コースについて
東京学芸大学では学部教育が学校教育系と教育支援系の2つの領域に分かれています。私たちは教育支援系に属しています。学校育系では、学校の先生になることを目指すのに対して、教育支援系では学校教育に関わる様々な支援者の専門性を学んでいくことや、学校教育に限らず教育に携わる幅広い知見を得ることが目標になります。
このコースでは教員免許は取得できません。自由選択科目として任意に教員免許科目を履修しても教員免許を得ることはできません。
以前は学校教育系の授業を履修することで取得することで可能だったのですが、教育政策が変わり、学芸大でいえば課程ごと、さらにはコースごとに独自にその授業を立てないといけなくなりました。そうすると、そういうことができる先生がいるコースでないと教員免許を出す授業が立てられないとようになりました。ということで、生涯学習コースでは教員免許が取れないということになってしましました。残念ですが。
とはいえ・・・以前、中高の社会科免許が取得できたときのことですが、みんな1年生のときは、「教員免許とるぞ!」と意気込んでいるのに、上級生になるにしたがって、生涯学習関連の様々な活動がおもしろくなってきて、結局は最終的に免許をとらない場合がほとんどでした。
「生涯学習教室」と呼ぶ場合もありますが、コース名としては「生涯学習・文化遺産教育コース」になります。なお、令和4年度入学生までは、「生涯学習コース」のなかに、「生涯学習サブコース」と「文化遺産教育サブコース」がありましたが、令和5年度入学生からは統合されています。
1年生から4年生までの間、指導教員が皆さんの学生生活を支えます。たとえば、海外留学のための休学申請提出の際の相談やサインを行います。1・2年生の間に割り振られた指導教員は、主に学習・生活面に対するサポートを行います。3・4年生になると、希望に応じて、卒業論文の指導を中心とした、より専門的な見地から寄り添う指導教員が決まります。
文系・理系、どちらの学生も大歓迎です。私たちのコースでは、対象物の種類よりもアプローチのしかたを大事にしているからです。たとえば、図書館情報学ではコンピュータの仕組みや活用法も扱いますし、科学博物館や水族館も博物館に含まれますが、人と人とを繋ぐ関係づくり、学びの空間をプロデュースすることの意味や方法が重視されます。文化財科学や保存科学の研究室の中には、たくさんの機材があるとはいえ、それはすべて、人間の織りなしてきた文化を見つめるための手段です。誰かほかの人の学びを支援することには文系・理系を超えていく力強さがあります。
蔓延時には全面的にオンラインだった時期もありましたが、現在は設備や運用面に配慮しながら対面式の授業を行っています。人数や教育効果の面でオンライン方式が組み合わされる授業もあります。以前は教職員等の関係者のみの入構でしたが、今は誰でも敷地に入れます。小さな子供たちがケヤキ広場で遊んでいます。
資格について
卒業に必要な単位の中に数多くの資格科目が含まれているので、4年間で複数の資格を取得することは、東京学芸大学のほかのコースと比べて、難しくありません。とはいえ、授業の曜日時限の重なりもありますので、資格を全部取ることは非現実的です。また、入学したての時には、たくさんの資格を取りたいと思っている学生も、在学中にやりたいことを見つけて、資格取得についても自然と方向性が定まってくるようです。
とれません。司書教諭とは、学校図書館の専門的職務を担う教員のことですが、教員免許を有しなければ資格取得ができません。このコースでは、諸資格として、事務職員として採用された者が学校図書館に勤務する学校司書が取得できます。
三主事という言葉が、社会福祉主事の三科目についてと考えてよろしいでしょうか。そうだとすると、厚生労働省のページにあるような下記の展開になると思います。
・任用資格は、雇用主が判断する事項で、大学が証明書をだすものではない。
・大学の成績証明書・卒業証明書を雇用主にみてもらって判断される。
・その際の読み替えも、雇用主が判断する。
・東京学芸大学では、ソーシャルワーク教室があるので、必要な科目は開講している状況。
・ただし、20名の人数制限等の理由で、他教室の学生に開放していない科目が非常に多いので、あらかじめ、十分に下調べする必要がある。
・結果として、事実上困難である。
ということになります。
できません。保育士は幼児教育選修のみが対象で、社会福祉士はソーシャルワークコースのみ対象です。スクール(学校)ソーシャルワーカーは、ソーシャルワークコースのみ対象になります。また、卒業後であっても、公認心理師はカウンセリングコースのみが受験資格を得られます。
大学生活について
このコースには、全国から学生が集まっています。近隣でそのまま就職する場合のほか、出身地にUターンする場合でも、地元の自治体や有力企業に就職する卒業生が多いです。
