令和6年度 I-DOT「備後絣・阿字和紙 伝統の技術を未来につなぐ」 第13号
令和6年度 I-DOT「備後絣・阿字和紙 伝統の技術を未来につなぐ」 第13号
5月24日火曜日福山市しんいち歴史民俗博物館に伺いました。備後絣の収蔵、展示においては日本最大級の博物館です。
折しも「備後絣の百年」という企画展をされており幸運でした。
備後絣研究第一人者の学芸員である児玉先生から解説と説明をしていただきました。
織や絵柄の解説をいただいてます。
綿について説明をいただき綿から糸を作る工程を見ています。
綿から種を取り除く綿繰りの解説です。
一見柔らかい綿から実を取るのは楽そうにみえましたが、実際に体験させていただくと結構大変でした。
種を取り去った綿の塊です。
綿繰りが終わった綿を紡いで糸にします。
染めについて解説していただきました。
下段右端が、褐色です。褐色は、勝ち色に通ずということで武士が好みました。しかし何回も染めるので高価でした。染めの回数が少ないと薄くなります。新選組の羽織の話は生徒も興味を持っていました。
備後絣は、生活用品です。また当時の人々にとっては、高価な品でした。従って最後の最後まで使いました。お父さんのおさがりがお兄さんへ、お兄さんのおさがりが弟へ行きました。誰も着ることができなくなるまで使います。着物にできなくなったらおむつにします。そして最後は、風呂の焚きつけに使いました。従って残っている備後がすりは少ないのです。
破れたところは補修に補修を重ねて繕いました。備後絣の濃い色が補修を目立たなくしています。遠目で見たら分かりません。備後絣の便利なところです。
備後絣の歴史と変遷の解説です。備後絣は、白く残すこところを縛って染めます。上の織物は、横糸だけ柄のところ白く残しています。縦糸は、全て染めています。従って白いところも青みががっているのは縦糸の色が出ています。
上の織りは、縦糸も横糸も残すところを縛って白く残しています。白が、鮮やかに出ています。しかし、縦糸、横糸それぞれ何十メートルもある糸を残すところを計算して縛って染め、それを正確に織る技術に生徒も驚いていました。
明治時代の備後絣がスタートした頃の写真です。
昭和です。モンペが時代を表しています。
織り機の解説です。これだけの台数が展示してある博物館は他にありません。織り機の変遷を解説してもらっています。
綿繰り糸巻きの体験です。
綿を糸に紡ぎます。糸紡ぎ体験です。
今日は、児玉先生から備後絣の歴史と綿繰り、糸紡ぎを実体験させていただきました。これをどう生かすか。彼らのセンスが問われます。