・タイトルだけ見るとSF小説の楽しみ方の本のように錯覚するが、自然に対する豊かな感性の意味を認識さえられる本。
・豊かな生き方について、じっくり考えたくなる。
・パンデミックで都市が崩壊し、散り散りになった人類は、リモート技術を発展させ、「人類」の社会性を実装している時代のお話。
・仮想現実を使えば、疾病や障害があっても対等にコミュニケーションできる世界は、素晴らしい。しかし、疾病や障害そのものが克服できるわけではないのが、切ない。
『山手線が加速器になりました』 松崎有理著 光文社/光文社文庫
・パンデミックで都市が崩壊し、散り散りになった人類は、リモート技術を発展させ、「人類」の社会性を実装している時代のお話。
・仮想現実を使えば、疾病や障害があっても対等にコミュニケーションできる世界は、素晴らしい。しかし、疾病や障害そのものが克服できるわけではないのが、切ない。
・物語のつくり方を学ぶと、小説や漫画、映画が、より深く楽しめる気がする。
・NHKでドラマ化された後で、原作小説を買ってしまった。この世な購買行動は通常とらないが、そういう行動を取らせるだけの魅力ある小説だったと言えよう。
・知的好奇心を原動力に、実験装置を改良し、繰り返し実験を頑張る姿、これは美しい。
・宇宙の謎をコンピュータ・シミュレーションで解き明かす。その歴史を知り、未来を考えられる本。
・人工知能AIの現在と未来も論じている。AI無くして現代天文学は成り立たないというのも、もはや驚くに値しないのか。
・現在のスマートフォンやラップトップPCに使われているリチウムイオン電池は、危険な代物だ。リチウムは水に当たると激しく反応して燃えるし、電解液は有機溶剤なので、これもよく燃えるらしい。
・で、期待が集まっているのが、全固体電池だ。電解質が液体ではなく固体なので、急速充電や広い温度領域への対応など、いいことばかりのように思える。
・とはいえ、量産・普及がどうなるか、慌てず見ていきたい。
・太平洋戦争は1945年8月15日で「終戦」というのが、大多数の日本人が認識するところだが、日本とソ連の戦争は、終わっていなかった。
・資料の少ない中、戦争の実態は闇の中ではあるが、悲惨なことが起こったということは、否定し得ない。軽々しく戦争を始めるものではないことを改めて認識させられる。
・SI単位系の基本単位、m, s, kg, K, A, mol, cdにまつわるあれこれを、科学史と関連付けてわかりやすく解説した本。
・人類が生存できる地球環境の保全には、科学が必要不可欠であることを思い知らされる。
・人間のように言葉を喋らない、行動しないからといって、知性がないとは言えない。人間の知性だけを考えていると、思わぬ落とし穴にはまる。
・動物も植物も岩石もおそらく「思考」しているんじゃないかと考えることで、新しい地平線が見えてくる。
・「自動運転車大爆破」である。自動運転のソフトウェアを開発する会社の社長が乗る自動運転車がカージャックされた。3つの条件のうち、一つでも満たされれば、占拠された自動運転車が爆発する!これだけで、次はどうなる?と読み進めずにはいられない。
・事故で障害者となった警察官と、大手IT企業の敏腕エンジニアが事件の解決に活躍する。とはいえ、それがなんとなく「不本意ながら」という言葉が最初についてしまう行動である点も、物語に深みを与えている。
・AIによる自動運転の良い面も悪い面も知ることができる技術啓蒙書としても読める。
・本書によれば、英語のリスニング力を高めるには、文法をしっかりマスターすること。そして、定型構文をカタマリで覚えること。
・確かに、書いてある文を1分で125語を読み取る力がないと、リスニングはおぼつかないかもしれない。書いてある文章を早く読み取ることが、リスニング力向上の第一歩であるようだ。
・サイバースペースを支えるインフラについてコンパクトにまとめた本。
