フィードバックループを持つIIRフィルタは、同等な遮断性能を持つFIRフィルタと比べて下記の利点があります。
演算量が少なくて済む
ハードウェア規模が小さく出来る
消費電力を小さく出来る
反面、インパルス応答が無限に続き、発散する場合があるといったマイナス面もあり、
そのため、フィルタの安定性を評価する必要があります。
ここでは、下記3つの伝達関数H1(z),H2(z),H3(z)を例にとって、それぞれの零点、極を評価します。
scilabコマンド
-->hz1 = (1+p+p^2)/(1-0.5*p)
-->hz2 = (1+p+p^2)/(1-0.5*p^2);
-->hz3 = (1+p+p^2)/(1-0.5*p^3);
-->[zers, pols] = plzr1(hz1, 1)
-->[zers, pols] = plzr1(hz2, 1)
-->[zers, pols] = plzr1(hz3, 1)
H1(z)の零点、極(零点は、○、極は×)
H2(z)の零点、極(零点は、○、極は×)
H3(z)の零点、極(零点は、○、極は×)
評価した伝達関数の極はそれぞれ単位円内にあるため、安定した性能をもつフィルタと言えます。