大学院進学案内

研究室では派手なことはやってません。地道な作業を進めてやっと見えてくるような、そんな研究テーマが多いです。語弊はあるかもしれませんが、エアロゾル粒子はどこにでもあるので、【B級グルメ狙い】のテーマ選びとも言えます。そのような内容の研究スタイルなので、どんな人が研究に向いているか? と言われれば、地道にコツコツ頑張る人が、向いていると思います。もちろん、頭が良くてヒラメキで勝負できるひとも大歓迎です。ヒラメキでも地道でも、本人の才能を伸ばして欲しいです。

■修論のテーマって?

研究テーマの所にも書きましたが、現在かかえている研究課題のなかには、野外観測もありますし、既に得られたサンプルの分析、自動分析器によって得られた数値データの解析、室内実験や、測定方法の開発といった研究テーマもあります。

そのときの研究費の動向にも左右されますが、本人も希望になるべく添いつつ、心引かれるテーマを一緒に考えましょう。修論は、地道にやれば、かならず良い、面白い、これまでにない独自の研究に繋がります。逆に、地道にやらなければ形になりませんし、地道な努力が実ればきっと達成感を得ることができます。れまでに、修論をまとめてJGRやAEなどインパクトファクターの付いた国際的な学術雑誌に出版した例もたくさんありますし、投稿準備中の作品も幾つかあります。

あこがれの学術雑誌で活字になるっていいですよ!(イマドキでは活字というよりは、「ジャーナルサイトに掲載される」というのでしょうね)


■大学院入試の勉強って?

英語は後々役立つので、できるに越したことはないです。英語論文から情報を得ることが不可欠ですので、研究の上では、洋書講読セミナーなど、英語→日本語のトレーニングをうけていると修論に役立ちます。

専門の試験は、得意分野に合わせて、どれをとってもらってもかまいません。過去問をひたすら解いて、高校~学部での内容を復習してください。志望動機や小論文など、作文の際には他人にわかりやすい文章作成を心がけてください。

「中学生からの作文技術」本多勝一(2004)みたいな作文の本も役立ちますよ。卒論や修論でも役立ちます。


■研究室選びのポイントと入ってからの過ごし方

研究室選びのポイントと、入ってからの過ごし方を書いておきます(一部、「グリンネルの研究成功マニュアル」を参考にしました)。


******研究室選び******

●どの研究室を選ぶかは、一生を左右するほど重要である。

1)先輩達は幸せそうか?

人数が少ないと淋しく感じることもあるかもしれません。

しかし、人数の少ない研究室は、好きなことをし易い場合があるかも?

2)その研究室で、自分にとって「ワクワク」する研究が可能か?

3)先輩や指導教員とウマが合いそうか?

4)自分の毎日の時間のほとんどを過ごす場所として、その研究室はベストか?

研究室見学の後によ~~~く考えてください。

自分にあう研究室をかぎ分けてくださいね!


******研究室での過ごし方****

●「研究室」でしか学べないこともある

講義やゼミ、学会発表は、「食堂でみんなと食べながら」をイメージするような学ぶ場」だと思います。自分よりもできるやつや、できないやつがいることで、刺激をもらったり励みになったりします。ただ聞いているだけでは受け身になりがちですが、自分の研究を人前で説明する機会をうまく活かすことで、新しい気づきや学びに繋がると思います。

一方、「研究室」で学ぶのは、何かを作り出すプロセス(研究のイロハ:目標の立て方、実験や観測のデザイン、研究の方法、結果の解釈、成果の公表)の実地体験です。自分でやってみて、その時々に必要なサポートを先輩・教員から得つつ、「自分でごちそうがつくれるようになる」ことをめざします。

●時間の流れだけは平等

どう過ごすにしても、あっという間に修士課程の2年間は終わります。何事も日々の精進が大切です。英語の勉強もサイエンスもコツコツ進むことでしか上達しないと思います。就職活動を考えると、実際に「研究に没頭」できる時間は極限られてしまいます。先を見通した時間の使い方に作戦を!

●他人の目を利用する

実験で何か結果がでたら、友達/先輩/教員、だれでもいいからまず他人の目で見てもらいましょう。講演要旨は、書く過程で学ぶことがたくさんあるので、締切の前に時間的な余裕をもって見てもらいましょう。

●所在(予定)は必ず報せるホウ・レン・ソウを忘れずに

■これまでの出身大学

当研究室に来た学生さんの出身大学は、名古屋大学、東京理科大学、富山大学、弘前大学、中部大学、大阪教育大学、福岡大学、岐阜大学、東京農工大学、中央大学、徳島大、山梨大学、金沢大学、山形大学、日本女子大学、静岡大学、公立諏訪東京理科大学、留学生・・・

大気水圏科学系のHPの進学案内やQ & Aも参考にしてください。