別荘館内の東側1階にある個室のひとつ。
この部屋を調べる探索者は、<目星>-30%でロールを行う。失敗した場合、もしくは、それで<目星>がロール不能になってしまう場合のみ、<幸運>のロールに失敗することで偶然——不運にも——気づくことができるかもしれない。<幸運>に成功してしまった場合は、それ以上何かの努力で気づくことはできないだろう。
<目星>-30%に成功した探索者は、部屋の探索中、ふと壁のある一部分に目が留まる。それはあまりにも些細な違和感——その壁に近づき、よく注視してようやく確かめることができるほど、小さな異質さである。
この別荘の内装は、壁紙の柄がダマスク模様で統一してあり、そのどれも模様が紙の継ぎ目で切れることなく丁寧に貼りつけてある。しかし、探索者が注視したその箇所——約12cm四方といった大きさのその一部分だけは、3~5mmほど模様がズレているのである。
もし<幸運>に失敗した場合、探索者は不意に目眩を感じたか、あるいは他の探索者にぶつかったなどの理由で、偶然にもその箇所に手をつき、体重をかけてしまうことになる。ただ、<目星>-30%に成功した探索者であれば、自らの意思でその箇所を押すか押さないか、選ぶことができる。押さない場合、ここでの探索は以上となる。
壁の模様がズレた部分を押すと、短い間の後で「カチリ」と微かな音が聞こえ、次の瞬間に足元で何かが飛び出してくる。飛び出してきた部分をよく見ると、それはどうやら隠された収納であることがわかる。収納の中には——奇妙な、如何とも形容しがたい、何らかの機械と思しき物体が入っている。
それは、小さくて細い長方形の銅製の箱で、表面は一面に小さなくぼみがついている。箱の1つの側からしなやかな金属製のチューブが5本伸びていて、その先端は長さ3cmの金属製の針になっている。
当然ながら探索者のなかには、それを見たことがあるものはいないだろう——あるいは<クトゥルフ神話>に成功する者がいれば、それが何かを知っていることもあるかもしれないが。
しかし、部屋自体はいたって普通で、探索者が寝泊りに使うこともできそうである。
E106号室で得られる情報は以上。
探索者から他に行動の要望がなければ、このシーンは終了となる。