2014年街歩きセミナー
2014年6月28日 に実施した街歩きセミナーで観測した結果です。
図1 2014年6月28日(土)の結果
図1 2014年6月28日(土)の結果
観測に使用した機器
エアロゾル粒子数濃度:TSI-3007 (直径10nm以上の粒子数濃度を計測)
温度・湿度:チノー MR-6662
天気は朝から曇り、昼過ぎに時折薄日が差していましたが、曇りの時間が多かったです。一日中、風が弱くて、エアロゾルの局地的排出源の効果を見るには好都合な気象条件でした。
エアロゾル濃度(CN濃度)としては、午前と午後と、ほぼ同じくらい(空気1cm3あたりに1万数千個)でした。幹線道路の交差点(納屋橋、新御園橋や市役所前、主税町3のあたり)では、瞬間的には5万を越える濃度まで上がっていましたが、1分間の平均値としてはせいぜい数万個/ccでした。濃度の傾向は、例年通りでした。
気温・湿度の測定は、遮光・通風しての測定ではないため、太陽光や測定者の体温その他の影響も受けていますので、その点にも留意してください。あくまで「体感的な目安」として考えてください。
本町橋から城内では、曇ってはいても周囲よりも気温が低く、湿度が高めでした。
木々の遮光効果と、植物からの蒸散があるため、周囲との差がでたのでしょう。これも例年通りです。
名古屋市のテレビ塔(自排局)でのPM2.5濃度の変化は、このようになっていました。
図2 名古屋市のテレビ塔測定局でのPM2.5濃度
図2 名古屋市のテレビ塔測定局でのPM2.5濃度
歩いている時に測っていたのは、直径10 nm以上の粒子数濃度です。最後の討論のところで、TAの小川さんが補足してくれたように、このサイズの粒子は、個数は多くても、粒子の重量としてはあまり効きません。PM2.5の重量濃度としては、もう少し大きな、0.1~2.5ミクロンくらいのサイズの粒子数が効いています。
そのため、歩き中に測ったCN濃度と、PM2.5濃度とは、時系列の様子がずいぶん違って見えます。