下記の通り地域院生研究フォーラムの第17回研究会を開催しました。
今回は、「『戦後』の戦争」というテーマの下、発表と討論を行いました。
日時:2015年12月5日(土) 15時から18時
場所:18号館2階 院生作業室
テーマ:「戦後」の戦争
発表者・発表題目:
1.藤田七海(津田塾大学 学芸学部 国際関係学科)
「ベトナム戦争とベトナム難民の行方~アメリカ、リトルサイゴンより~」
<報告概要>
本研究の目的は、ベトナム戦争末期に発生したインドシナ難民を二つの視点で報告すること。①安全保障上の脅威としての難民と受入国の克服②受入国への難民参入手続きと送出国との関係
<報告を終えて>
この度の研究報告は、私の卒論主題、米越国交正常化への布石を敷くものとなった。報告会で更なる課題を発見でき、今後はクリントン政権の国交正常化という政策決定のアクターとして、ベトナムロビーに注目しようと考えている。
2.新谷美央(地域文化研究専攻 アジア科 修士課程)
「イエメンにおける『アラブの春』後の政治移行」
<報告概要>
本報告は、2010年末以降、中東・北アフリカ諸国に広まった「アラブの春」を受けた、イエメンにおける政治移行プロセスを扱った。2011年11月以降、大統領の交代や新憲法制定等を規定する、湾岸諸国や国連等の調停による合意「GCCイニシアティブ」に基づき、政治移行プロセスが進められていたが、2015年初頭、北部を拠点とするシーア派系勢力「ホーシー派」による憲法宣言の発表等を経て、当該プロセスは実質的に停止した。報告者は、移行プロセスの停止に至った背景を分析する上で、2011年以降の動向を追うのみならず、同年以前の状況(特に、ホーシー派と政府の対立)に遡る必要性や、内戦等に関する先行研究から示唆を得られる可能性を指摘した。
コメンテーター:
渡辺惟央(地域文化研究専攻 フランス科 博士課程)
司会:
河野亮(地域文化研究専攻 アジア科 博士課程)