令和6年度 課題発見講座 E-DOT(2年5組での取り組み) 第7回 番外
令和6年度 課題発見講座 E-DOT(2年5組での取り組み) 第7回 番外
振り返り 文化祭編 課題研究の視点から(2年5組の取組より)
今回の文化祭において課題研究の視点から大きな収穫が二点あった。①より良い正解、②PDCAサイクルのスモールステップです。
①より良い正解について
クラス企画「錦鯉の稚魚すくい」[注1]決定過程においてのことである。課題を設定して「錦鯉の稚魚すくい」が決まった。その時点で課題をクリアしたことに筆者は満足した。しかし「生き物が、苦手な子はどうするの。」という生徒の疑問、提案に驚きました。「錦鯉の稚魚すくい」は、一つの正解だと考えます。しかしそれは、魚が苦手でない人間にとっての正解であって、魚が苦手な人にとっては不正解です。普段視野を広く多面的に考えようと言っている自分を恥じるばかりです。新たに「生き物でない」という条件を加えて議論した結果、「ヨーヨー釣り」が加わりました。これによりクラス企画は、「より良い正解」となりました。
視点設定には、「真逆が必要」と学びました。考えてみれば難しいことではないのですが、忘れがちです。
課題研究では、「正解は一つではない」「正解は、沢山ある」と言われます。しかし自分の直近、手前だけを見ていては視野が狭まります。そのことを今回痛感しました。手前にある正解だけが正解ではない、その奥にその向こうにも正解はある。このことを意識しないと手前の正解だけで止まってしまいますし、奥にある正解は見えません。
②PDCAサイクルのスモールステップ
PDCAサイクルの思考過程において、それぞれの過程の中でもPDCAサイクルのスモールステップが行われている。クラス企画「錦鯉の稚魚すくい」のCheck(検証)過程において「ヨーヨー釣り」が加わったのもそうである。課題研究においてCheck(検証)過程がいかに重要であるかを改めて理解した。
もう一つ他の実例を挙げる。クラス企画という大きなPDCAサイクルの中で小さなPDCAサイクルが行われている例である。「錦鯉の稚魚すくい」に一人の幼児がやって来た。ポイを渡されて生徒から稚魚をすくうように促されたが、幼児は立ちすくんだままであった。それを見たある生徒が、お椀に稚魚を入れて幼児に見事に稚魚すくいを成功させたのである。掲載の動画をご覧ください。
幼児は、自分より大きな水を張ったプールを見て困っていた。でも魚はすくいたい。という状況でした。この生徒は、「幼児に魚をすくわせたい。」という課題を設定しました。その課題解決の思考過程は、左になります。
[注1]詳細は、前号6号を参照。