2019年街歩きセミナー

2019年7月6日 環境学フィールドセミナーの街歩きで観測した大気データの結果です。

図1 2019年7月6日の観測結果

観測に使用した機器

エアロゾル粒子数濃度:TSI-3007 (直径10nm以上の粒子数濃度(CN濃度と呼びます)を測定)

温度・湿度:チノー MR-6662

CO2濃度:T & D TR-76Ui

天気:午前中は曇りで、途中ほんの少し小雨が降りました。お昼頃から日が差し始めて、午後は晴れていました。午前中は気温が低くても湿度が高めだったので、なんとなく蒸し暑かったですが、お昼頃から暑くなりました。

お昼の気温の上昇は、日なたのベンチにセンサーをおいてあったためです。

日射や人体の影響を受けていない気温・湿度は、下記のリンクに示す気象台での気温データを参照してください。

エアロゾル濃度(Condensation Nuclei: CN濃度)は、約6000~8000ヶ/cm3くらいがベースで、交差点付近では高目でした。たまに読み上げるだけではわかり難いですが、図示した1分値でみると傾向がつかみやすいと思います。円頓寺アーケードや市政資料館でも、時々フラフラと濃度が高くなっていましたが、原因は良くわかりません。

名古屋市が行っている大気汚染常時監視局のうち、歩いたコースに近いのは、「若宮大通」の常時監視局です(去年まではテレビ塔局でしたが、耐震工事のために場所が変わりました)。

それらの名古屋市によるPM2.5濃度の測定結果の一部は、以下のようになっていました。

図2 若宮大通などおけるPM2.5濃度


PM2.5の質量濃度のほとんどは、直径0.1~1µmくらいの粒子が占めています。そのため、街歩き中に測ったCN濃度(0.01 µm以上の個数濃度)の時間変化と、PM2.5濃度とは、様子がかなり違います。また図2では、同じ時刻でも地点毎に濃度がかなり違うように見受けられますが、市内の別の箇所では変化が小さかったりします。

守山保健センターの装置はちょっと挙動が怪しいです。

CN濃度は、ディーゼルエンジンなどから排出されたばかりの、小さな粒子を知る際に有用です。

都市域内の環境を知る上では変化が見やすいので、街歩きではこれを毎年測定しています。

190706街歩きデータ

気温や湿度のデータは測定器の日当たりや人体の影響を受けています。

CO2濃度は呼気の影響も受けています。日内の相対的な変化を知る際には有効ですが、絶対値はとしては不確実です。