令和6年度 課題発見講座 E-DOT(2年5組での取り組み) 第4回 番外 千羽鶴編
令和6年度 課題発見講座 E-DOT(2年5組での取り組み) 第4回 番外 千羽鶴編
台湾の高校が、本校に来ることになりました。3月の交流で阿字和紙を紹介しました。かつて阿字和紙がG7サミットのお土産に使用されたことを紹介しました。「傘鶴プロジェクト」に触れ広島平和公園の千羽鶴にも触れました。日本人が何かを願うとき千羽鶴をつくること紹介しました。昨年本校野球部が頂いた千羽鶴を実例に挙げました(写真1)。そうした経緯でお土産に千羽鶴を作ろうとなりました。
1
ここでの課題とは、来校前日までに千羽鶴を完成させること。条件としては、旅行の荷物にならないこと。すなわち大きすぎないこと。しかし、小さすぎては見栄えがしないので、適度な大きさであること。生徒同士の話し合いの結果、普通の折り紙の4分の1の大きさを使用することにしました(写真2)。
④行程、組み立て
組み立てます。単なる物置であれば、釘を打つだけで良いですが、物置と楽器の違いは?という問いに生徒は、「音が漏れたら困る。音が変な反響してビビると困る。」と言いました。「ではどうする。」と問うと「綺麗につなぎたい。」とのことでした。結果、接合部は木工ボンドで埋めました(写真13)。さらにカホンの音に反響を付けるパーツを装着します。2枚の板の同じ部分に釘が打てるように計算してポイントを打ちます。位置が決まったら釘を打ちます。(写真14)(写真15)
2
それぞれの製作工程で、PDCAサイクル(Plan(計画)、Do(実施・実行)、Check(点検・評価)、Act(処置・改善))を行います。
①行程、折り
最初は、普通に折っていました。しかし、すこし折ってから生徒が気付きました。「首を折らなくても良いのではないか。」理由は「後でつなぐ時に形が悪くてつなぎにくくなる。」数羽をつないでみた結果、首は折らないということになりました。(写真3)
③行程、束ねる
一列につないだ鶴を束ねます。それぞれの列を金属のリングで束ねました。
④行程、仕上げ
この工程で課題が生じました。仕上げに文字を入れる予定でした。(写真1)にある垂を付ける予定でしたが、お店に尋ねたところ、ここ半年入荷していないとのことでした。複数の店舗に尋ねましたが同じ答えでした。何か代用品を選定しなければなりません。そこで生徒は、何が良いか話し合いました。文字が書けることが絶対条件ですから、書写材料の選定となります。その条件が以下です。
この条件を満たしたものとして木の札となりました。日本史、世界史で登場する木簡です。なるべく荷物にならないように幅の狭い(1㎝)板を使用すると、電気ドリルで穴を開ける際に割れました。そこで少し幅の広いものを使用しました。漢簡でいう両行になりました。
(写真8)
3 贈呈
(写真9)
千羽鶴制作を通じて生徒は、それぞれの行程もどうすれば良いかPDCAサイクル(Plan(計画)、Do(実施・実行)、Check(点検・評価)、Act(処置・改善))を行いました。実物を扱う思考トレーニングの利点は、その場で結果が出ること、目に見えることです。
4 PDCAサイクルトレーニングにおいて実物を使用する利点
①結果をすぐに見ることができる。
②自分の五感を使用している。生徒自身が実感できる。
③他者に形あるものを提示できる。
⑤他者に説明するとき説得力がある。
5 現在
現在、この千羽鶴は台湾の学校に飾られています。
(写真10)