1948年 高松近代美術館

・建物名称 高松近代美術館(高松市立美術館)(1988年に中心市街に移転、現存しない)

・建設場所 高松市(県立栗林公園内)

・竣工時期 1949年(11月開館)

・資料:設計図一式はRIA山口文象資料庫、日本建築家協会にも青図保存

設計図:平面図

設計図:立面図

正面(1978年5月撮影:伊達美徳)

●芸術家村のこと

猪熊弦一郎(『建築家山口文象 人と作品」RIA編 1982 相模書房より引用)

(前略)敗戦後まもなく,誰でもそうだったが,特に商売っ気のない文ちゃんは,仕事がまったくなかった.そこで何とか,この秀れた建築家のために適当な仕事をと考えて,僕は知り合いを尋ねて東奔西走したものだ.こんな時だからそう,うまうまと仕事が見つかるはずもなかった。

もともと文ちゃんも私もロマンチストで理想に走ることは大得意だったが,商売べたで建築の仕事をとることなどは僕にとってほ大魔術のようなもので,とても出来そうもなかったが,それでも,そうした話のあったうちで,高松近代美術館(1948年,昭和23年)と久ヶ原教会(1950年,昭和25年)は,実現した中の数少ないものである.

高松の近代美術館は,僕の生まれ故郷だから,ぜひそこに建ててもらいたかった。いまでこそ美術館は,県に一つは出来つつあるが,あの美術館はそうした意味では日本では県立の最初のものだと思う. (後略)

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