2023年7月5日(水) 岩倉市にある愛北クリーンセンターにて、愛北広域事務組合議会全員協議会に、大口町議会から齊木議員、松本議員、私の3人が出席しました。
愛北広域事務組合は、岩倉市、犬山市、江南市、扶桑町、大口町のし尿処理業務(愛北クリーンセンター)と火葬業務(尾張北部聖苑)を行う一部事務組合です。
組合議会として、3市2町から21名の選出された議員を含め運営されています。(組織図はこちらからどうぞ。)
今会議では、色々な議案が審議されましたが、今回は新聞やテレビでも話題になった
残骨灰にある有価物(有価金属)の取り扱いについて、新たな方針に変わります
のでご報告します。
なお、同日に議題にあがりました「動物炉でペットの火葬と一緒にごみを燃やしていた事案に関する対応について 」は、下線をクリックしていただくと詳細ページに移動します。ぜひお立ち寄りください。
残骨灰の中には、故人がつけていた金歯、銀歯、指輪などが粉末状になって含まれています。それらを精錬し、金、銀、プラチナ、パラジウム、金塊などに再生して、売却したお金を運営費に充てている自治体があります。
令和5年3月31日 岐阜市ホームページに「令和4年度残骨灰有価物の売却結果及び売却金の使途について」が掲載されています。(詳細はこちらの岐阜市HPからどうぞ。)
令和4年度の実績として、なんと72,999,017円の売却金を得ています。
これらの売却金の使途は、火葬炉整備、空調設備改修、照明施設修繕、維持管理費用などに充てられています。
尾張北部聖苑を管理する愛北広域事務組合に対し、江南市、犬山市が令和4年3月定例会の一般質問、議案質疑で取り上げ、山田犬山市長(当時)が、組合に問題提起させてもらうとの答弁をされました。
令和4年5月26日(木)付けで、組合管理者宛てに、犬山市長及び江南市長から「残骨灰に含まれる貴金属の取り扱い」について検討するよう申入書が提出されました。
そこから、本格的に検討がなされ、8月24日付で管理者から犬山市長及び江南市長宛てに
「近隣の状況や先進事例を調査・研究し、故人の尊厳と遺族の心情等に配慮しながら、現契約の精査をしつつ、財源確保に向けて検討していく」
旨の回答をされました。(詳細は下記資料をご参照ください。)
さて、今回の件で思う事は、社会情勢の変化など諸々により、「ご遺体」の考え方、心情も変わってきているという事です。合理的に考えれば、有価物としての売却、換金は「有り」なのかもしれません。
その事で眉をひそめる方もおられるかと思います。
ただ、愛北広域事務組合は、「故人の尊厳と遺族の心情等に配慮し、換金や売却はしておらず、残骨灰処理業者において、残骨灰の処理費用と有価物の売却益を相殺している」という考えでこれまでやってこられました。
(残骨灰は、福井県勝山市にある清大寺にて埋葬し永代供養されています。)
業務として、火葬前の最後のお別れに臨む遺族をみてこられた人たちにとって、収骨後の残った灰に対しても、「尊厳を持って」接していた事がおもわれます。
今回の方針の変更により、その事がぞんざいに扱われる事ではありません。
今後は、残骨灰の処理、有価物の返還、組合が売却という流れになってまいりますが、課題も多々あります。
組合議会議員の一員である私は、遺族の皆様の心情に寄り添うことを第一義として、変わっていく組合の方針をしっかり精査していく所存です。
なお、この方針は、令和7年度より実施する予定でありますので、その事もご報告いたします。
Q.「愛北広域事務組合」って何ですか?
A.愛北広域事務組合は、し尿処理業務(愛北クリーンセンター)と火葬業務(尾張北部聖苑)を行う一部事務組合で、平成11年4月1日に愛北衛生処理組合・尾張北部聖苑組合・尾北広域事務組合を統合し、発足しました。
当組合は、愛知県北西部に位置する、犬山市、江南市、岩倉市、丹羽郡大口町及び扶桑町の3市2町で構成されています。管内は、名古屋市の北約10~30km圏にあり、名古屋市のベットタウンとして発展してきました。愛北クリーンセンターは、管内南西部の岩倉市五条川沿いにあり、尾張北部聖苑は、管内北部の犬山市国道41号線沿いにあります。