8月の終戦記念日を境に日韓関係は緊迫しています。
同じように過去冷戦下緊張状態のアメリカとソ連の間では、ある一つの数学理論を覇権争いの基軸として、
採用していました。それが、ゲームの理論
名前から、その~、テレビゲームの攻略理論か!?
って思われるかもしれませんが、勿論違います。
歴史を名を残し、映画(ビューティフルマインド)で
その人生を描かれたジョンナッシュ、現代コンピュータの動作原理を
発明し原爆の開発にも携わったノイマン達が構築していった理論です。
この理論は、アメリカの戦略構築に用いられ、ビジネスシーンにも
適用されています。MBAの履修科目にも確かありますね...。
理論中、最もポピュラーな話題が囚人のジレンマってやつです。
共犯者二人の囚人(AとB)が、別々の部屋に収監され警官にこう尋問されます。
以下、wikiより転載。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9A%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%82%B8%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%9E
1.もし、おまえらが2人とも黙秘したら、2人とも懲役2年だ。
2.だが、共犯者が黙秘していても、
おまえだけが自白したらおまえだけは刑を1年に減刑してやろう。
ただし、共犯者の方は懲役15年だ。
3.逆に共犯者だけが自白し、おまえが黙秘したら共犯者は刑が1年になる。
ただし、おまえの方は懲役15年だ。
4. ただし、おまえらが2人とも自白したら、2人とも懲役10年だ。
ずらずら長いのですが、表にすると、こんな感じです。
囚人A,Bそれぞれの選択は、どうあるべきでしょうか?
それぞれ、自白すべきでしょうか?黙秘すべきでしょうか?
答えは、自白すべき...になります。
そこに至るまでのプロセスは下記のとおり。
囚人A、Bがともに自白し、10年の刑を受けるより、ともに黙秘を続ける方が
2年の刑となり得なはず。
しかし、囚人Bはこう考えます。
囚人Aが、黙秘を選んだ場合、囚人Bは自白を選んだ方が刑期が1年となり得だ。
囚人Aが、自白を選んだ場合、囚人Bは黙秘を選んだ場合、刑期は15年となるが、
自白を選んだ場合、刑期は10年となり得だ。
つまり、囚人Aのどの選択においても、囚人Bにとって自白を選んだ方が得となる。
その逆も然り...。
囚人のジレンマでは、
黙秘を"協力"、自白を"裏切り"と表現することが常なので、
この場合、"裏切り"を選択した方が、常に得になります。
囚人のジレンマゲームは、一回こっきりであれば確かに
互いを裏切ることがベストソリューションなのですが、
これを回数を囚人に知らせないで、何回もゲームしたらどうでしょう?
そりゃあ、互いに裏切るばかりではなく、
協力することを覚えた方が互いにとって得なはず。
過去、さまざまな研究者が、どの程度、裏切りと協力をしたら一番得なのか?
もしくはどんなやり方が囚人に最も得をもたらすか?、戦略を研究しました。
広く、戦略を公募し、コンピュータシミュレーションを行い、
一つの結論に到達しました。
相手が裏切れば、裏切りで報い、協力すれば協力で報いる。(しっぺ返し戦略)
が一番効果的だと。
ここでいう裏切りには裏切りで報いるというのは、必要以上の報復を意味しません。
相手の裏切りには、即、一度きりの裏切りで反撃することを意味します。
裏切りに対し、裏切りが適切に返されることが予め互いに判っているのであれば、
抑止力となり、裏切りは"損"だと互いの共通認識になります。
そして、日本と韓国の場合、
日本は、速やかに韓国に対し、報復をすべきです。
ただし、必要以上をしてはならない。
下記の記事で、"相手に応戦する場合は「倍返し」する規定"があるとのことですが、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101125-00000002-jct-soci
そのオプションを取った場合、
悪戯に報復の規模が拡大し全面的な戦争につながりかねない。
あ、あと、このしっぺ返し戦略っていうのは、職場の人間関係、普段の私生活、恋人、友人との関係
にも超有用です。
悪意には、悪意で返し、善意には善意で返す。
まぁ、お返しのタイミングや、悪意、善意の強さには慣れが必要ですが。
ただ基本原則として、
善悪問わず"やられたらやり返す"をキチンと実践すれば良いというのが解かっているだけでも、気が楽になります。