今回は、「生活困窮者自立支援制度」について、ご説明したいと思います。
昨年新型コロナウイルスが5類相当になり、コロナ以前に戻りつつある昨今ですが、コロナ禍により仕事、生活、健康など全ての人がリカバリーできたわけではありません。
身心ともに大きく傷ついた人たちもたくさんいらっしゃる事と思います。
生活の立て直しがどうしても上手くいかず、今日明日の糧をどうしようと悩まれている方もいらっしゃると思います。
そんな方々の為に国が設け、国が保障した国民の権利、それが「生活保護」です。
その利用に批判はありますが、困窮して何ともならない方は、ぜひご相談をしていただきたいと思います。
さて、「生活保護」を受ける前に、いくつかの段階があります。
その事について説明していきたいと思います。
(※なお、これから説明する事は、2/8(水)大口町長寿ふくし課から資料をいただき、その際のヒアリングをまとめたものです。多少の認識の違いがあるかもしれません。その事をご承知おきください。実際にご利用を検討されている方は、長寿ふくし課にご相談いただくことをお勧めします。)
「生活保護」を受ける前に行政は、3つのセーフティネットの段階を設けています。
図1をご参照ください。
第1のネットは、社会保険制度、労働保険制度です。
労働保険制度では、「仕事を辞められた方は、まずは失業保険を受けて生活費に充ててください。」
社会保険制度では、「国民皆保険制度で、病気、ケガなど医療にかかる際、1割~3割負担で利用だきます。」などですね。
※図1 「生活困窮者自立支援制度について」厚生労働省社会・援護局地域福祉課生活困窮者自立支援室資料より引用
※チラシ1 大口町長寿ふくし課より
第2のネットは、求職者支援制度、生活困窮者自立支援制度です。
求職者支援制度では、文字通り、仕事の斡旋ですね。
役所に登録されている事業者なので働く方々にとってもかなり安心できる職場ではないかと思います。
家賃が払えなくて住むところが無い方には、住み込みで仕事が出来る職場を斡旋したりもします。
また、「決まった時間に起きれなく定時に仕事にいけない。」「人間関係の構築に自信が無い。」等の理由で就労が難しいという方にも、そういった事情を汲んで就労できる職場の紹介もあるようです。
その方、その方の実情にあった支援をされていますので、ぜひご相談ください。
就労する事で、ご自身の自信にもつながります。
また、今回のメインテーマである生活困窮者自立支援制度は、
「自立相談支援事業」「住居確保給付金の支給」「子どもの学習・生活支援事業」「一時生活支援事業」「就労準備支援事業」「家計改善支援事業」
があります。
各々の事業は、チラシ2を参考にして頂ければと思いますが、
例えば「住居確保給付金の支給」では、お仕事を辞められて住居を失った方、または失うおそれの高い方に、就労活動を条件 に、一定期間、家賃相当額を支給 するといった制度です。
(コロナ禍の際、大口町では「住居確保給付金の支給」のご相談が多数あったそうです。)
「自立相談支援事業」は、弁護士による法律相談も行っています。
(弁護士による相談は、何かと心強いものです。
弁護士に相談経験の無い方は、今後の展望につながると思いますのでぜひご利用ください。)
ここまで説明してきてお分かりかと思いますが、まずは、生活再建を目指していただきたい、というのが行政の考え方であります。
※チラシ2 大口町長寿ふくし課より
これらの支援事業は、尾張福祉相談センター 地域福祉課(チラシ1参照)が行っていますが、まずは大口町長寿ふくし課にご相談ください。
これらの自立支援制度をもってしても、生活がままならない、年齢的に、身体的に就労が厳しいなどの方は「生活保護」の利用となります。
冒頭にも申し上げましたが、「生活保護の利用」は国民の権利です。条件を満たせば、全ての方が必要に応じた生活保護を利用できます。
利用できる内容は、以下の8種類です。
厚生労働大臣が定める基準によって支給されます。
① 生活扶助 毎日の生活に必要な食費や光熱水費などの費用
② 住宅扶助 家賃などの住まいの費用 (ローンの返済は含まれません)
③ 教育扶助 義務教育 (小学校・中学校)の費用
④ 医療扶助 病気の治療等にかかる費用´
⑤ 介護扶助 介護サービスを受けるための費用
⑥ 出産扶助 出産に要する費用
⑦ 生業扶助 高校修学や資格取得のための費用
③ 葬祭扶助 お葬式の費用
※①から⑧のほか、大学進学の際にも給付があります。
※毎月の定例的な給付のほか、臨時に費用が必要となる場合にも給付可能なメニューがありますので、事前に相談してください。 (紙 おむつ代、通院等の交通費、入学準備金、保護開始時等の被服・布団代など)
色々な扶助がありますので、まずは、ご相談から始めて頂くと良いかと思います。
大口町の相談窓口は、長寿ふくし課になります。
お問合わせ先
長寿ふくし課所在地/〒480-0126丹羽郡大口町伝右一丁目35番地 大口町健康文化センター1階電話番号/0587-94-0051 FAX/0587-94-0052 E-mail/ choujufukushi@town.oguchi.lg.jp
「生活困窮者自立支援制度における他制度との連携について」の図解が厚生労働省の資料にありましたので掲載します。
一人一人、世帯世帯の実情に合わせたきめの細かい支援制度は整っています。
「行政は、何もやってくれない。」というのは昔の話しです。
お困りの方は、ぜひ、行政窓口にてご相談ください。
※図解「生活困窮者自立支援制度について」厚生労働省社会・援護局地域福祉課生活困窮者自立支援室資料より引用
「生活困窮者自立支援制度」について、出来るだけ簡単に説明しましたが、どうしても専門用語が出たりしてわかりづらい所もあったかと思います。ご容赦をお願いします。
行政は、制度の改革、改善を実情に合わせて行っています。
今回の情報が早晩陳腐化する懸念もありますので、「利用をしたいな。」と思われた方は、まずはお住まいの役所窓口にご相談される事をお勧めします。
さて、人生、良い事ばかりではありません。つまづく事は誰でもあります。それでも生きているうちは、生きていく事になります。
生きずらく、世知辛い世の中ではありますが、それはいつの時代もそうだったのかもしれません。
幸い今の日本には、自立に向けた制度や生活保護の制度があります。
制度の利用は、権利であります。
困った時は、一人で悩まず、ぜひ制度の利用を考えていただきたいと思います。
皆様の暮らしが、今より少しでも良くなることをお祈りします。