・データセンターは、寒い地方の方が電力消費が少なくて良いが、電力が安定していて、消費地に近いことも大切だ。そんな場所は、日本にはないか……
・海底ケーブルは、インターネットを支える重要な設備だが、その本数はあまり多くない。情報の安全保障についても考えさせられる。
・「三体」といえば、劉慈欣のSF小説を思い浮かべてしまうが、本書は、科学啓蒙書。三体問題に対して、過去から現在まで、人類の知性がどのように取り組んできたかを解説している。
・三体問題が難しいということが、改めてよくわかった。
・大手企業の内定取り消し、ほとんど詐欺のような起業スカウトとの契約などなど、やむを得ない理由により、スタートアップ企業の社長となる、松岡まどかの戦記。彼女の強みは、自分で育てた自家製AIエージェント。彼女を助ける三戸部の、徹底的に合理的な生き方が、とてもカッコいい。
・池井戸潤の「下町ロケット」を彷彿とさせる、大手企業の妨害工作と、それを乗り切る痛快さが、お仕事エンターテインメントとして素晴らしい。
・「能力主義(meritocracy)」は、格差を固定化し、人間の尊厳を傷つける。有名大学卒者や金持ちが「勝ち組」として君臨する社会への違和感の説明として腑に落ちるところがある。「勝ち組」とされる人々は、高度な教育を受けられる「経済的豊かさ」や「努力できる力」などに、たまたま恵まれていただけで今の地位にある。要するに運がいい人たちなのである。その優位な地位を自分だけの力で手に入れたと信じ込み、「負け組」の人々を蔑むのは実に理不尽だ。
・本書は、「能力主義」の不都合な真実を、さまざまな文献、事例をもとに明らかにする。そして、生産的な労働への評価を高めることや、金融取引による利益への課税強化などを主張する。人間が生きていることに価値を見出す指標を、労働だけでなく、もっと幅広く設定できれば、福祉を必要とする人々の生きづらさも解消されるのではと思う。
・今、ここで生活していることが、単なる偶然に過ぎないことを認識し、その事実に感謝して生きようと思う。
・街のお医者さんは、儲かっているのか?そんな素朴な疑問が少し明らかになる書。診療所の運営にはそれなりの経費はかかるが、たくさん患者を診れば、とにかく稼げるらしい。
・それでもやっぱり医師の仕事は大変だわ。
・航空管制官が主人公のドラマをみて、この世界のカッコよさに憧れた。
・仕事としては、大変過ぎます。
・汎用人工知能と協力して革命を起こす話。1966年の作品なので、コンピュータの描写がレトロで、かえって素敵に感じるから不思議だ。
・革命の手引書みたいな感じに読める部分もあるが、逆に、革命を成功させるのがいかに困難かがよくわかる。
・数学をエンターテインメントにするという野心的な番組の書籍化。数式をじっくり見返せるので、良い。ムズカシイけど。
・「お風呂が沸きました」という音声と共に流れてくるあのメロディ、電話の保留音で聞かされるあの曲……。それらはクラシック音楽であることが多い。
・本書は、そんな楽曲の名前と、作曲家の横顔、楽曲の作られた背景など、多面的にクラシック音楽を知ることができる。
・SpotifyへのリンクがQRコードで掲載されている。アカウントがなくても、紹介された楽曲の一部を聴くことが可能。
・大多数の人にとっては取るに足らないことを、命懸けで頑張る姿は、どこか滑稽で、バカバカしく感じるが、一方で愛おしく感じることもある。
・本書は、そんな「バカバカしい」お話を集めた短編集。
・冒頭に収録されている「トランジスタ技術の圧縮」をテレビドラマ版と比べると、映像作品と文芸作品のエンターテインメント性の違いが見えて面白い。原作もいいけど、映像作品もいいよね、となるのが理想的。
・仏像の様式や、造形に込められた意味などを、美しい線画で解説している。
・写真では見えにくいものも、線画にするとはっきりわかるところが面白い。
