私たちは高齢者の方々を戸手高校にお招きして「スマホ教室」を開催します。
・GoogleやLINEなどの基本アプリの使い方
・フレイル予防などの体操やクイズ
・高齢者の方々と交流を深めるためのティータイム
スマホの普及率は上がりましたが、使いこなすことに困り感を持たれている地域の高齢者の方々のお力になれるように、スマホの使い方についてサポートさせていただきます。スマホ教室を通して私たちも世代間交流を楽しみにしています。
今年度のご挨拶とスマホ教室の案内チラシをお届けするために21名全員で介護予防拠点施設交流館とでを訪問しました。
この日までに4つのグループに分かれ準備を進めてきました。
ビラの制作班は、分かりやすいものにするために写真やイラストを入れたものを起案し、放課後に協力しながら完成させました。
移動班は、狭い道もあるため21名が安全に移動できるように並ぶ順番を自分たちで考えて、事前にclassroomに配信しました。
代表者が地域の高齢者の方に手渡すと「楽しみにしています」と声をかけていただきました。
第1回 6月11日
第2回 8月27日
第3回 10月15日
第4回 12月10日
を予定しています。
地域の皆様、よろしくお願いします。
令和6年度にリニューアルした図書室で第1回スマホ教室が開催されました。高齢者10名の方が自転車や車で来校され、案内班がエレベーターでご案内しました。各テーブルに高齢者の方1名と生徒2名が一緒に座りました。
授業班が授業案を考え、スライドを作成し、授業者となって説明しました。自己紹介をしたあと早速スライドでLINEの説明があり、実際に操作をしました。どの生徒もスマホについて何でもすらすら応えることができるため、活発にコミュニケーションが図られました。検索クイズでは、いつしかチームとなり熱戦が繰り広げられました。
最後に授業者の呼びかけで【感想・良かった点】【改善点・やってみたいこと】を書いていただきました。感動のメッセージや次への期待など励みになります。ありがとうございました。
8月27日に開催される第2回スマホ教室へ向け、21名全員がチームスマホで取り組んでいきます。
蒼輪祭の代休日と期末考査のため2週授業が開き、この日に全員で振り返りを行いました。
付箋の上段に【感想】、下段に【改善点】を出し合いました。
さまざまな意見を踏まえながら、立候補により再編成した1⃣スマホ教室のメンバーが中心となり、第2回スマホ教室(8月27日)へ向けて計画していきます。
認知症について聞いたことはあっても、私たちはどれくらい知っているでしょうか。
まずは認知症について付箋の上段に【イメージ】、下段に【知っていること】を出し合いました。すると認知症についてほとんど理解していないことが明らかになりました。
そこで来週行われる認知症サポーター養成講座を前に、認知症について調べてみることにしました。
各自Chromebookを使って情報を収集し、A3用紙に表現して課題を明らかにしました。
同じテーマでも情報収集の違いや表現の工夫がみられました。
みんなちがってみんないい!
令和4(2022)年の認知症の高齢者数は約443 万人、軽度認知障害1(MCI:Mild Cognitive Impairment Impairment)の高齢者数は約559 万人と推計2され、その合計は1,000 万人を超え、高齢者の約3.6 人に1人が認知症又はその予備群と言える状況にあるといわれています。
超高齢社会となり、認知症は特別なことではなくなりました。
認知症を正しく理解し、その上でちょっとした工夫や気遣いができれば高校生でもサポーターのひとりになれることを知り、「認知症サポーター養成講座」を受講しました。
認知症サポーターには、何かしなければいけないきまりはありません。認知症があってもなくても誰もが尊厳を失うことなく、家族やご近所さんと一緒に地域で安心して暮らせるまちづくりを考えていきたいと思います。
1 記憶障害などの軽度の認知機能障害が認められるが、日常生活にはあまり支障を来さない程度であるため、認知症とは診断されない状態をいう。
2 厚生労働省 令和5 年度 老人保健事業推進費等補助金老人保健健康増進等事業「認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究報告書」 研究代表者:二宮利治 。
地域の課題を解決するために、私たちが新たに取り組もうとしているのが「認知症カフェ」です。
