inReach

DeLorme inReach

It weighed 260 g with two AA batteries and strap.

携帯電話は便利であるが、サービスエリアは限られている。都市部から遠く離れた山岳地帯では利用不能である。しかし、衛星機器を使えば、如何なる時でも連絡が可能である。現在利用可能な物をリストアップしておく。

  • SPOT GPS内蔵の通信機器で、人工衛星経由で現在位置や定形メッセージを定期的に自動送信する。1、2年前はSOSボタンを誤って押してしまうトラブルが目立った。サービスが悪いという評価もある。ただ、比較的安価なので、PCTハイカーでも利用する人がいる。日本の登山家の竹内洋岳もダウラギリで使っていた。SPOT II Satellite GPS Messengerが100ドル、年間契約料が99ドル。現在位置を定型メッセージと共に定期的に発信しできる。

  • DeLorme inReach GPS内蔵の通信機器で、人工衛星経由でスマートフォン等と連携して双方向メッセージが送れる。機器が250ドル、三種類あり、セイフティ・プランは10ドル/月(メッセージは10まで、超過分は一つに付き1.5ドル)、レクレーション・プランは25ドル/月(メッセージは40まで、超過分は一つに付き0.5ドル)、エクスペディション・プランは50ドル/月(メッセージは120まで、超過分は一つに付き0.0.25ドル)。アメリカでも日本でも契約可能なので、使ってみることにした。

  • イリジウム衛星携帯電話 KDDIがサービスしている。電話機の重さは266g。販売価格は25万円だが、基本料金は月額6,000円の時、通話は55円/20秒。メールは50円/1回。月額5,000円の時は、通話は63円/20秒。メールは58円/1回。レンタルサービスもある。かなり高価で、法人向けである。買えないことはないが、契約料と使用料が高すぎるので、よほどの必要性がないと購入できないだろう。

DeLormeのinReachの購入者は、無料で10万分の1の北アメリカの地形図、12万5千分の1の世界の地形図がダウンロードできる。スマートフォンの電源が長時間保つようになれば、ガーミンのような独立型GPSが不要になるだろう。

少し使った感想

契約は月10ドルの最低契約とした。メールの送受信は10通までだが、超過料金を払えば使用できる。月30通ほどに押さえれば、3000円ほどで治まるだろう。トラッキングは特に必要ではないだろう。1年契約で途中で解除できない。また、シーズン契約等もあるが、割高。月25ドル契約を結ぶほどではないと考えた。

アンドロイド携帯電話との連携はスムースにいく。パソコンの方でexplore Delormeというサイトで、メッセージのひな形を作ったり、連絡先を登録したりできる。携帯電話でシンクロナイズすると、そのデータが携帯電話に送られる。送信先はGmail等のメールアドレスだが、facebook、Twitterにも直接投稿できる。

日本語対応ではないが、送信、受信はできる。ただしexplore Delormeは日本語に非対応なので、確認できなくなる。また住所録も日本語対応ではないので、日本語の混じった宛先は登録できない。そういうわけで、送受信は英語を使った方が安全である。

日本地図をダウンロードしてアンドロイド携帯電話を独立型GPSとして使うこともできるが、ダウンロード速度が遅すぎで実用にならなかった。LAN環境で行わないと費用が嵩むので、今の所、現実的ではないようだ。

Delormeによる救助費用は無料であるが、その他の機関が動けば高額の救助費用が請求される。SOSの練習も決して行ってはならないと契約書に書いてある。SOSボタンはスライドスイッチでロックされているが、不安なので、隙間に詰め物をしてテープでカバーした。問題はアンドロイド携帯電話でEarthmateというソフトがあり、このSOSスイッチはロックできないことである。どんな動作をするのか、テストすることもできない。

メール限定ではあるが、現在位置と共に、こちらの状況を適切に表現して送信できる。双方向通信するとコストは嵩むので、通常はfacebook等への投稿、困った問題が生じたら特定個人へのメール連絡と使い分ければよい。日本でも携帯電話の届かない場所は多いので、利用価値は大きいと思う。

もしかすると、私が日本のユーザーの最初かもしれない。ソフトが日本語対応になると、爆発的に広がるだろう。