・教養豊かでサバイバル能力に異常に長けている、じつに羨ましい主人公が活躍するシリーズの最新刊。表紙の絵にもあるように、白毛が混じり、老眼鏡が必要になってしまったようだが、その能力にはさらに磨きがかかっている。
・もっとも能力的にはなんの不足もないキートン氏だが、家庭生活はなかなかうまくいかない。この弱さあってこそが、愛される理由ではないかと思われる。がんばれ!キートン!
・従来の経済学は、人間が常に合理的に行動することを前提に考えられており、超人類の経済学になってしまっているようだ。現実には、人間の経済行動は感情や周囲の状況に影響されて実に不合理なものである。
・本書で紹介されている「行動経済学」とは、まさにこの点に光をあてる学問である。
・本書で紹介された数々の実験結果には、なかなか衝撃を感じるが、アメリカ人のごく恵まれた人々を対象にしたものが多いため、汎用性があるかどうかは、少々疑問も感じる。
・「◯◯は体にいい」「▽▽を食べると癌になる」などなど、テレビ、新聞、ラジオなどマスメディアには健康情報があふれている。そんな情報の中には、科学的にアヤシイ説も含まれているという。
・マスメディアといえども営利企業であるので、「売れる」情報を送ることに偏りがちだ。結果的に「恐怖」と「広告」を背景にした内容を送りがちになる。その中から正しい情報を得るためにはどうすればいいのか。本書を読めばそのヒントがわかる。
・若干古い新書(矛盾???)のため、参考文献リストのWebサイトがNotFoundになってしまっている。本書の内容自体を検証することがちょっと困難な状態であるのは、ちょっと残念。
・1947年「火星博士」から1998年「戦うメイドさん!」までの漫画に登場する「博士」について知ることができる。同時に、その時代の漫画読書案内にもなっている。
・実社会が科学の力でなんでもできる時代から、科学への疑問の時代に移っていくのと同期して、漫画の中の博士像も変遷しているようだ。
・21世紀は「科学と技術を駆使しないとどうにもならない時代」になっている。新しい博士像はどこにある?
・火星上での有人探査ミッションが砂嵐のため中断を余儀なくされ、6人の宇宙飛行士は帰途につく。しかし、宇宙船に到達する前に不幸なワトニー君は、折れたアンテナに串刺しにされ、火星に置き去りにされてしまった。
・そして、知恵と勇気とユーモアで火星で生きのびる。地球への帰還を信じて。宇宙農場の構築、火星の長距離踏破、宇宙船改造と、工学とは、まさに人類に幸福をもたらすためにあることを実感させられる。
・生死をかけた非常に過酷な状況にもかかわらず、常にユーモアを忘れないワトニー君が素敵だ。
・鉄道の要衝として栄えた町が、高速鉄道の停車駅でなくなり、次第に元気をなくしていく。そんな町にやってきたよそ者の存在と行動が、町を再び活性化する。
・このように要約してしまうと、よくある話のようだが、本書には細部に悪魔(神か?)が宿っている。「影無き者」「鉄道原理主義者」など、実際の世界とは違う、異形のものが物語を牽引する。
・物語の核となっている「隧道」という技術の描写がとても面白い。隧道は辞書ではトンネルと同義であるが、本書では違う。トンネルは工場で製造するもので、隧道は種から「育てる」構造物だ。ナノテクノロジーの高度な応用だと考えると、そんな技術をもっと詳しく知りたくなる。
・正式名称もよくわからない組織、「国」と名乗ってはいるが、どの国も認めたがらない謎の組織、それがいわゆる「イスラム国」である。
・本書を読めば、その組織の行動戦略がなんとなく少しわかったような気になれる。本当のところはよくわからない。
・本書を読んだ後、岡田斗司夫氏の著書『「世界征服」は可能か?』をもう一度読み返してしまった。
・「食物動態」という分野の研究成果を、わかりやすく解説した本。栄養ドリンクに入っているタウリンの効果やビタミンの効用から始まり、コーヒーのカフェインや酒のアルコールまで話題が及ぶ。
・「◯◯は▽▽に効く」というのは、よく見聞きすることだが、その根拠となる研究成果にまで言及していることはほとんどない。本書は、かなりの事例で根拠となる資料が明記されており、さらに探求を深めることができる。
