このイベントは、探索者の記憶の再現によって「人間」の再現が起きている場合に発動することを想定している。そのため、「人間」の再現対象がいない探索者である場合、適宜内容を変更してもらいたい。
また、このイベントを発生させる前にD-02を終えていない場合、D-02のシーン描写を行ってからこのイベントが発動される。
ホールに入ると、わずかに窓が開かれているのか、カーテンのレースが揺れているのが見えた。煌びやかな石造りの装飾によって美しく飾りたてられた、その広々とした空間はしかし、いまはかつての栄華の面影を感じさせない静謐さで探索者を包みこんでいる。
ここで、「人間」の再現は探索者に対し、ひとつの議題を提示する。それは、 "私のことをどう思うか?" という話である。
探索者に対峙する「人間」は、自らが実在しないことを必ず自覚している。そのため、「人間」の性格にもよるが、探索者が自分をどのように思って(認識して)いるか、いま自分が探索者のそばにいることを快く思っているか不快に思っているか、というようなことについて、少なからず探りを入れようとしてくるだろう。その議題を提示する理由が思いやりか興味本位かは、再現された「人間」の考えによる。
探索者の考えを聞きつつ、再現された「人間」は自身の非実在に関するその人なりの考えを探索者にも伝えるだろう。ここはある程度、会話によるロールプレイで探索者の考えを聞いておくことを推奨する。ある程度話が進んだところで切り上げ、以下の描写に続く。
探索者の言葉が切れた、ちょうどその時だった。静寂に包まれていたホールに、突如ピアノの音が高く響いた。ピアノのほうに視線をやると、薄らと輪郭がぼやけた影のような人物が、演奏用の椅子に腰かけている。続けて練習か試し弾きのような音が鳴り、少しの間があってから——演奏が始まった。
探索者がこの演奏に対してどのような反応を見せるか次第だが、「人間」の再現から踊りに誘ったり、何も言わず演奏を聴いたり、その時々に合わせてシーンを演出すると良いだろう。
探索者から他に行動の要望がなければ、このシーンは終了となる。