ピッツバーグでの出産体験談を紹介します。
会陰切開
日本では胎児の頭や肩が出にくい場合、会陰切開をする事が多いと思います。私の主治医の先生いわく、実際に頭や肩が引っかかるのは局部の外側ではなく、内 側らしく、そうすると切開する意味が殆ど無いので、アメリカでは切開しないのが主流らしいです。自然に裂けた方が傷の治りも早いそうです。
普通分娩
無痛分娩
破水でお産がはじまったケース(38歳・初産)
妊娠40週と1日を過ぎた早朝5時過ぎに破水、担当医へ留守電を残しMageeへ向かいました。受付にある電話で案内を聞き、事務手続きをしてトリアージュ室へ。緊急医は偶然、FHCにいらっしゃる日本語が話せる先生だっので、詳細を自分で説明、聞くことができました。
子宮口が既に4センチくらい開いていたので即LDRへ移動。そうこうしているうちに子宮口は5〜6センチくらい開いていたのですが、陣痛が全くありませんでした。出産を早めたかったので、陣痛促進剤を使用したとたん、激痛になり、すぐにエピデュラルを打ってもらいました。
その後は自分で麻酔を足して行くのですが、私の場合、うまく行かず、また激痛になり、麻酔医にお願いして、麻酔を追加してもらいました。麻酔を打った後 は、なかなか子宮口が開かず、結局、出産をしたのは次の日の明け方2時過ぎになりました。病院に着いた時点で、食事や飲み物をとれず、氷のかけらくらいし か口にできませんでした。実際、陣痛促進剤を打った後、あまりの痛さに何度か吐いてしまったので、何も食べなくてよかったです。
私の場合は破水をしてしまったので、LDRでは抗生物質を点滴で打っていたので、部屋を歩き回ることはできませんでした。LDRにはテレビやソファーがあ り、付き添いの人はそこで休んだり、食事を取ったりテレビを見たるすることができます。赤ちゃんが産まれたらすぐに産声を上げるのかと思っていましたが、 娘は産声を上げず、目を開けて周りをぐるぐる見ていたそうです。赤ちゃんの検査が終わり、母子共に問題なく、車いすに乗り、赤ちゃんを抱いて入院する部屋 へ移動しました。その後は定期的に看護婦さんとお医者さんが昼夜関係なく血圧や熱をはかりに来ました。
母乳育児であることを伝えると、入院中にラクテイショナーの方が指導に来てくれます。退院後、始めての検診まで土日を挟んで数日あったので、訪問看護婦をお願いし、赤ちゃんの体重を管理していただきました。
緊急帝王切開
前駆陣痛→無痛分娩予定→緊急帝王切開(36歳・初産)
40週6日目の夜の前駆陣痛から始まり、9日の午後4時ごろ5分間隔の本格的な陣痛になったため、無痛分娩の予定で入院。入院時に子宮口が6センチ 開いていたので、医者から「これから、硬膜外麻酔(下半身麻酔)を打って、人口破水しましょう」と、処置をうけ3時間ほど様子をみる。しかし、子宮口の開 口が進まないため、結局9日の夜9時に子宮口を開くための促進剤を2mg投与。1時間毎に投与量を増加し、陣痛の強さや間隔も短くなり、痛みを感じるよう なる。
結局10日の朝5時になっても、入院当時の子宮口6センチのままということが判明し、このまま分娩を長引かせるのは危険だということで、緊急帝王切開に切 り替えることに。この時点で、寝不足と痛みと全身の震えで体力がかなり消耗され、意識がもうろうとしていた私、医者の「帝王切開しましょう」の言葉に救わ れる。もう、陣痛が促進しても、いきむような体力なんて残っていなかった。手術台に運ばれ、いろいろ処置が施される。 白衣を着た旦那が隣で見守る中、手術30分後の10日6時4分、カーテンのむこうから(肩から下は隠されてみえない)、わが息子の泣き声が聞こえた。
予定帝王切開
予定帝王切開(第一子が帝王切開のため)(38歳・第二子)
第一子が緊急帝王切開だったため、VBACにするか帝王切開で出産するか迷ったが、主治医やいろいろな人の意見を聞いたり、資料を読んだりした後、帝王切開での出産を決断。
出産予定日の約2ヶ月前に主治医に予約日を伝えられた。マギーでは、予定帝王切開は主に週末に予定されるということで、出産予定日は水曜日(18 日)だったが、その3日前の日曜日(15日9時)に主治医が予約を入れた。しかし、出産直前の検診日(10日火曜日)に、実は自分のパートナーが忙しいと いうことで木曜日(12日の朝7時)に予約変更したからと伝えられた。予約が前倒しになって驚いたが、こういういい加減なところはやはりアメリカだと笑う しかなく。
予定日前日の朝にマギーの担当看護師から電話があり、19時以降は食べ物、飲み物は一切とらないことと、手術の2時間前に病院に来ること、早朝なの で救急用の入り口から入ることなどを指示された。朝7時の手術なので、朝5時にマギーに到着。救急で受付を済ませた後、部屋に通され、体温測定、血圧測 定、点滴、手術の手順の説明、書類の説明と書類へのサイン、麻酔科医による説明などが、メディカルアシスタント、看護師、麻酔科医、主治医が入れ替わり部 屋に来て行われた。
その後、7時少し前に看護師と夫とともに歩いて手術室まで移動。手術室の前で、夫は白衣を渡され服の上から着るようにと指示された。夫が部屋に来た 後、麻酔を打たれ、それが効いているか入念に、体を触られながら聞かれた。麻酔が効いているのを確認した後、下半身が見えないようにカーテンで遮られ、そ の30分後、赤ちゃんの産声が聞こえた。
病院の日本語通訳サービス
Magee-Womens Hospital of UPMCには通訳のサービスがあります。出産後、私の英語力のなさを感じ取った看護士さんが、通訳の方(日本人女性)を呼んでくれました。初めての出産で 疲れ果てていて英語を喋るのが億劫なくらいだったので、この通訳サービスはありがたかったです。いつもこんなふうに気が利く看護士さんがいるとは限らない ので、英会話に不安がある場合は遠慮なく通訳サービスをお願いするといいと思います。無料でサービスを受けられます。
(Nov. 2010)