詳しくはこちらをご覧ください。
授業時間は、月曜日から金曜日までの次の時間帯になります(予定)。
第1時限8:50~10:20/第2時限10:30~12:00/第3時限12:50~14:20/第4時限14:30~16:00/第5時限16:10~17:40
CAP制といって、履修できる科目数の上限が決まっておりますので、すべての時間に授業を入れることはできません。ただし、資格科目はCAP制の対象外です。
沢山の授業を受けすぎて時間や心の余裕がなくなることを防ぐ制度ですが、このコースでは、講義だけでなく、ボランティアやNPOに参加することを勧めているほか、アルバイトについても、生涯学習・文化遺産教育に関連するものを選ぶことをおすすめしています。
博物館や埋蔵文化財センターなどでもボランティアの募集があることがあります。イベントの補佐などのボランティアです。そこで専門の職員と話をしたりすることで、自分の進みたい方向を考えるという学生もいます。
図書館の領域でいうと、是非とも公共図書館でのアルバイトをおすすめします。ただし、表だって募集しているところは少ないので、自宅近くや通学路近くの図書館に、積極的に電話をして、募集があるかきいてください。というか、各図書館ともかならず、「電話をして聞いてくれるのを大歓迎」といいますね。
大学生の声はこちらをご覧ください。
大学近辺に住まいのある学生の多くが自転車で通学しています。ただし、登録制になりますし、停めることのできる場所が決まっています。
バイク通学や自動車での通学は原則禁止です。ただし、障害をもつ学生などが例外的に自動車通学を許可される場合もあります。
様々なサークル(部活動)があります。どのようなサークルがあるのかは、こちらをご覧ください。ミニ総合大学と呼ばれるように様々な領域を擁している大学であるため、サークル活動も多彩です。たとえば、芸術やスポーツを学校で教えるコースに所属している学生はプロ並みの腕をもっています。このコースの学生たちの特徴は、生涯学習マインドを生かして、様々なサークルを立ち上げた先輩たちが多いことです。
普段はそれほど混んでいません。みんな同時に勉強したら、数千席が必要ですものね!
ただし、試験前は学内のどこの場所も混んでいます。
大学の近くだと、国分寺市立本多公民館に立ち寄ってみてください。小さな小さな手作りの食堂も1階にありますよ。
日高先生のおすすめは、考古関係の資料が置いてある博物館・資料館です。展示方法などを見るということで言えば、国立博物館がお金も掛かっていますのでお勧めです。東京国立博物館、佐倉にある国立歴史民俗博物館です。両者は国立の博物館としては同じようなネーミングですが、全く異質な博物館ですので、両方見に行って比較してみてほしいと思います。
学芸大丼が有名ですが、実は、生協(東京学芸大学生活協同組合)のメニューは全国共通の部分が多くて、それで食材調達費用を削減しています。
スタミナ丼や豚丼に、温泉卵を追加でかけるのもおいしいですよ。
昼は時間帯でやはり混んでいますので、生協で弁当を買って外で食べていたり、もちろん弁当を手作りしてくる学生もいると思いますよ。でも食堂で食べるという学生が多いんじゃないかな。
就職・進路について
我々は、みなさんに教育支援職になってもらうことを強く望んでいます。
とはいえ、教育支援職は幅広いです。公務員になる先輩もかなりいます。民間企業の場合、教育関連の企業就職のときと、一般企業の中で教育関連の部署をめざして就職する場合が多いです。
以前は、大手の旅行代理店に就職して、学校担当になる例も多かったのですが、これからは厳しい業界になってしまいましたね。
文化遺産教育に関連する学生については職種は色々です。この場合も、公務員に進みたいと考えている人が比較的多いと思います。市役所に勤めはじめた卒業生が、今年度から文化財の部署に異動になったと聞きました。文化遺産教育を学んだということで市役所内で引き抜かれたんでしょうね。
年によって違いますが、1~2割くらいですね。専門分野でより自分の研究を進めるために、東京学芸大学以外の大学院に進学する学生も数多くいます。
時期がかなり違うので、両立できるとは思いますが、大学院はもう少し勉強したい、さらにその勉強をもとに就職先を考えたいという人にお勧めするところです。また、社会人になりながら大学院に通う人もいます。
部活やサークルが有利なのではなく、あなたはどんな人なのかという問いに対して、個性ある答えができることが最優先です。他の人に勝てる答えです。
しかし、一般的にそのような答えを用意するのは難しいですね。だって、私立大学だと学科に1,000人ぐらいいるんですから。そのようなときにとりあえず、部活やサークル活動で、ハクをつける例が多い面もあると思います。
その意味では、少人数教育の東京学芸大学では、サークル活動に関して、とっても贅沢な大学生活が送れます。何事も学びととらえながら主体的にエンジョイしましょう。
