電源周りを制作

バッテリパックができたところでACアダプタと電源回路周りを、実際の運用面と擦り合わせしながら制作しました。

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まずはACアダプタ

2系統の電源を出力できるものを作ります。

1系統はそのままPS2Uの本体に入力するための、いわゆる外部電源(以下、PS2電源)です。

画像のものがその電源でSCPH-90000ではPS2本体に内蔵されていたものを取り出したものです。テスタで電圧を図ったところ7.53Vでした。SCHP-90000の最大消費電力は公称値35Wですから、性能は7.5V、4.6A、35Wといったところでしょう。もの凄く軽いのが印象的です。

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もう1系統は充放電管理基板(以下、管理基板)に入力するための電源です。

管理基板用の電源装置に必要な電源スペックは18~25V、60W以上とありました。今回はTOSHIBA製のノートPC用のACアダプタをアマゾンで購入し使用しています。小さくても力持ちの19V、3.95A(75W)です。このアダプタを殻割りしてPS2電源と共に一つのケースに収めたいと思います。

管理基板用のACアダプタは充電の際に非常に高温になり(触るとかなり熱い)、充電中に安全回路が働いて給電がストップしてしまいました。このように安全回路が組み込まれているものなら安心ですが、その前に買った見知らぬメーカのACアダプタは十数回の充電で部品が破裂して壊れてしまいました(フル充電するのに30時間ぐらいかかる時がありました)。

排熱しないとまずいのでファンと吸排気口を設置しました。給電中に常にファンが回っていると騒がしいので、サーモスタット(50℃で閉じ、30℃で開く)をファンの電源配線に噛ませます。サーモスタットは管理基板用のACアダプタのアルミケースに取り付けました。充電を開始してACアダプタが高温になるとファンが回転します。充電が終了し、ACアダプタの温度が落ちてくるとファンが止まります。充電中にケースを触っても人肌程度の温度になりました。また、熱によって安全回路が働いて充電が遮断されてしまうこともなくなりました。

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バッテリバックアップ回路

さて、外部電源と管理基板用の電源を用意できたので、今度は外部電源と内臓電源の運用と電源管理について考えます。

一般的に充電池を搭載した端末は、外部電源接続時には給電と共に充電を行い、外部電源切断時には充電池からの給電を行います。外部と内臓の電源切り替えはシームレスに行われるのが理想です。これを実現するのが、二次電池(充電式の電池)を使ったバッテリバックアップ回路です。ググると出ます。

この図は、一次電池(充電式ではない電池)を使ったバッテリバックアップ回路の一番簡単な回路図です。矢印のような回路記号はダイオードです。ダイオードは電気を一方向にしか流さない半導体です。

外部電源(+5V)と電池(+3.7V)の先にそれぞれダイオードがあり、さらにその先で結線して「負荷」に入力される際、より大きな電圧の外部電源(+5V)の方が入力される特性を利用した回路です。ダイオードはもう一方の電源から逆の電圧がかかってこないようにするためのものです。・・と、私は理解したのですが合っていますでしょうか。

PS2Uの場合、充電はPS2電源ではなく管理基板が担うので、この一次電池を使ったバッテリバックアップ回路を参考にしました。

しかし、PS2電源側にダイオードを噛ませたところ、うまく起動しません。ダイオードは0.6V程度の電圧降下があるからでしょうか。ちなみにバッテリ側のスイッチング電源は可変電圧式なのでダイオードの電圧降下分を調整できるので問題なく起動します。

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仕方がないのでPS2電源側はリレーで物理的に切断できるようにしました。AC100Vの入力がある時は、電源手前のリレーが閉じて電力を供給することができます。AC100Vの入力がない時は、リレーが開いてバッテリ側(逆方向)からの電圧がPS2電源側にかからないようにしています。

スイッチング電源の電圧ですが、図には8.0Vと記しましたが、これは仮の値です。ダイオードを介しての電圧を7.4Vに調整したので、ダイオードの電圧降下分を仮に0.6Vとした場合、8.0V=7.4+0.6ということです。

前述の通り、バッテリバックアップ回路は電圧の高い方から電気を供給するという理屈らしいので、PS2電源側7.53V固定に対し、バッテリ電源側を少し低めの7.4Vに設定しました。理屈通りなら、PS2電源が接続されている時は、バッテリ側より電圧の高いPS2電源側から供給され(7.53V>7.4V)、PS2電源が外された時はバッテリ側(0V<7.4V)から供給されるはずです。・・が、

実際これで運用するとPS2電源での運用中でも若干ですが、バッテリを消費してしまうようです。SCPH-90000の消費電力は単体で10W程度と言われますが、PS2電源での稼働時にワットチェッカで測ると、6W程度の値しか示しません。図の電源SWの位置が悪いのもあるでしょう。少なくとも管理基板とスイッチング電源の間に電源SWを置くべきでした。電源を入れていなくても、常時スイッチング電源に電気を供給する格好になってしまっています。失敗です。

それにしても、電源OFF状態の放電量(完全放電までに数週間?)よりも、PS2電源接続時の放電量(完全放電までに半日程度?)の方が大きいのは気のせいではありません。PS2電源供給中にもLEDゲージが点灯してしまう(管理基板の連射回路の電源をPS2から供給しているから)などの理由はあるでしょうが、図の電源管理方法にはおそらく他にも誤りがあるのでしょう。ですが、PS2U稼働中にバッテリが減ってくると、私より賢い管理基板が勝手に充電を始めてくれるので特段、不便はありませんが・・。

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パッケージングと配線

実際にパッケージングしたものの画像です。画像のケース内上側のアルミ筐体のものがPS2電源です。下側のアルミ筐体のものが管理基板電源です。

PS2電源の横にはリレーとリレー用の電源基板が詰め込んであります。リレー用の電源は100均で売っているスマホ用の充電アダプタを使っています。安くて小さく簡単にAC100VからDC5Vを取り出せるので、この手の工作では重宝します。

管理基板電源のアルミ筐体にはサーモスタットを取り付けてあります。サーモスタットを介して右側のファンの電源を温度で制御しています。ファンは12V用ですが、電源はPS2電源(7.53V)から引いています。

ラベルは完成間近に作成したものです(25V表記は間違いです)。

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何とかケースに収まって一安心です。

PS2U同様かなりデカく、ゲーミングノートPCのACアダプタみたいです。

出力側の配線にはオーディオ用の4芯ケーブルを使用しています。コネクタはUSBコネクタBタイプのオスです。配線が太く、このコネクタを取り付けるのに大変苦労しました。おまじないとして手持ちのフェライトコアを付けておきました。

しかし、この配線でも容量が足りないようで充電中は配線がほんのりと温かいです。75Wの管理基板電源が熱による安全回路作動で停止してしまうほどのパワーですから無理もありません。

ほんのりと配線が温かいのはやっぱりまずいのでしょうか。

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PS2U本体側のコネクタ

画像はPS2U本体側の電源ソケットです。USBコネクタBタイプのメスを大電流用に加工したものです。