自然との出会い「増尾城址公園」

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ビオトープという言葉をご存知ですか? “野生の動植物が、生態系を保って生息する環境”のことで、柏には、このような豊かな自然環境が多く残されています。

今回より、日本自然保護協会自然観察指導員 篠崎 将氏(増尾在住)に筆を執って頂いて、地域の自然環境に恵まれた場所をシリーズで紹介して頂きます。 総務広報 Y.T.

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第一回 「増尾城址公園」

増尾地域には、多くの動植物と出会うことの出来る豊かな自然が、多く残されています。このような場所のいくつかを、順次、ご紹介していきます。

最初にご紹介する「増尾城址公園」には、山林と水辺の公園がありますが、山林は、遊歩道や遊具を設置しただけで、殆ど自然のまま残されています。 起伏に富んだ地形で、イヌシデ、シラカシ、モミ、コナラ等の高木と、アオハダ(D)、ツルウメモドキ、コウヤボウキ、テイカカズラ等の低木が見られます。林床には、ギンラン(C)、キンラン(D)、シュンラン、イチヤクソウなど多くの植物が随所に見られます。

一部、ロープの張られた場所がありますが、そこは貴重な植物を自然保護団体

保護育成している場所なので、立ち入らないよう注意してください。

ギンラン

水辺の公園は、ヨシの群生地と池と水路で構成されていますが、 水が豊富なため多くの生きものが生息しています。鳥では、バン(B)、ダイサギ(C)、コサギ(C)、アオサギ、カルガモなどが年間を通じて観察できます。

ダイサギ

夏には、渡り鳥のオオヨシキリ(C)、ツバメ(C)、冬になると、ツグミ、ウグイス、アオジなどを観察することが出来ます。

オオヨシキリ

池と水路があるため、トンボ類も豊富で、キイトトンボ(C)、アオモンイトトンボ、オニヤンマ、クロスジギンヤンマ(D)、ハラビロトンボ(B)、チョウトンボ(D)、オビトンボ型コフキトンボ、ハグロトンボなど15種以上が観察できます。

ハラビロトンボ

チョウトンボ

池や水路には数は少ないが ニホンアカガエル(A)、トウキョウダルマガエル(B)も生息し、その他バッタやキリギリス類も生息し、観察に事欠かない貴重な場所となっています。

ニホンアカガエル

注: 本文中の( )内のアルファベットは、千葉県絶滅危惧種のカテゴリーを示しています。

(A)最重要保護種 (B):重要保護種 (C)要保護種 (D)一般保護種 です。

日本自然保護協会自然観察指導員 篠崎 将 記