レストア作業(内装編)
外装の塗装を乾かしている間に内部のレストアを行います。
内部のレストアとは言うものの、現実的に私のできる事と言えば簡単な清掃やメンテナンスと電解コンデンサや消耗品の交換くらいです。ただ、電解コンデンサについてはとっくに耐用年数を超えているので延命を考えるならば分解したついでに交換してしまうのが望ましいです。しかし、作業上の不手際などでPCを壊してしまっても誰も保証してくれないのは言うまでもないでしょう。
基板上に「1301」とプリントされた個所は電解コンデンサを外したところです。一見すると錆びているように見えたので液漏れによる腐食かと疑いましたが、これは接着剤の跡でした。接着剤が劣化していたのか分かりませんが、少し力を加えると小さな剥離音と共に電解コンデンサの箱を基板から剥離できます。40個以上のうち3割程はすでに剥離しており、足だけで基板上に付いている状態でした。
電解コンデンサの足をハンダごてで外す前に、あらかじめ電解コンデンサにほんの少しだけ力を入れて基板から剥がしておきました。接着されたまま無理に足だけをハンダごてで外そうとすると、基板のパターンを痛めてしまう気がしたからです。白い箱タイプは表面実装タイプのため、接着剤を剥離してしまえば足を外すのは簡単です。
極性は基板にもプリントされているので間違えることは無いと思いますが、一部不明瞭な個所もありましたので、やはり必ずメモしておくべきだと思います。
特に注意が必要だと思った事は、同じ規格の電解コンデンサが手に入らず、やむなく耐圧を大きめにした場合などです。その場合、寸法が大きくなる事もあり、組み上げの際に他の部品やスルーホールと干渉する恐れがあります。また、多くの箇所で横倒しで付けることになるので、これらの事情を踏まえながら新しい電解コンデンサの足を曲げる加工が必要になります。この加工の時に電解コンデンサの足の付け根のシール(蓋)に負担の掛かる曲げ方をすると液漏れを誘発し、寿命を短くしてしまう可能性があります。
ノート型のPC-98にはもう一つ、レジューム用電池が内蔵されています。このレジュームの機能とは、昨今のPCでいうところのサスペンドに似たものです。ノート型のPC-98のオートパワーオフなどと組み合わせて使うことで省電力性を確保できます。
このレジューム用電池の入手性は著しく悪く、他のユーザの方々もかなり苦労されているようです。しかも古くなると液漏れしてPCを汚損してしまう危険性があるという少々厄介な電池でもあります。私の場合、どうしてもレジュームの機能を使わなければならないという場面は想定されないし、液漏れも怖いのでPCから外して保管しておくことにします。
ちなみにレジューム用電池、時計用電池、増設メモリはパネルを1枚外せば簡単にアクセスできる構造です。素晴らしい出来ですね。