海外旅行中や外国に赴任中などのときに病気やケガでやむを得ず現地の医療機関で診療を受けた場合、申請により一部医療費の払い戻しを受けることができます。支給対象となるのは、日本国内で診療を受けた場合に、健康保険の適用が受けられる治療に限られます。

勤務中や通勤途中のけが、健康診断、正常な妊娠・出産、美容のための整形手術などは健康保険が適用されません。また、はじめから治療目的で海外へ渡航した場合は健康保険の給付対象外です（外国での里帰り出産、外国の名医にかかるため渡航した等）。

※　なお海外での臓器移植については、平成29年の改正により、要件をすべて満たし、健保組合がやむを得ないと認めた場合に限り海外療養費の支給対象とすることができるようになりました（参考：臓器移植に係る海外療養費の取扱いについて、臓器移植に係る療養費及び移送費の取扱いに係るQ＆Aの送付について）。

＜申請の手順＞

1. 海外渡航の際には「診療内容明細書」「領収明細書」「歯科診療内容明細書」「国際疾病分類表」をご持参ください。各申請書は国外でも健保組合ホームページより印刷可能です。

2. 海外で疾病にかかった場合、「診療内容明細書」「領収明細書」「歯科診療内容明細書」を受診した現地の医師に記入してもらいます。受診者ごと、医療機関ごと、入院・外来ごと、月をまたがって受診した場合は1か月ごと、に1枚ずつ証明が必要となります（用紙が不足する場合はコピーしてください）。

3. 医療費を支払った際の領収書は原本の提出が必要ですので、医療機関より必ず貰ってください。クレジットカード払いの場合はその控えもご提出ください。

4. 帰国後、必要書類をすべて揃え、健康保険組合へご提出ください。

＜提出書類＞ 申請書類一式の印刷はこちら
1～6はすべてご提出ください。7・8は該当する場合にご提出ください。

※ 5・6・8は、健康保険法施行規則の改正に伴い、2016年4月1日以降提出分より添付が必要になりました。

※ 健康保険用国際疾病分類番号をドクターにご証明いただく際には、「国際疾病分類表」を参照のこと。

※ 必要に応じて、その他現地で発行された書類等（翻訳含む）を提出いただく場合があります。

＜注意事項＞

• 海外の病院等で書類をもらうのに費用がかかる場合もありますが、その費用は申請者の負担となります。

• 申請期限は、治療費を支払った日の翌日から起算して2年間です。

• 書類はすべて揃っていないと受付できません。現地のドクターに記入してもらう書類等、帰国後では入手が難しい書類もありますのでご注意ください。

• 海外療養費は他の給付金より審査にお時間がかかります。ご提出後、支給決定まで2・3か月以上かかることがありますのでご了承願います。

健康保険は、日本国内で治療を受けることを原則としているため、日本国内で治療を受けることが可能であるにもかかわらず、治療を目的として海外渡航し、療養を行った場合には、「海外療養費」は支給されません。また、日本国内で保険適用されていない医療行為等も支給の対象外となります。

＜支給金額の計算方法＞

海外療養費は、原則として日本で医療を受けた場合の診療報酬点数に換算して算定され、

（１）算定した額が海外で実際に患者が支払った額（日本円に換算した額）を下回る場合には、算定した額から自己負担分（原則３割）を控除した額が払い戻されます。

（２）算定した額が海外で実際に支払った額（日本円に換算した額）を上回る場合には、実際に支払った額から自己負担分（原則３割）を控除した額が払い戻されます。

※ 外貨で支払われた医療費については、支給決定日の外国為替換算率（売レート）を用いて円に換算し支給額を算出します。