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「独自のハードウェア規格」で高速な日本語表示を可能にし、国内のPC販売シェアを欲しいままにしていたNECのPC-98シリーズ。そのアドバンテージはWindowsの登場によっていよいよ無くなりつつありました。Windowsは異なるハードウェアをソフトウェアレベルで統合し、言語の壁を壊し、世界中のPC上に同じユーザ体験を提供したのです。特に1995年に発売された「Windows95」では、そのマルチメディア性がもたらす恩恵を享受しようとする世界中の多くの人々に受け入れられ、Windows95対応を謳うPCと共に瞬く間に普及し、世界でもっともポピュラーなOSとして君臨しました。

この転換期と言える時もNECはまたもや「独自のハードウェア規格」を据え置き、自社機用にWindowsを作り変えるという荒業を選択しました。ただ、国内におけるPC-98関連の資産は単純に切ってしまえるほど細くて短いしっぽではないことも事実でした。Windowsがバージョンアップするたびに自社機用に作り変える執念は、一見良心的ではありましたが迷走的でもありました。その結果は現在のNECのPC事情が物語っています。

ユーザに多くをもたらすWindows95でしたが、それと引き換えに要求されるPCのスペックは条件の高いものでした。90年代前半のコンパックショック以降、最新PCの価格は落ちてきたとは言えそれでもまだ高価な買い物でしたから、手前のPCのパーツを単体でとっかえひっかえしてアップグレードすることでその場をしのぐユーザもいました。ですが、それすらも「PC-9801○○専用」というようなつぶしのきかないパーツがほとんどであり、総じて安く済むことは稀でした。「メーカ製PCの専用アップグレードパーツ」などというマーケットが乱立して盛り上がりを見せたのは後にも先にもこの時代までの特有のものでしょう。

学生だった私も最新PCなどとても買えなかったのでデスクトップ型のPC-98にせっせとバイト代を突っ込み、CPUアクセラレータだのグラフィックアクセラレータだのそれはもうアクセル踏みっぱなしでしたが、自分のPCが変わっていくさまや私なりに知識が深まっていく事は単純に面白かったいい思い出です。

そんな状況で迎えた1997年、NECはついに舵を切ります。PC98-NXシリーズ(PC-9821Nxではない)の発売です。名称こそPC-98シリーズを踏襲するものの、そのハードウェア規格はこれまでのPC-98シリーズとは全く違う、むしろIBMのPC/AT互換機をベースにした規格の高いものでした。足かせだった「独自のハードウェア規格」との決別の始まりです。しばらくはPC-98シリーズとの併売を続けていく姿勢を見せていましたが、その終焉が近づいているのは誰の目にも明らかでした。

PC/AT互換機の「自作PC」が流行っていたのもこの頃だったと思います。この頃の自作PCはPC-98をいじり倒したユーザたちにとって特別難易度の高いものでもなかったので乗り換えた人も多かったのではないでしょうか。やがて私も安価で能力の高いPC/AT互換機に目移りし、散々手を加えたデスクトップ型のPC-98を手放す日がやってきます。昨今の自作PCではこんなトラブルは稀でしょうが、加工の荒い鉄板フレームで指を怪我したり、角が尖って抜き差ししにくいコネクタと格闘したり、PS/2キーボードが抜けてしまったらフリーズしたり・・。「あぁ。PC-98って作りが良かったんだな。」と思ったものです。

今でも電気屋で最新のLAVIEを見かけると、どうしてもあの頃を思い出して少しだけおセンチな気分になります。そんな時にこのPC-9821Nxを開き、FM音源に身を委ねて「アクセルを踏んづけた思い出」に浸るのは、きっとアナログレコードを聴く人と同じようなメンタリティなのかもしれません。エロゲーのサウンドですが。