nutrition

分かったこと。


スポーツする人のタンパク質摂取量は、男性体重67kgで94-134gram, 女性体重53kgとして74-106gram。持久性トレーニングする人はタンパク質1.5g/kg/day程度でよい。たくさん摂っても記録は良くならない。ウェイト・トレーニングをして筋肉をつけようとする人はもっとたくさん摂る方がよい。筋肥大や筋力の回復にはタンパク質総摂取量の影響が大きいが、タイミング的には夜寝る前にミルクを飲むのは効果がある。


論文のまとめ

Protein intake for sports

トレーニングする人のタンパク質摂取量は1.4-2.0g/kg/day程度が必要。これは男性体重67kgで94-134gram, 女性体重53kgとして74-106gramに相当する。

"The majority of exercising individuals should consume at minimum approximately 1.4-2.0 g of protein per kg of bodyweight per day" This corresponds 94-134 g for a 67 kg man or 74-106 g for 53 kg woman.


持久性トレーニング

タンパク質1.5g/kg/dayと3g/kg/dayを摂るグループの記録に違いがない。炭水化物を充分摂っている場合、タンパク質を追加しても記録は伸びない。持久トレーニング中かトレーニング後にタンパク質を追加すると筋肉のダメージが減る。この時の摂取量は0.25g/kg/hour程度でよい。プロテイン・サプリが持久力にどのような影響を与えるのかに関する研究はほとんどない。

Endurance exercise

"3 g of protein/kg/day offered no improvements .. as compared to 1.5 g of protein/kg/day", "When adequate carbohydrate is delivered, adding protein to carbohydrate does not appear to improve endurance performance", "Adding protein during or after an intensive bout of endurance exercise may .. reduce feeling of muscle soreness" In this case, "approximately 0.25 g of protein/kg/hour of endurance exercise" is recommended. Few investigations on the effects of protein supplementation of endurance performance.


ウェイト・トレーニング

食事やサプリからタンパク質を大目にとる方がよい。タンパク質2.0g/kg/dayをとると、ベンチプレスやスクワットの力が22-42%増す。多くの研究によれば4-21週間にわたる15-25 gのタンパク質サプリはパーフォーマンスを向上する。

Resistance exercise

"Greater protein intakes that are achieved from both dietary and supplemental sources do appear to have some advantage", "Above 2.0g/kg/day" made 22-42% increase strength in squat and bench press exercise. Multiple studies indicate that protein supplementation ( 15-25 g over 4 to 21 weeks ) exerts a positive impact on performance.

摂取タイミング

筋肥大に関しては、タンパク質の総摂取量の影響がもっとも大きく、摂取タイミングの影響は小さい。筋肉中のタンパク質合成がさかんにするには、練習の後1-4時間以内が望ましい。最近の研究によれば、夕食の2時間後、睡眠の30分前にタンパク質をたくさん含む飲み物を摂ると、筋肥大や筋肉の回復に良い影響を与える。

The total protein intake was the strongest predictor of muscular hypertrophy and protein timing likely influences hypertrophy to a lesser degree. Considering muscle protein synthesis (MPS), the timing should be within 1-4 hours after the workout. Recent work using protein rich beverages 30-min to sleep and two hours after the last meal ( dinner ) have as advantageous to MPS, muscle recovery, and overall metabolism.

J Int Soc Sports Nutr. 2017 Aug 29;14:33. doi: 10.1186/s12970-017-0189-4. eCollection 2017.

International society of sports nutrition position stand: nutrient timing.





トレーニングの原則

ランス・アームストロングとクリス・カーマイケル「ミラクルトレーニング」未知谷 より 自転車の話だが、非常によく書けた本。通常のトレーニングにも当てはまる。少しメモ

登りが早くなりたいなら登りを、強いスプリンターになりたいならスプリントのトレーニングをする。---これは当たり前だが、以下の記述は他では見られない。

特定のスキルを向上させるには、4週間単位で集中してトレーニングする。一つのスキルが終わってから次のスキルに移る。限界まで追い込んだトレーニングをしなければ身体は必要な時に思ったようには反応してくれない。回復期間を長めにとる。---筋肉やエネルギーシステムに再生するための時間を十分に与える。

栄養摂取

同じく、ミラクルトレーニングより。

ハードなライディングの後、15分から30分以内に高炭水化物食品や飲料をとる。---速く吸収される。食事中の炭水化物量3グラムか4グラムにつき、1グラムのタンパク質をとるのが理想的。摂取カロリーの10から15パーセントはタンパク質からとる。脂肪は摂取カロリーの20から25パーセントに抑えること。つまり、炭水化物のカロリーは摂取カロリーの60~70パーセントがよい。

---ちなみに古典的なミューズリなどは、この配分比になっている。昔から経験的に良い配分比を見つけていたのだと思う。昨年のJMTの成功は、大量のビーフジャーキーをバレルから獲得したことだろう。予想よりタンパク質は多めにとる必要がありそうだ。摂取カロリーの60~70%を炭水化物、10~15%をタンパク質、20~25%を脂肪として、各カロリー比4:4:9から重量比を計算すると、60:15:11と70:10:9の間。最適値は炭水化物60-70%、タンパク質10-15%、脂肪9-11%となる。アメリカ人は炭水化物不足。グラノーラなどに脂肪を少し加えると丁度よい比率になる。精製されていない小麦粉によるパンなど。


吸収速度をベースに食料を選択してはいけない。単純な糖類は吸収が速く、膵臓からのインシュリンの分泌を促進し、しばらくすると血糖値を下げようとする。そうすると、一定時間後にエネルギーが枯渇する。プロフェッショナルは吸収の遅い多糖類を利用しています。

C.Townsend(長距離バックパッカー)の食事はミューズリやドライフルーツ、精製されていない全粒粉のパスタ、クスクス、ドライベジタブルなどです。行動中はトレールミックスなどです。私と似ています。日本では三分づきの米です。甘い物は少しにします。

L.Armstrong(プロ・ロードレーサー)の朝食も精製されていないミューズリ、パスタと少量のタンパク質、行動中はエナジーバー、ドライフルーツ、サンドイッチ、クッキー、夕食もライス、パスタに蒸し野菜などの多糖類、赤身のステーキです。

エネルギー別の栄養素の目標例 鈴木志保子「スポーツ栄養学」ベースボールマガジン社、

4500キロカロリーの場合。()はエネルギー比率

タンパク質 150gram 16% (13%)

脂質 150gram 16%(30%)

糖質 640gram 68%(57%)

2003年、国際オリンピック委員会が公表したらしい。アームストロングのコーチと大体一致している。