・しかし、「わかった」つもりになって思考停止してしまうと、仏教的にはよろしくないと思う。
・天変地異の影響で、陸地の大半が水没した地球を舞台に、遺伝子改造されたさまざまな生き物(ヒトも含めて)が跳梁跋扈する世界を描く<オーシャンクロニクル・シリーズ>の一つ。
・文化とは、人類とは、生命とは、いろいろ考えさせられる。
・全長25キロの世代宇宙船が、まもなく減速の日を迎える。目的の惑星に降り立つために。そんなタイミングで起きる、さまざまな事件を描く。
・何世代にもわたって宇宙船の中で暮らすことで、形づくられる社会や文化が面白い。同じ船団でも、船によって文化・風習・言葉遣いなどが微妙に異なってくる描写も素敵だ。
・地球を惑星規模の熱機関ととらえ、その中での化学反応を丁寧に解説している。
・巨大なシステムの挙動を小さな原子レベルの化学反応で説明できるところが素晴らしい
・素敵な絵柄で、「おしごと」について考えさせられる本。とはいえ、リアルに職探しをしている人には、あんまり役に立たないかも。
・イラストは、妙にディテールが細かい部分と、物理的ににありえない部分が混在しているところが素敵。
・仕事って何?よくわかんなーいな青少年少女が読むとよろしいかも。
・これこそSFと感じられる、短編・中編が収録された珠玉の一冊
・アラビアンナイト風タイムトラベルもの、意識を持った(ように感じられる)ソフトウェア・オブジェクトの取り扱い、全くの異世界で生きる人間ではない何かの話などなど、異世界でのセンスオブワンダーを堪能しましょう。
・仏教徒と思ってはいるが、葬式とか法事とかでしか実感できないのはどうかと思う、というような方は読むといいかも。
・ブッダその人の思想は、彼が生きてきた時代の在り方と分かち難く結びついてる。このことを実感できる。
・ただ、あまりにも昔のことなので、どうにも検証不可能なところが、もどかしいと感じるところ。
・時代劇のセリフや動作に、その時代にはまだない形を採用してしまうと、すぐクレームが来るらしい。そんなクレームを未然に防ぐためのメモをもとに構成された本。
・雑学の宝庫のような内容だが、基本的に「メモ」なので、詳細は自分で調べた方がよろしいかと。
・タイトルから、「この世界はラテン語でプログラミングされた仮想世界だった」…と陰謀論めいた内容を想像したが、読んでみたら、そういう無駄に衝撃的な話ではなく、色々な言葉がラテン語由来だよーと気付かされる本だった。
・e-mailの”Re:”`がラテン語の”In Re”(…について)に由来することが書いてあったので、RFC5322を見たら、本当に書いてあって、知らないことって、結構あるよな、と実感した。
・既にEテレとか、ネットとか民放の特集番組などで取り上げられた内容だが、書籍で読むと安心感がある。あとで何回も読み返せるからだろうか。
・「もし◯◯だったら」、「もし◯◯でなかったら」という問いから物語が紡がれるのがSFの原点だと思う。そういう意味で、本書に収録されている短編は、どれも原点に忠実なSFばかりだ。素晴らしい。
・生物の新種の発見が、ニュースで話題になることは珍しくない。本書を読むと、「新種かもしれない」という生物を見つけてから、新種発見を認められる(「記載」というらしい)には、根気のいる作業が必要であることがわかった。
・ピラミッド、ストーンヘンジ、パルテノノン神殿、ローマン・コンクリート、メソアメリカ・アンデス文明といった、現代の技術でもなかなか実現困難な建造物の謎に迫る。
・研究者は、もっと職人(技能者、技術者)の話を聞いた方がいい、という主張は納得できる。
・チャールズ・M・シュルツ美術館の図録とも言える豪華な本。一人の作家がひたすら漫画を描き続けた足跡が、残された資料からはっきりとわかるのは素晴らしい。
・続編を読んだのだが、正編の内容がうろ覚えだったので、読み直した。
・トモエ学園の教育が、改めて素晴らしいと実感した。