試験の審査ということでいえば、内部進学も外からの人も差はありません。それよりも、大学院に進んで何をやりたいか、その際に指導してもらえる先生はいるのか、といったことが重要です。
やりたいことを考えると○○大学大学院にいって△△先生の指導を仰いだ方が良いだろうと紹介することもあります。ですから、内部進学だとしても指導してくれる先生がいなければ、難しいということになります。
先生からのアドバイス
国分寺駅周辺は、主に、北側と南側に分けられます。飲食店は、案外、分散していて、住宅地みたいなところにもぽつんとあったりします。
武蔵小金井駅のイトーヨーカドーはなんでもあるので、一度行ってみましょうね。あと、大学の北東には、全国的にも有名なラーメン街道があります。
同じ分野を勉強している人たちと交流する機会があるということが良い面だと思います。
様々な社会教育施設に足を運ぶことが容易だというのもメリットでしょう。
博物館・美術館が多く、関東近郊にも行きやすく、毎年特別展を多くやっており、様々な分野の美術品を実際に見る機会も多いですね。
公民館や図書館については、東京よりも地方のほうが、地域の数少ない人の集まる拠点であり娯楽の場として機能しているので、施設・活動ともに充実している場合が多いかもしれません。
都会的な面では、地方からこられる大学生は、最初は銀座や新宿・渋谷といった場所を楽しみにしていることが多いのですが、結局は卒業まであまり行かない傾向があります。東京学芸大学は「東京」という名称がついていますが、少しのどかで緑多い環境のなかにあることから、居心地がよくなって、就職しても大学近辺に住んだまま都心に通うという感じです。
大学生の声はこちらをご覧ください。
生活できる道具が最低限揃っていればそれでいいでしょう。
一人暮らしの最大の弱点は、規則正しい生活がずれていくことです。それが原因で、大学の授業出席が滞り、友人関係もうまくいかず、授業においつけないからもっとおもしろくなくなり、、、という悪循環になることは避けたいところです。特にサークル活動で、深夜まで先輩につきあって、調子を崩す場合が多いです。でも、先輩達はすごく無責任です。もちろん、大人の社会はすべて自己責任ですが。高校生までと違って、なにもかも自分で律しない限り、だれもたすけてくれません。なので、毎朝、同じ時間に絶対に起きられる、目覚まし時計が大事です。何個かかってみて、選んでみてもよいでしょう。
とはいえ、不思議なことに、このコースの大学生は、その後、急激に復活していくことがほとんどです。あらゆることの中に学びがあるということを実感できるのが20歳前後なのかもしれません。
入学したての頃は、4年間でどうしても、良い成績で卒業しなければいけないという強迫感みたいなものがあるようですけれども、人間が生涯をかけて学ぶことからすると、所詮ごく一部分しか大学では触れられないことがわかるようです。いろいろな活動を通じて、他の人々の学びに寄与できることの喜びを感じる機会が増えたりして、もっといろんな理論や方法論を知りたいという意欲が増すと、あまり他の人の目や評価が気にならなくなる面もあります。
絶対やっておくべきことなどは、大学にはありません。基本的に自由な場所です。多くの人と交流してください。それは大学教員との間についても同様です。
ただし、単位は落とさない方が良いです。というのも大学の授業というのは、積み上げです。1年でこの単位をとっていないと、2年では履修できない、さらに3年では2年でこの単位をとっていないと履修できないといった具合になっていきます。授業の重なりというのも出てきますので。
それよりも、子どもとしての最後の期間を、子どもらしくしっかり過ごすことだと思います。やり残したことはありませんか?
Voice
学生の声:印象的な出来事
1年次では絶対仲良くなれなさそうと思っていた同級生と、一緒に年越しやお泊まりをするくらい仲良くなりました。学芸の生活も何が起こるか分からないものだなと感じています。
美術棟の展示スペースで学生によるユニークな催しや展覧会を行っているのが好きです。
社会教育に関わる方の話を聞けました。
大学構内が広大なため正門に着いてからも教室まで遥かなる行脚が必要。なぜ東急線の学芸大学駅に大学が存在しないのか毎日考えながら登校する。
小金井祭(学園祭)!
夏休みが他大学よりも長くてよかったです。帰省や旅行などいろいろなことができました。
授業の間に日向ぼっこしていたら、保育園の先生が数人の子どもを乗り物に乗せ、お散歩に連れ出しているところを見かけたことが印象的です。先月、地べたに白く絵を描いたものが残っていて、学校を訪れる子どもたちが元気そうにしていることがわかり楽しい気持ちになりました。
みなさん、私たちと素敵な大学生活を過ごしましょう!