各国政府は、自国の人口の推移を国家戦略の重要な位置づけとして、
研究しているはずです。もちろん日本も。
イギリスの経済学者 マルサスは一つの数式を用いて
19世紀初頭から中期までのイギリスの人口を予測していました。
それが、下記の数式です。
N = N0 × e ^ ( γ t )
ここで、
N :総人口
N0:モデル上の初期人口
e :自然対数の底
γ :パラメータ
t :時間
数式の導出過程は、長くなってしまうので省きます。
一番簡単な微分方程式から解くことが来ますが、それでも長い...。
あっ、でもでも、この数式を日本に当てはめて見たら面白そうです。
昭和25年から、平成17年までのスパンで、
数式で予測した人口と、実際の人口を比較してみました。
実際の人口データは、統計局から、引っ張って来ました。
統計局へのリンク→第2章 人口・世帯
※昭和20年からにしても良かったのですが、終戦の年で、
統計的にある種の特異点かと思いまして、昭和25年からモデルを適用しました。
統計データも、5年毎のデータですので、モデル式の時間1単位も5年としてます。
統計局のデータより、計算に必要なパラメータを求めました。
N0 = 84115 (単位1000人) ← 昭和25年の人口
γ = 0.06847995
←これは、昭和25年と30年の実際の人口データから下記のように
算出しました。
昭和25年の人口 = 84115
昭和30年の人口 = 90077 (単位1000人)
んで、
N = N0 × e ^ ( γ t )より、
90077 = 84115 × e ^ ( γ ) ※時間1単位を5年としてます。
90077 / 84115 = e^γ
両辺、対数を取って、
log(90077 / 84115) = log(e^γ)
log(90077 / 84115) = γ
γ = 0.06847995
と、求められます。
計算に必要なパラメータがこれで全て求めることが出来ました。
一般式 N = N0 × e ^ ( γ t )
は、N= 84115 × e ^ ( 0.06847995 t )となり、これで、表計算出来ます。
...で、こんな結果になりました。↓ここで、人口の表示単位を百万人にしてます。
出生率は、内閣府から引っ張りましたよと。
内閣府へのリンク→出生数、合計特殊出生率の推移
一貫して、モデルより実際の人口の方が少ないですね。
でも、昭和50年までは、
モデル算出した人口と実際の人口との誤差率は5%台で、まぁまぁいい感じ。
とはいえ、表中、黄緑で記した昭和55年から、
一気にモデルと実際の人口との誤差率が増加してます。
おっと、同じタイミングで出生率が、2.00を切ってしまっています。
なるほどー、昭和55年以降、
誤差率の急激な拡大、出生率の低下がともに進んでるわけですネ。