ultra-processed food

(超簡単なまとめ)

----肉、卵、チーズは少なめ、食べる頻度も少なくする。新鮮な野菜や果物を多めに食べた方がよい。前向き研究が少なく、エビデンスは弱い。社会階層差があり、階層の下の人が多く超加工食品を食べている。

---どういう加工が肥満を引き起こすのか、よく分からない点がある。美味しく加工されていれば、たくさん食べて太るので、当たり前ではないか。


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肥満の原因は炭水化物や超加工食品が食欲を刺激しすぎるためで、炭水化物を摂り過ぎるからではないという記事があった(シェル 「食欲の暴走を招く?超加工食品」日経サイエンス2020.01,78-86)。超加工食と未加工食のカロリー密度、脂肪、炭水化物、タンパク質、砂糖、ナトリウムの濃度を揃えて被験者に与える条件での研究でも被験者は超加工食をたくさん食べたという。ただ、大規模研究による研究はないようだ。そこで、PubMedでultra-processed foodで検索してみた。山のような論文が出てきて、素人にはとても読めない。Reviewを二つ、Researchを一つ軽く目を通してみた。


The Hidden Dangers of Fast and Processed Food. Fuhrman J. Am J Lifestyle Med. 2018 Apr 3;12(5):375-381. doi: 10.1177/1559827618766483. eCollection 2018 Sep-Oct. Review

このレビューはかなり辛辣。部分を翻訳して、繋いでおく。

アメリカ人の71%は過体重で、BMIを23以上とすると88 %となる。エクササイズをして健康的な食生活をしている人はたったの2.7%である。健康的な食生活のできない人は「食の砂漠」に住んでいて、新鮮な果物や野菜が入手できない(JMT沿いではIndependenceかな)。飽和脂肪、動物性脂肪、精選された炭水化物(米、白いパン、砂糖、蜂蜜、メープル、リュウゼツランのネクター)が心臓疾患を促進することが分かっている。進んだ糖化の最終生産物(AGEs)が加齢と慢性疾患を促進する。料理に使う油もファスト・フードとして見なすべきだ。2015年の4万4千の死亡者のメタ分析ではナッツや種を定期的に食べる(地中海食)人は心臓疾患での死亡者が40%少なかった。逆に肉、卵、チーズをたくさん食べると、アミノ酸が急速に血管中に吸収されるので、発癌の危険が増加する。最近の乳癌の患者を10年間追跡した研究では、夕食を早めに食べて、朝食の間まで13時間以上開けた場合、26%死亡リスクが減少した。多くの人は少しずつ頻繁に食べる方が健康によいと考えているが、可能な限り、食べる頻度を少なくした方がよい。高タンパク質食を頻繁に食べると、解毒が追いつかず、加齢を促進する。

Ultra-processed Food Intake and Obesity: What Really Matters for Health-Processing or Nutrient Content? Poti JM, Braga B, Qin B. Curr Obes Rep. 2017 Dec;6(4):420-431. doi: 10.1007/s13679-017-0285-4. Review.

システマテック・レビュー。5つの研究のうち、 4つは超加工食品を食べる人は過体重の傾向が強い。全体的には超加工食品の消費は肥満やメタボリック症状群と関係しているが、前向き研究は9つのうち3つのみで、エビデンスとしては不十分である。


Consumption of ultra-processed foods and associated sociodemographic factors in the USA between 2007 and 2012: evidence from a nationally representative cross-sectional study. Baraldi LG, Martinez Steele E, Canella DS, Monteiro CA. BMJ Open. 2018 Mar 9;8(3):e020574. doi: 10.1136/bmjopen-2017-020574.

アメリカ人の摂取カロリーの60%は超加工食品に由来する。超加工食品は非ヒスパニックの白人と黒人、教育水準の低い人、若い人、低所得者に多く摂取されている。---すなわち、社会階層差が大きい。