・大学生の就職活動がニュースになる頃だが、職業に就くということは、あらゆる世代で悩み多い課題である。
・本書では、働くためにひつような基本スキルを身につける教育の必要性を、筆者の経験から具体的に説く。
・教育産業が大学入試を最終目標とするものから、自己実現をサポートする産業へと進化することが必要かもしれない。
・昆虫の繁殖力の強さ、生存への貪欲さ、環境適応への柔軟性など、とんでもなく多彩な知識が得られる本。
・人類は昆虫には勝てないと痛感させられる。いかにして共生していくかという視点が必要だ。
・超光速航法が実用化され、人類が太陽系外の惑星に普通に暮らしている時代。本書は、そんな時代に星と星をつなぐ宇宙港をテーマにした連作長編。
・宇宙港をめぐって、実に多彩なドラマが展開されて、日本SFの面白さを再認識した。もっとも、本書の表紙には「スペース・ファンタジー」と銘打ってあるけれど。
・米国では、原始人の生活を理想とする生き方(パレオ式)があるらしい。彼らは、現代社会の生活が無事にできるほど人間は進化していないと主張する。だから、農耕以前の狩猟採集時代の食生活を実践するのだ。
・本書は、そんなパレオ式の生き方の不合理な点を、生物学的な知見をもとに科学的に説明している。パレオ式への攻撃的な記述が目についてしまうが、本書の面白いところは、進化の尺度からすると短期間に思われる時間でも、確実に進化が起こっている実例がたくさん示されるところだ。
・もっとも、進化は世代を通じて起こることであり、私やあなたは、もはや進化しないことには御留意いただきたい。
・本書の刊行は2006年。すでに10年近くが経過しようとしているが、本書で危惧された我が国のオープンソースへの理解不足による情報産業の停滞という課題は、残念ながら解消されていないように感じる。
・ヲヤヂの職場でも、LibreOfficeが標準Office suitとなって久しいが、なかなか評判が悪い。ほんの少しメニューが変わっただけ、ほんのちょっとクラッシュしやすいだけのような気がするのだが、一般の方々の抵抗感は大きいようだ。この抵抗感の原因は、M社のOfficeの使い方は慣れているが、LibreOfficeは慣れていないというところ。しかし、根本的な要因は、コンピュータによる情報処理の本質を一般の方々が理解していない、または理解できるような教育を受けていないというところにある。だから、M社Excelは使えるが、一般的な「表計算ソフト」が使えないのである。
・コンピュータリテラシーという言葉を聞かなくなってしまったが、スマートフォンやタブレットなどの情報端末が普及した今こそ、リテラシーの必要性を強く感じる。
・世の中には、実にたくさんの仕事があって、それで社会が成り立っている。働く形は多様で、それに伴う苦しみや悩みも多種多様なのだ。
・本書は2004年に刊行されているので、2000年代初期の日本の人々の働き方が切り取られて収められていることになる。人生に正解はない。よりよい解を目指して最善を尽くすのみ、こんな考え方をより強くする一冊。
・なぜ「止まれ」が赤信号なのか。なぜ植物は緑色に見えるのか。虹は7色というがそんな風には見えないのはなぜ。ダイヤモンドは炭素のくせになぜ硬くて透明なのか。ホントに物質は原子でできているのか。こんな疑問に答える理論を提供するのが物理学だ。
・疑問に答えるとかソリューションを見出すという単純明解なアプローチが、従来型の学校教育ではなおざりにされてきた気がする。意識を変えましょう。
・前作で共和制政府航宙軍から逃走したコール率いる<テディ・R>クルー達が、海賊になって大暴れだ。といっても、一捻りも二捻りもある構成になっていてなかなか興味深い。
・海賊というビジネスは割に合わない、ということが論理的に証明される、なかなか面白い試みでもある。
・「マクロス・プラス」外伝ともいうべき二つの物語が収録されている。ひとつは、設計開発者ヤンを中心に展開されるYF-19開発秘話。もうひとつは、「伝説の」AIを搭載したVF-19が、ある「特別な」パイロットを救う話。
・開発者を主人公にした話はヲヤヂの琴線に触れるところ大きく、次回作にも期待したい。
