2023年11月16日(木)~17日(金) 私の所属する大政クラブ(会派)で一泊二日の視察を行いました。
議員になって初めての泊まりの視察でした。
1日目は、国会議事堂見学及び藤川参議院議員表敬訪問を行いました。
2日目は、茨城県境町に赴き「自動運転バス」の視察を行いました。
この記事は、2日目の茨城県境町(さかいまち)「自動運転バス」の視察の模様です。
東京駅から直行の高速バスは、90分で境町に到着します。
私たちは、その高速バスに乗って境町に来ました。
この高速バス境町停留所は、以前は無かったのですが、国土交通省の自動運転バスモデル自治体として、また、公道で初めて自動運転バスを走らした実績からか、見事にこの路線を確保されたのです。
この部分だけでもスゴイ事ですね。
境町の公社の職員さん、境町職員さん、運行管理を担うボードリーの社員さんなどたくさんの皆さんに歓迎の出迎えを頂きました。
皆さん、自動運転バスだけでなく、境町の町長さんを先頭に行った色々な改革と試みを誇らしく語っていらっしゃいました。
一つ一つの挑戦を聞いて、「ほー。へー。スゴイ!」と、ただただ感心していました。
境町人口は、ほとんど大口町と同じです。
10年前は、高齢者の割合が高く、人口減少、財源不足という状況であったそうです。
それを今の町長が37歳という若さで就任され、色々な改革をされ、まさに財政はV字回復を遂げられました。
その大きな源は、「ふるさと納税」でした。
そこに着目して、地域特産を作り、色々な工夫をし、内外に猛アピールをされ、見事、「ふるさと納税」茨城県1位を7年連続続けられています。
昨年実績で59億円を獲得されたとの事です。驚きです。
今年は、ふるさと納税の仕組みが変わることもあり、駆け込み需要があり、去年を上回るふるさと納税資金になるとの事です。
また、補助金獲得にも力を入れており、専門の書き手(元銀行マン)もいるらしく、ガンガン補助金を獲得されているとの事です。
町の予算を全く使わず、補助金とふるさと納税で得た資金で、新規事業を立て続けに行っています。
その一つが自動運転バスという事です。
境町のそのスキームを解説すると長くなりますので、ココまでとしますが、町の危機感から、町長の大胆な施策に全てを掛けて、町一丸となって取り組んだ成果が、今日の境町を創ったことが分かりました。
勉強になりました。
自動運転バス前で大政クラブ12名全員での集合写真です
大政クラブ研修のみなさんが乗っています
高速バス境町停留所です
ボードリー中央監視室でバス内の様子が見れます。大政クラブの皆さん乗車中の様子です
こちらが現在稼働している自動運転バスです。フランス製です。近未来的ですが、かわいい感じですね。電気自動車で一回8時間の充電で800㎞走れるそうです。
ちなみに現在(2023年11月時点)「サザエさん」のエンディング曲でサザエさんが自動運転バスに乗っている映像が流れます。その映像を見た若者が自動運転バスを見に、わざわざ境町に来るそうです。町が意図したのでは無いのですが、こんな好影響もあるそうです。
車内風景です。15人定員です。冷暖房完備です。
皆さんを乗せての試乗です。
動画は29秒です。
視察中、巡回バスが帰って来ましたので動画を撮影しました。中に乗っている方は、オペレーターです。自動運転バスなのですが、実証実験中なので完全無人化のバスではありません。オペレーターは、ゲームのコントローラーの様な物でバスを動かしています。
ちなみに運賃は無料です。ココでお金を頂くとなると2種免許を持った運転手が必要になるとか、緑ナンバーにするとかの規制があるので、そういった事も含めて「無料」となっているそうです。
動画は23秒です。
こちらは、エストニア製の自動運転バスです。まだ走っていませんが、こちらも今後何台か走らせる予定との事です。
自動運転バスの街中で走る台数が増えたら、LINEで呼び出してのハイヤーも出来ないか、模索しているとの事です。
こちらの二輪車は、自動運転バスが何らかのトラブルがあった際に出動するバイクです。開始して3年経ちますが一度も出動したことは無いとの事です。
運行を管理する「BOLDY(ボードリー)」さんの中央監視室です。
こちらは境町だけでなく、ボードリーさんが管理する全国の自動運転バスの運行を監視しています。愛知県では、日進市さんの自動運転バスの運行もこちらで監視されていました。
近々、小牧市さんもボードリーさんの運行システムを導入するようです。
この管理会社「BOLDY(ボードリー)」さんは、わざわざ本社を東京から境町に移されたとの事です。
境町との強い信頼関係が伺われます。
途中、倉持境町議会議長様(中央)がご挨拶に来られました。ご挨拶の中で、9年連続で議長をされており、現市長とともにオール与党で境町の改革をしているとのお話しを頂きました。ちなみに境町の議員は12名です。(大口町は15名です。)
市長の即断即決を、議会が支えているという関係が良くわかります。それだけ10年前は、町の危機を誰もが感じていたのだと思います。
自動運転バスの導入は、運転手不足になる2024年問題、免許返納などに伴う高齢者の「暮らしの足」の確保など、大きな期待を抱かせるものでした。
実際に乗ってみて、また、境町の事例を聞いて、私自身の導入へのハードルはかなり下がりました。費用は、車両(3台)、監視システム、コンサルタント料等を含めて、年間約1億2千万円ほどのようです。(5年間契約)
愛知県では既に日進市が始めており、小牧市も導入を考えているとのお話しもあります。
この度の視察を通して、自動運転バス導入の検討は、一つの選択として「有り」ではないかと強く思いました。