Sosuke Imano
今野 創祐  

私は図書館情報学を研究しています。図書館情報学は図書館を対象とした学問です。図書館に関する研究なら、どんな研究でも、図書館情報学と言えます。実際には、図書館に関連する、情報の組織化や出版などについても、図書館情報学は研究の対象としています。

私自身は、図書館に関わる人物の歴史研究から研究を出発させ、現在は目録や分類など、資料の組織化(メタデータ)に関する研究を中心としておりますが、それ以外でも、図書館に関することなら、どんなことでも興味があります。

Background
研究の動機

研究を始めるきっかけになったのは、京都大学の図書館で働いていた時期に出席していた、図書館史の勉強会でした。天野敬太郎という、長く京大で図書館員として勤務していた人物について、研究を始めました。天野は目録の作成の専門家であったため、目録や分類といったテーマについて、関心を持ち始めました。

それ以外にも、大学図書館の分類の変更など、図書館情報学の世界でできた友人、知人たちに影響されて、新しい研究のテーマについて関心を持ち始めました。人と出会うことは大切です。

Check!
いま研究していること

戦前の日本で、目録というものについて、人々がどのような考えを持っていたかを研究しています。研究手法は文献調査で、戦前に出版された資料を読み込んで研究を進めています。

他にも、アメリカの学校図書館における禁書の現状や、日本十進分類法と著作権の関係、戦前の大学図書館の歴史、大学図書館の除籍の現状、日米の目録作成の違い、デジタルアーカイブ利用の法的な問題など、歴史と現状の両面から、いくつかの研究手法で、法のあり方や歴史について考えています。

Interest
特に興味があるのは、大学図書館

長年、大学図書館で勤務していましたので、大学図書館の歴史や現状に興味があります。

現在、大学図書館は、データマネジメントなど、新しい役割が求められつつあります。これまでに大学図書館が導入してきた、ラーニングコモンズ、ディスカバリーサービス、機関リポジトリなど様々なサービスの評価や歴史なども、研究の対象になりうるでしょう。

Books
おすすめの本と理由

逸村裕, 田窪直規, 原田隆史編『図書館情報学を学ぶ人のために』世界思想社, 2017年です。図書館情報学に関する様々なテーマについて、多くの研究者の方による、短い解説が書かれています。図書館について今、どのような点が論じられているか、いろいろな角度で眺めることができます。

Be Suitable for...
図書館学が向いている人

図書というモノや図書館という場だけではなく、それらを支える人に興味のある人が、図書館学に向いているように思います。研究の手法は様々ですが、結局は人というものに向き合うことが多いと思います。図書館を中心とした人間の営みに興味、関心を持てる方が、図書館学に向いているように思えます。


Message
受験生へのメッセージ

これまで皆さんにとって、図書館とは、もしかしたら本を借りて返すだけの場だったかもしれません。しかし、現実には、様々な館種の図書館が、多様なサービスを展開しています。図書館について学び、図書館の世界の奥深さについて知ってもらえれば、嬉しく思います。

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