・Bachはドイツ語で「小川」の意味だそうだが、作曲家としてのJ.S.Bachはとてつもなく大きな小川だ。
・本書を読めば、ヨハン・セバスティアン・バッハの生き様が、豊富な写真や資料とともに浮かび上がる。写真、資料が本文の位置に関係なく挿入されていて、若干読みにくいが、そこは読み方で工夫したい。
・いまやマイコンを搭載していない家電製品は考えられない。昔なら、LEDだけピカピカさせればよかったものが、今や、画面で状態をお知らせしたり、タッチパネルで操作できるようにしなければならない。
・システム開発を効率的に進めるには、工程管理の手法の改善だけでなく、新しい技術を学び、能力を向上させる人材育成のシステムが必要とされるという本書の主張はまったくそのとおりだ。
・「この文はウソだ」という文はホントなのか?こんなパラドックスがマンガと軽妙な文章でたくさん紹介されている本。言葉はコミュニケーションに必須の道具ではあるが、不完全な部分も多いことを気付かされる。
・ひょんなことから、人類は無限のエネルギーを手に入れた。どうやらそのエネルギーは我々の宇宙とは別の並行宇宙に由来するものらしい。
・この無限のエネルギー源、エレクトロン・ポンプでエネルギーを汲み出すほど、人類の宇宙と並行宇宙に危機が迫る。繁栄か絶滅かというジレンマを超宇宙規模で描いた作品。
・高校生ならば、クラスに必ず一人くらいは「アニメの仕事をやりたい」という人がいると思う。そんな若人や、アニメの仕事に憧れた元若人にぜひ読んでもらいたい本。本書は、アニメの「制作進行」という仕事のやり方がわかる、数少ない貴重な教科書だ。
・数百人のスタッフが関わるアニメ制作では、なによりも人と人とのコミュニケーションが必須だ。本書を読めば、どんな場面でどんな打ち合わせが必要か、よくわかる。
・他業界でも新人研修に使えそうな本ではある。アナタの会社で使えるかどうかは、利用するアナタのアイデア次第ではある。
・未知の種族の宙域調査から、アライアンス宙域への帰還途中のアライアンス艦隊に、とにかく面倒な事態が襲う。
・意思疎通ができているようだが、細部は理解不能の「ダンサー族」を伴って、巡行戦艦ドーントレスが赴く先は……、続きは本書で。
・伝説の軍人、ギアリーが人類の故郷旧地球を訪れてから、またまた問題に巻き込まれる。もう誰も信じられない……と絶望的な気分になりそうだが、ギアリーの部下は上官に絶大な信頼(信仰ともいえる)を寄せているところが救いである。
・「理想の上司」投票で最上位にきそうなギアリーだが、本書の最後の方ではギアリー的な戦術をとる謎の艦隊との戦闘で、デシャーニの機転でなんとか困難を乗り切る。すばらしい。
・原題は”The Knowledge” 、副題は "How To Rebuild Our World From Scratch”。邦訳の題名は副題をうまく訳してあると思う。
・宇宙生物学が専門の著者が独自の視点から描く
科学技術啓蒙書。未曾有の大災害により文明が崩壊した後で、再び現代の水準の科学文明を再構築するための方法が、わかりやすく書いてある。
・ 農業、工業を復活させから科学技術文明を再興するというのは、こんなにもたいへんなことなのかと痛感させられる。持続可能な文明を強く望む。
・超小型ロボットと仮想現実技術を組み合わせれば、庭の虫たちも怪物にみえ、大冒険の感覚が味わえる。本書では、技術的な面白さと、ある陰謀をめぐるサスペンスがダイナミックにブレンドされている。
・「オオヒラ」という日本人が登場し、けっこう頼りになる人物に描かれているのだが、どうも暴力的なお友達が多いようなのが気になったところ。
・1997年の作品であるが、本書の技術はまだ普及段階にはない。それよりも先に空飛ぶロボット=ドローンの方が普及してしまった。ドローンとARとAIを組み合わせれば、また新しいSFが書けるかもしれない。
・5人で感覚や思考を共有する集合体<ポッド>が、破滅に瀕した地球人類社会を救うお話。軌道エレベータとそれをつなぐリング構造体、思いのままに生命を作れる遺伝子工学、あたりまえのようにでてくるAI、とにかくSF的な仕掛けがてんこ盛りだ。