認知症カフェとは、認知症の方やご家族・地域住民・専門職がつどい、お茶を飲みながら、気軽にお話ししていただける場です。
認知症カフェは、オランダで始まったアルツハイマーカフェを源流として世界各国に様々な形で広がって いきました。日本では、2012 年の認知症施策推進 5 か年計画(オレンジプラン)にて初めて明記され、続く認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)では、全市町村設置を目指すことが示されました。
厚生労働省による2021年度の実績調査によれば、47都道府県1543市町村で7904のカフェが運営されており、福山市では30のカフェ(2024年5月現在)があります。
認知症カフェ×高校生
認知症カフェに高校生をかけるとどんなカフェができるだろうか。
高校生だからこそできるカフェがあるのではないだろうか。
地域の【高齢者】と【認知症地域支援推進員】と【高校生】が協働し、三者の強みを発揮しながら第1回の認知症カフェの内容を決定しました。
夏休みに福山市西町にある認知症カフェはざくらの会に私たち2名が参加しました。
初めて参加する私たちを参加者の方が温かく出迎えてくださいました。
今日は福山空襲の日。79年前の1945年8月8日、米軍B29爆撃機91機が爆弾を落としました。市街地の約80%にあたる314ヘクタールを一夜にして焼き払い、尊い354人の命が奪われ、福山城は焼失しました。
当時小学3年生と5年生だった方が、「福山城が崩れ落ちていくのを見た」「1つ目の防空壕には入れず、2つ目の防空壕に隠れた。1つ目の防空壕に入っていたらやられて死んどった」とお話しされました。
他にもさまざまなお話に、あっという間の2時間でした。
ボランティアスタッフの方が「いつもと違って表情が明るく嬉しそうに会話されていた」と教えてくだり、自分たちが参加することで喜んでいただけて嬉しかったです。
安心して暮らし続ける地域づくりを目指し、〈集い❝おたがいさまのきもち❞を大切に地域の中で繋がろう〉を合言葉に、脳の活性化のためマージャンなどの交流もありました。そして男性の一人暮らしの方とどうつながるかなど認知症カフェの課題を伺うことができました。
実際に参加することでたくさんのヒントを得ることができました。
はざくらの会の皆様、ありがとうございました。
第2回スマホ教室が図書室で開催されました。暑いなか高齢者8名の方がバイクや車で来校してくださいました。
まずは前回の振り返りとしてLINE、Googleをおさらいしました。次に「PayPay頼みます」と前回付箋に書かれていた【改善点・やってみたいこと】を受け、夏休みにスライドを仕上げた授業者がPayPayについて説明しました。
質問コーナーでは事前に聞きたいことをメモにして持ってこられた方もいらっしゃいました。 フォトアプリのバックアップの仕方やPayPayのポイントの使い方など、熱心な質問にもテーブル内でお答えすることができました。
前回の振り返りを活かし、検索クイズでは全員に発言権が回るようにルールを改良しました。 また、ゆっくりしてほしいというご要望に対して問題数を増やし、検索の操作を繰り返しできるように工夫しました。
最後に授業者の呼びかけで【感想・良かった点】【改善点・やってみたいこと】を書いていただきました。スマホ教室があることを今朝知り、初めて参加された方が楽しかったと喜んでくださいました。貴重なご意見や励みになるメッセージをありがとうございます。
10月15日に開催される第3回スマホ教室へ向け、再編成した1⃣スマホ教室のメンバーが中心となり取り組んでいきます。
先週実施した第2回スマホ教室の振り返りを全員で行いました。
付箋のピンクに【良かった点】、青に【改善点】を出し合いました。
授業者とは別に新たな役割を考えるなど、知恵を出し合いながら第3回スマホ教室(10月15日)へ向けて計画していきます。
8月26日に地域の高齢者の方から「第2回スマホ教室ではInstagramやTiKTokについてありますか?」という問い合わせの電話がありました。
代表生徒が具体的な内容を電話でお聞きしました。できることをお伝えすると大変喜んでくださり、友達と一緒に来週来校される予定です。
地域の高齢者の方のニーズはさまざまです。
地域の方のご要望にお応えするために、事前にお問い合わせがあれば個別に日時を決め対応させていただく「個別スマホ教室」を新たな取り組みとしてスタートします!
