「葛が谷」<新柏の湿地>

投稿日: Jun 22, 2014 2:2:3 AM

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柏の自然ウオッチングをテーマに、第一回 「増尾城址公園」、第二回 「名戸ヶ谷ビオトープ」を自然観察指導員 篠崎将氏に紹介して頂きましたが、今回、「葛が谷」について書いて頂きましたので掲載させて頂きます。 尚、このシリーズは、継続致しますので、ロケーションが分かるように地図を作りたいと思っています。 パソコンで地図が描ける方のご協力が頂ければ幸甚です。

総務広報部 Y.T.

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土地区の豊かな自然の紹介

「葛 が 谷」

新柏2丁目の住宅地と山林に挟まれた日当たりのよい湿地で、立ち入る人がいないため、豊かな自然が残されている。 全体が湿地で、雨の降った後はいくつかの水たまりが出現するが、日照りが続くと水が無くなってしまうこともある。また、湿地に隣接している山林は2mほど高く、高い樹木のないところにはナンバンギセル(ハマウツボ科)が群生する。ススキの根に寄生し、茎は短くて地中にあり、退化した葉のもとから長い花柄を立て、その先に1個の花をつける。ナンバンギセルとはマドロスパイプのことで、その花の形から命名されたものと思われる。

写真:ナンバンギゼル

斜面にはホタルブクロが群生し、日当たりの良い所には、ヨモギの葉に似ているがひとまわり小さく、黄色い可憐な花をつけるヒキヨモギ(千葉県保護種)も群生している。 また、湿地一面に10~20cmの茎を出し、茎頂に2~3本に分岐して又状になった花序をつけるカリマタガヤ(千葉県保護種)の群生もある。

写真:カリマタガヤ

その他、コシオガマ、オトギリソウ、ヤマユリなど美しい花も見られる。

夏から秋にかけてトンボ類も豊富で、ナツアカネ、アキアカネ、マイコアカネ(舞子さんのように顔が白い)や、マレーシアやフイリピン方面からはるばる渡ってくる

ウスバキトンボも見ることが出来る。また、シオカラトンボに似ているが、尾がひとまわり太く小型で柏市内でも珍しいハラビロトンボ(千葉県保護種)も観察できる。

以上、ご紹介したのは葛が谷北部の民有地ですが、葛が谷西部の中原小学校に隣接した山林も、自然が残されている地域です。 既に柏市が一部を買収し、その周辺を借地して自然保護地域として、整備が進められています。 毎年7月にホタル観察会が行われている地域で、水辺があるためオニヤンマをはじめトンボ類も豊富です。また、植物もキンラン、ギンラン、ジュウニヒトエ、イヌアワ(ともに千葉県保護種)が観察されています。

写真:ギンラン

写真:ジュウニヒトエ

葛が谷地区が広範囲にわたって動植物の生息環境が整備され、保護されることを期待しています。

篠崎 将 記