・遺伝子操作の結果生まれる<ポッド>は、2人から5人が「ひとり」として振舞う。彼ら彼女らは、化学物質を媒介にし、手につけられた端子を触れ合わせることで情報や感情を<共感>して、一つの人格を形成していく。この設定だけで、いくらでも物語が紡げそうだ。すごい。
・物語は、この<ポッド>誕生をめぐるサスペンスとアクションに満ち溢れている。
・太平洋戦争の戦争体験を語れる人が少なくなっていることが危惧されている。同じ「戦争」を体験していても、前線で戦う兵士と司令部の将校、銃後の生活、空襲の被害者、被爆者その他、とにかく多種多様な体験があって、それらを総合したものを伝えるのは、相当に困難なことだ。
・本書は、重々しい題材を親しみやすい文体で説明しており、新時代の教育のあり方を感じさせられる。
・ちょっとした川があれば、発電ができる。小水力発電は、自然豊かな地方での可能性のみならず、都市部での普及もアイデア次第でなんとかなりそうな気配がする。
・本書には、小水力発電のしくみや、必要な機器、行政手続き、プロジェクトの進め方まで、Q&A形式で簡潔にまとめられている。質問の答えの部分は、概要と詳細に分けられており、忙しい人は概要だけ読んでも分かったつもりになれる。
・電子工作をやっていると、電気・電子・情報の知識だけではものづくりができないことを思い知らされる。落としても壊れない筐体や、メンテナンスのしやすい筐体を作るというのは、機械工学の知識が必要だ。モータを制御してロボットや自動機械をつくろうものなら、なおさら必要になるのが、機械の知識と技能である。
・本書を読むと、いや、読まずにイラストだけ見ていても、機械工学の基礎知識を知ることができる。
・「教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。」これは、文部科学省の資料から引用した「アクティブラーニング」の定義である。
・工学系の教育では、実験・実習を中心としたものが伝統的に行われてきているが、ようやく他の分野でもそんな工学教育的なアプローチに価値を求めてきたということかもしれない。
・遺伝学に暗かったダーウィン、地球の年齢の推測を誤ったウイリアム・トムソン(ケルヴィン卿)、DNAの構造の推測でうっかり化学の基礎を見落としたポーリング、ビッグバンを信じたくなかったホイル、宇宙項にこだわったアインシュタインといった、科学史上の偉人たちの不名誉な失敗を読み解く。
・本書の特徴は、彼らの失敗の背景を広く深く考察し、科学の未来についても深く考えさせられる。
・木星・土星・小惑星帯の各国で構成される外惑星連合と航空宇宙軍との戦いを描いたシリーズの最新作。これまでの作品に登場した人物の子孫がでてきたり、関係者がでてきたり、思わず旧作品を読み返してしまう。
・収められた7編の短編の舞台は、軌道上だったり、衛星の地表だったり、小惑星上の観測基地だったり、とにかく、ひと気のない寂しくも厳しい地味な場所ばかり。そんな場所だからこそ、登場人物たちの生き方、考え方が輝きをみせる。
・まだまだ、物語は続きそうな気配であり、続編にも期待したい。
・『神様のパズル』の続編で、再び巨大加速器「むげん」が登場する。「むげん」は、目立った成果がなく、「むげん」の性能をはるかに上回るアメリカの加速器「アスタートロン」の運用も始まることで、事業仕分けされそうになる。
・仕分け回避のために、仕事を押し付けられるのは、綿貫基一君。もちろん、実際に行動するのは天才少女・穂瑞沙羅華。
・この2人組が首尾よく任務を達成できるはずもなく、物語はどんどん収束のつかない状態に遷移する。
・天才には天才なりの辛さがあるらしい。
・マイコンで温度を測ろうとすると、当然のように温度センサを使うわけだが、温度というものが数値で測れるようになったのは、300年ほど前だという。たしかに、温度は、計っているうちにどんどん変化してしまい、長さや重さのように簡単に測定するわけにはいかない。
・本書は「温度」を共通テーマに、生物学、物理学、化学、地学といった分野を横断して、科学的知識を紹介する。科学的思考をするときに、温度というのがいかに重要な要素であるかがわかる。
