2016年街歩きセミナー
2016年6月26日 街歩きセミナーで観測した大気データの結果です。
図1 2016年6月26日の観測結果
観測に使用した機器
エアロゾル粒子数濃度:TSI-3007 (直径10nm以上の粒子数濃度(CN濃度と呼びます)を測定)
温度・湿度:チノー MR-6662
天気:午前中は曇りでたまに薄日がさすくらいで、昼から晴れ。午前はほぼ無風だったのが、昼から次第に西風系になっていました。一日中、風が弱く、しかも、エアロゾル濃度があまり高くはなかったので、エアロゾル濃度にたいする局地的排出源の効果を見るには好都合な気象条件でした。
エアロゾル濃度(CN濃度)としては、昼頃にに少し高めだったようですが、午前も午後も、1万前後で大きな違いはありませんでした。現場で読んでいたときにはぱっとしませんでしたが、1分間の平均値として並べてみると、交通量の多い交差点でそれなりに濃度が高くなっていました。ベースになる背景的なCN濃度としては、ほぼ例年通りで7千~1万個/ccくらいでした。
気温・湿度の測定は、遮光・通風していないし、測定者の体温の影響も受けています。
その点に留意して見てください。あくまで「体感的な目安」として考えてください。
正確な気温としては、下記のwebサイトで名古屋地方気象台(本山の近く)の値を見てください。
本町橋~三の丸界隈の温湿度が、その前後と違うのは、木々による遮光効果と、植物からの蒸散があるためでしょう。これも例年通りです。
エアロゾルの個数濃度と質量濃度は、直接、1対1の関係ではありませんが、名古屋市のテレビ塔(自排局)でのPM2.5濃度の変化は、以下のようになっていました。
図2 名古屋市のテレビ塔(自排局)でのPM2.5濃度
テレビ塔のところでモニターしているPM2.5の質量濃度は、直径0.1~2.5µmくらいのサイズの粒子数が効いています。そのため、街歩き中に測ったCN濃度と、PM2.5濃度とは、時系列の様子がちょっと違って(26日の日中にかなり増加した?)見えます。