2013年街歩きセミナー

2013年6月15日・16日 に実施した街歩きセミナーでの観測結果です。

【図1  6月15日(土)と6月16日(日)のCN濃度

観測に使用した機器


エアロゾル粒子数濃度:TSI-3007 (直径10nm以上の粒子数濃度を計測)

温度・湿度:チノー MR-6662

1日目 6月15日

天気は朝から曇り、昼過ぎの豊田邸前の説明くらいで小雨が始まり、川上邸に入ってから本降りでした。

エアロゾル濃度(CN濃度)は、午前中に比べて、午後の方が若干低めのようでしたが、街のバックグラウンド濃度としてはほぼ同じくらいだったようです。午前中は、空気1cm3あたりに1万5千個前後くらいの粒子数濃度の場所が多かったですね。幹線道路の交差点(納屋橋、新御園橋や市役所前、主税町3のあたり)では、瞬間的には5万を越える濃度まで上がっていましたが、1分間の平均値としてはせいぜい数万個/ccでした。

気温・湿度の測定は、遮光・通風しての測定ではないため、太陽光や測定者の体温その他の影響も受けていますので、その点にも留意してください。あくまで「体感的な目安」として考えてください。


2日目 6月16日

朝からきっつい太陽が照りつけていましたが、幸い、お昼過ぎには一時曇ってくれて、ちょっと楽になりました。暑いなか、みなさんお疲れさまでした。熱中症にならずにすんで良かったです。

エアロゾル濃度(CN濃度)は、午前中は昨日に似た雰囲気でしたが、午後は、午前よりずっと濃度が高くなっていました。そのため、主税町3のあたりでは、交通量の多い交差点なのに、あまり濃度が高く感じられませんでしたね。

ちなみに、常時環境モニタリング局の鹿子殿(名古屋市千種区)でのPM2.5(直径2.5ミクロン以下の粒子の重量濃度)の時系列変化を下に示します。

図2 常時環境モニタリング局の鹿子殿(名古屋市千種区)でのPM2.5


PM2.5濃度としては、2日とも、あまり高くはなかったみたいです。

町歩き中にも若干説明しましたが、歩いている時に測っていたのは、直径10 nm以上の粒子数濃度です。都会でありがちな粒径分布から考えると、0.1 ミクロン前後の個数濃度を反映しているとおもいます。このサイズの粒子は、個数は多くても、粒子の重量としてはあまり効きませんで、PM2.5の重量濃度としては、もう少し大きな、0.1~2.5ミクロンくらいのサイズの粒子が効いています。重量に効くか、個数に効くか、サイズによって働きが違います。そのため、歩き中に測ったCN濃度と、PM2.5濃度とは、時系列の様子がずいぶん違って見えます。

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