・ヲヤヂも学生時代はメカニックデザイナーに憧れて、訳のわからないメカの絵ばかり描いていたが、本書を読むと、やはりプロフェッショナルは違うと唸ってしまう。
・マンガ『「ガンダム」を創った男たち。』では、著者は町工場の親父のように描かれており、さすがにこれはフィクションだろうと思っていた。しかし、本書には、大河原氏の仕事場には工作機械が充実しており、旋盤などを駆使してデザインしたメカのモックアップをつくってしまうと書いてある。スゴイとしか言いようがない。素敵な職人である。
・グーテンベルク、ワット、エジソン、…。文明を躍進させる発明をした人物は、その道の専門家でなかった場合が多い。これが本書の「素人発明家」の意味である。人類の飛躍が異業種交流で生まれるというのは、普遍原理なのかもしれない。
・本書を読むと、「発明家」として有名になるには、その発想の独創性よりも、経済的な成功の方が大きいことがよくわかる。
・宇宙エレベータで行けるスペースハブ「フロンテラ」にあるフロンテラ大学に入学したジェニーの過剰に充実した学園生活のお話。家でもウイルスでもなんでも印刷できるプリンター、ウルトラファイト(ウルトラセブンと怪獣とのプロレスを延々と中継するあの番組ではなく、「超植物」とでもいう意味の英語)という地球外生命体の謎、トイネットという超高機能情報ネットワークなど、SF的道具が豊富に出てきて、お腹いっぱいになりそうだ。
・物語の中核にアメリカ大統領選挙があるという点もユニークだ。選挙に隠された衝撃の事実には、ブラックユーモアが効いているというべきか。
・電子回路を興味の中心としてきたので、力学的な知識に触れることが少なかった。しかし、モノを作るには、壊れないだけの強度を考えて作る必要がある。水力発電のシステムには水車が不可欠で、流体力学の知識も必要になる。
・とりあえず、それらの力学の意味するところを知るには、こういったマンガが効果的。
・電子工作マンガというジャンルが成立することを実証した記念碑的な作品と言える。主人公の晴は、他の人を少し幸せにするために、奇抜な発想の電子回路を次々と作り出す。
・作品中に出てくる「猫ツイッター」(猫の動きを認識して自動的にツイートする装置)は、本当に作ってMaker Faire 2014で売ったらしい。
・電子工作を知らない人でも面白く、電子工作を知っている人はさらに楽しく読めると思われる。「ちょと作ってみようかな」と思わせるアイデアがたくさんあるが、「これはやめておこう」というのも結構ある。
・発想が奇抜すぎてブラックユーモアになっているところも、この作品の魅力の一つかもしれぬ。
・動物とは全く異なる知性を持つ存在として植物を見直す本。多少食われても平気な交換可能なモジュール構造、特に脳を持たない分散処理型知性システムという見方が面白い。
・動物と植物とはその情報処理速度や移動速度に決定的な違いがあるため、コミュニケーションが難しいという論になっているが、時間SFのテーマやファーストコンタクトSFのテーマとも関連性が見られて興味深い。
・雑草のたくましさや昆虫の繁殖力と適応力を知ると、人間は草と虫にはかなわないのかもしれないと思えてくる。
・「全国の市町村の半数が消滅」という衝撃的な内容で、数多くの自治体や企業を動かした増田レポートの問題点をあぶり出すのが本書。陰謀説の好きな方は、より楽しめるかもしれない。
・一人の意見、同質の考え方だけでなく、別の局面から見た意見も考慮して意思決定は行われなければならないということを改めて認識した次第。何が正しいか判断するのは、あなた。
・初詣は神社でも寺院でも、多くの日本人にとっては、どちらも問題がないようだ。その理由の一端が、本書を読むと分かるかもしれない。
・歴史上、「神道」がどのように社会と関わってきたか、短い時間に俯瞰できる面白い本。
・タイトルには「漫画で解説」とあるが、漫画は主に問題提起の方に使われている。お仕事について何も知らない学生さんでも、漫画をきっかけにしながらプロジェクトチームで組込みシステム開発の仕事をするための基本を知ることができるところが面白い。
・「キャリア教育」を推進する小中学校や高校の先生方も読んでおくと良いかもしれない。