10月1日に決定した第1回認知症カフェに向けて、〈チラシ〉〈特殊詐欺劇場〉〈カフェ〉〈記録〉の4つの班に分かれ内容を決めていきました。
〈チラシ〉は【認知症地域支援推進員】の方が提示された福山市内の認知症カフェのチラシを参考にしながらChromebookで作成しました。来週会議に出席してくださる【高齢者】の方にお渡しできるように残りは本日の放課後を使って完成させました。
〈特殊詐欺劇場〉は特殊詐欺の劇をした札幌北斗高校にご協力いただき、台本を送っていただきました。その台本を備後弁に吹き替え、役者を決めました。
〈カフェ〉は、紙コップで好きな飲み物を注文できるようにしました。注文の取り方や、提供の仕方、感染防止など【認知症地域支援推進員】の方のアドバイスを受け、準備物などを確認しました。
会場のテーブルの数、座席数、配置図以外に、全体で周知できるように〈記録〉がホワイトボードに決まった情報を次々と上書きしました。また、お菓子についてはお昼のパンの販売で利用しているポレポレに代表生徒が電話で相談し、メンバーに伝達しました。
役割を分担することで各班が主体的に対話を重ね、協働する楽しさを感じながら取り組むことができ、2時間で多くのことが決まりました。
来週は【高齢者】の方が〈特殊詐欺劇場〉の練習に参加してくださいます。
「個別スマホ教室」がスタートしました。
1週間前に電話でお話した方とは初対面でしたが、InstagramやTiKTokについての操作のお手伝いをするなかで、あっという間に打ち解けることができました。
大事なことをノートに書き、「聞きたいことが全て聞けました!」と喜んでいただけました。
「うちへ遊びにおいで、ケーキを一緒に食べよう」と声を掛けてもらったと生徒が笑顔で話してくれました。地域の方から愛されるお言葉だけで十分に気持ちが温まります。手土産は不要ですのでお気軽にご予約(0847-52-2002)をいただければありがたいです。
担当生徒が「次はいつかな」と楽しみにしています。
10月1日に決定した第1回認知症カフェに向けて準備を進めました。
高齢者3名の方が電動自転車や車で来校してくださいました。
認知症地域支援推進員の方に〈チラシ〉を見ていただき、カラーコピーで50部用意ができました。
〈特殊詐欺劇場〉は、高齢者3名と生徒4名で通し稽古をしました。役になりきったのは小学生以来で、しかも世代を超えて一緒にする稽古はとても楽しかったです。
〈カフェ〉に必要な物品を2冊のカタログから価格を調査しました。
新たに〈データ〉班が加わり、来週全体で学び合う資料づくりを作成しました。
〈司会〉の生徒が本番に向けてアナウンスの練習を本日から行っています。
お菓子の単価や新たな情報を〈記録〉が上書きし、最後に進捗状況の報告会で全体で共有しました。
備後弁のセリフが飛び交います
「パンダの紙コップかわいい!」
新たな情報を上書き
トークでは恋バナにも花が咲きました
進捗状況の報告会
「お前、金ほしくない?」
「キャッシュカードのご用意はできていますか?」
高齢者の代役も加わり、認知症カフェグループは役作りに励んでいます。
YouTube
第3回スマホ教室へ向けて、スマホ教室グループは授業案を作成しています。
中国新聞に掲載されました。
立候補してくれた2名が放課後に第1回認知症カフェの買い出しに出掛けました。
紙コップに布巾、紅茶や砂糖、ミルクに加え、2リットルのペットボトルのお茶3本をしっかりと抱え戻ってきました。
課題を自分事として捉え、主体的に取り組む姿が頼もしいです。
10月1日の第1回認知症カフェへ向けて最後の授業となったこの日、【認知症地域支援推進員】の方にも見ていただき最終準備を進めました。
最初に特殊詐欺について、来週の福山北署の講話を聞く前に全体で事前学習の時間を設けました。少年たちが犯罪とは思わずに手を染めた経緯、被害者に対する思い、被害者が置かれた立場などを映像を通して知ることで、より身近に課題を捉えました。
〈特殊詐欺劇場〉で使う小道具を演劇部から借り、キャッシュカードも出来上がりました。通し稽古をしたあとに見てくださった大人の方からアドバイスをいただきました。「聞こえにくい方のためにもう少し大きな声で」や「自信をもってやったら大丈夫」、「笑顔が素敵」など、工夫の仕方や励ましのエールに勇気が湧きました。
参加者が受付を終え座席に座るまでの動線や座席の担当者も決まり、それぞれが細かい準備に取り組みました。
第1回戸手高校カフェ、間もなくオープンです!
