部品を調達
まずは必要な部品を調達しました。部品の動作確認がてら、ちょっとだけゲームを楽しんでしまいました。
モニタ
テレビ用に制作されたゲームのUIを小型の画面に映し出すからには、にじみなどが少なく手軽に扱えるSビデオ接続のできるモニタがいいと思いました。一般的にPS2のゲームのUIは横縦比4:3のブラウン管テレビ用に設計されています。電源はPS2本体のUSB端子から供給するとして、「Sビデオ入力付き、画面解像度640*480ドット、電源5V」で価格が手頃なものを探しました。
しかしこのご時世、そんな前時代的な規格のものはなかなか見つからず、最終的にはaitendoのHV6802V2-L070という液晶モニターと液晶基板のセット品に落ち着きました。この製品、入力はHDMI、アナログRGB、コンポジット*2で、16:9(4:3も可能)の800*480ドット、電源は5Vです。これをPS2のマルチ端子のSビデオ信号にアップスキャンコンバータを噛ませてHDMI出力するという荒業で克服しようと考えました。
ですが、そもそもアップスキャンコンバータを使うこと自体、サイズ増、重量増、消費電力増、応答速度の問題などリスク山積です。どう考えてもこの選択は間違っていたというほかありません。
PS2をアナログRGB出力化する方法もweb上にありましたが難しそうだったので、この段階では見送りました。今思えば、やってみれば良かったと思います。
バッテリの電圧を安定化するための電源は秋月の降圧タイプのスイッチング電源キットを使用しました(DC1V~15V、最大8A)。
SCPH-90000の電源電圧は約7.53Vです。
管理基板によって10.6V±0.25Vで電池保護のため放電が遮断されます。そしてこのスイッチング電源は取り出したい電圧より3V高い電圧を入力しなければなりません。さらに逆電圧が掛からないようにダイオードも必要(0.6Vの電圧降下)ですので、放電停止直近の電圧の最低値は
10.6-0.25-3-0.6=6.75V
ということになるんだと思います。この値では放電停止前にPS2の稼働を維持できなくなる可能性があります。電源入力差の値とダイオードの電圧降下の値は、実際はここまでシビアな値ではないと思いますが、本来、回路を設計する場合はきちんと考慮しなければなりません。
ゲームパッド
]ゲームパッドはPS2標準のDualShock2を使います。
これは推測ですが、世に公開されているPS2の携帯ゲーム機化の完全動作品はデジタル式のパッドを使っていると思われます。このアナログ式パッドを搭載できればポイントが高いです。
ハードオフのジャンク売り場に300円ぐらいでプラケースにたくさん入っています。ジャンク扱いの理由はアナログスティックの動きが渋くなっていたり、スティックが中立状態を保てないパターンがほとんどのようです。紆余曲折あってゲームパッドはジャンクのものを10個近く購入しましたが、アナログスティック以外に不良個所があったものはひとつもありませんでした。
パッドの中に振動させるためのモータが大小2つ入っています。ただ、振動機能は他の電子部品にとってリスクが大きいので、振動モータ搭載については見送りました。
DualShock2の特徴といえば、STARTとSELECTとANALOG、そしてL3とR3の5つのボタン以外はすべて押下圧を256段階で判定するアナログ入力に対応している事です。