ向かっていることがわかる。そのまま西階段を使ったようで、カーペットの敷かれていない階段で痕跡が途絶えている。そうして探索者がそのまま一段、踏み出したときだった。
背後に、気配を感じた。絶対に思い過ごしになどなり得ない、姿を見るまでもない鮮明な確信——それを得た次の瞬間には、もう既に声が聞こえていた。赤子の鳴き声、人の神経を否応なしに圧迫するその空気の震えが、探索者の背筋に冷たい汗を一筋ゆっくりと這わせていく。間違いなく、それは探索者の背後の部屋から聞こえてきている。
記憶の再現に初遭遇した探索者のみ、<正気度>でロールを行う。成功で0、失敗で1の正気度を喪失する。
しかし、探索者が足を止めているときには、その声はもう聞こえなくなっていた。音の出どころを探してみても、当然ながら赤子らしい存在がいるわけでもない。
探索者から他に行動の要望がなければ、このシーンは終了となる。