2月23日に以下の内容で第9回地域院生研究フォーラムを実施しました。
次回は3月に開催予定です。
第9回地域院生研究フォーラム
テーマ:学振応募にむけて
日時:2015年2月23日(月)15時00分から17時30分まで
場所:18号館2階院生作業室
発表者(専門・学振採用時の分科細目):
1. 鈴木啓之 :博士課程 国際政治(中東) DC1採用経験者/PD内定(地域研究)
2. 小坂井理加 :博士課程 歴史学(地中海・フランス) DC1(史学・西洋史)
3. 佐藤朋子 :教務補佐員 精神分析史・現代思想(フランス) PD採用経験者(哲学・思想史)
司会:渡辺惟央(地域文化研究専攻 フランス科 修士課程)
<報告>
今回のテーマは「学振応募にむけて」とし、20名ほどの参加者に来ていただいた。
学術振興会特別研究員制度は、博士課程進学を考える院生にとって、研究資金獲得のための、また研究者のコミュニティのなかで自らの立ち位置を確認するための重要な機会である。申請にあたっては、研究計画書をはじめとする種々の書類を用意する必要があるが、そのノウハウを専攻全体で共有する機会はこれまで無かった。今回の企画では、研究員採用の経験のある方々に応募書類の書き方、応募時の体験談などをお話していただいた。
当日は、まず今年度の募集要項の変更点(全申請の電子化など)について、司会から説明を行った。
最初の発表者の鈴木啓之さんは、本学・本専攻の院生の研究員採用率グラフ(領域・分科・細目ごとの内訳付)や、約40名の採用経験者に実施したアンケート調査など、入念な準備・調査に基づいたデータをもとにお話してくださった。複数のデータから、DC1, DC2, PDそれぞれの採用傾向や、専門分野ごとのキーポイント等を明解にご説明いただいた。
二人目の発表者である小坂井理加さんからは、ご本人の研究計画書を参加者に配布し、みずから各箇所にコメントを加えるなど、執筆にあたってのノウハウを丁寧にお話していただいた。また、提出期限までの作業の段取りや、採用後の研究生活などについてもお話があり、参加者の多くを占めたM1院生にも申請〜採用の流れをイメージできるような配慮の行き届いた発表だった。
最後に、本専攻の教務補佐員である佐藤朋子さんは、多数の計画書添削をおこなった経験から、「研究計画書を書くとはどういうことか」という心構えのお話から始めて、「審査者はどんな点をチェックして読んでいるのか」など、院生には知る機会の少ない貴重なお話を多くしてくださった。博士課程の参加者からの質問もあり、PD応募に向けた準備の仕方についてもご意見を聞くことができた。
質疑応答では、M1院生から、申請要項についての質問がいくつかあった。要項を読んでも疑問点が残るのはしょうがないことであり、申請・採用経験のある先輩に話を聞く機会を作るべきだという意見が出た。特に大事なのは、早めの準備と、草稿を知人や先輩に添削してもらう機会を作ることだろう。今回の会のために作成された豊富な資料は、来年度以降の応募者にも役立つものであり、なんらかの形で資料を継承していくことも検討された。
(報告者:渡辺惟央 フランス科M2)