戸手高校の新サービスの「個別スマホ教室」のチラシが出来上がりました。
得意な生徒がChromebookであっという間に作成し、起案しました。
一度見たら忘れられないデザイン!素敵です。
イベントや町内会のチラシなどご依頼があれば承ります
10月1日の第1回認知症カフェの〈特殊詐欺劇場〉のメンバーが、朝一番に衣装を届けました。
先を見通しながら事前準備を進めています。
〈特殊詐欺劇場〉のメンバーが放課後図書室に残り、台本を編集していました。
こちらは時間の枠を示すだけで、生徒たちが対話を重ねながらより良い方向を目指しています。
演じる生徒はただでさえ緊張しますが、見てくださる方に少しでも伝わるように最後までベストを尽くす姿に感動します。
高校時代に一生懸命に打ち込んだことは、一生忘れられない宝になると思います。
「戸手高校カフェ、オープンでーす」の司会者の明るい声から始まった第1回戸手高校カフェに17名の高齢者の参加がありました。
これまでのスマホ教室に参加された方だけでなく、新聞の記事をご覧になった方、また生徒の祖父母など、関心をもたれた方もお越しいただきました。また、見学者として鴨方高校・国際ソロプチミスト府中・福山市役所、県教委、そしてNHK、ビジネス情報の取材もありました。
特殊詐欺劇場では2名の高齢者が騙される役となり、アドリブを交えながらの熱演に引き込まれました。そのあと福山北警察署より特殊詐欺の手口や被害件数の実態、啓発DVDを視聴しました。会場からは熱心な質問もありました。
カフェでは各テーブルで注文を伺い、ドリンクコーナーの担当者が準備をしました。お茶を飲みながらポレポレのアーモンドクッキーを頬張り、世代を超えた楽しい会話があちらこちらで聞こえました。
「何年もこういう場所に出られなかったから、今こうして花が咲いたような。楽しく過ごさせてもらったのが一番うれしい」と話してくださった方や「こういう孫がいたらいいなと思って」と大絶賛されました。
最後は恒例の記念写真のあと、戸手高校の新サービスの「個別スマホ教室」の案内を担当者からご紹介させていただき、大盛況のうちに幕を閉じました。
*NHKお好みワイドひろしま(10月2日18時30分)では、全国でも珍しい地元の高校生が運営する認知症カフェ1と紹介され、これまでの取り組みも含め6分間放送されました。
1 戸手高校カフェは専門職資格を有する教諭がいるため運営主体を高校で届け出ています。
座席の案内
特殊詐欺劇場のはじまりはじまりー
「受け取ったの書類じゃなくて現金だったでしょ。これって詐欺なんじゃないんですか?」
このあと「なんだよう手際がいいばあさんだなぁ」のセリフに会場から笑い声
カーテンコール
啓発DVD
真剣な眼差し
10月1日にあったニュースなどを載せたランチョンマット
世代間交流
NHKの取材
「体育大会にはおにぎりを持ってくるからね!」
戸手高校の新サービスの「個別スマホ教室」の案内
お見送り
12月3日に開催される第2回認知症カフェの案内です。
第3回スマホ教室が図書室で開催されました。高齢者4名の方が自転車や車で来校してくださいました。
今回はInstagramとYouTubeについて担当の授業者が説明しました。聞きなれない用語をメモにとられる方もいらっしゃいました。Instagramについては司書教諭の先生も主体的に参加されました。
Instagramの良い点や逆に不都合になる点などについて、生徒が1対1で丁寧に伝えました。
戸手高校のスマホ教室は、全体説明のあとは隣に座っている生徒が個別に1対1で操作方法をお手伝いさせていただいております。「こんなことを聞くのは恥ずかしい」と疑問に思われている基本的なことでも、生徒に尋ねていただくとお応えしますので安心してご参加ください。
「スマホがよう分からんかったら戸手高校に聞きゃーええよ」を合言葉に、地域のお役に立てれたら幸いです。
12月10日に開催される第4回スマホ教室へ向け、再編成した1⃣スマホ教室のメンバーが中心となり、今年度最後のスマホ教室に取り組んでいきます。
戸手高校から歩いて15分の場所に多世代交流施設ローカルコモンズしんいちガーデンテラスがあります。ローカルコモンズで行われる認知症カフェでスマホ教室をしてほしいと8月にお声掛けをいただき、19名でこの日初めて訪問しました。
生徒は、①スマホ教室(9名)と②デイサービス(10名)に分かれました。
①スマホ教室では、テーブルごとにスマホの操作のお手伝いをしました。そのあと最近の若い人の間で流行っているポーズや推しなどの話から、共通の話題に話が盛り上がりました。
②デイサービスでは、干し柿をみんなで作りました。高齢者の方の包丁さばきや紐に吊るす作業はお見事で、あっという間に出来上がりました。普段から家で料理をする生徒は、「包丁の使い方がうまいね」と褒めていただきました。
コミュニケーションのなかで、90代の方から戦争の話や姑さんの介護をされていた昭和40年代の話などを伺いました。
他にもカルタやおじゃみ取りなどを一緒にやりました。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、「若い人から元気をもらって楽しかった」と話してくださり、別れが寂しくなりました。握手を交わすと心が温かくなりました。
初めての体験に生徒は楽しかったとみんないきいきとした表情でした。世代を超えた方々との交流は、生徒の大きな成長につながります。 これからも地域の皆様よろしくお願いします。
第1回戸手高校カフェを見学してくださった国際ソロプチミスト府中の西川様の投稿が読売新聞に掲載されました。
この記事を拝読した代表生徒のコメントです。
自分たちの活動がこういう形で色んな人に伝わってくれるのが嬉しいです。「気分が和らぐ」「はつらつとした姿を見るだけで元気になる」と書いたあり、自分たちの目的としていた【地域の高齢者の方に元気になってもらう】ことが達成できて嬉しいです。今後の活動の糧となり、もっと頑張ろうという気持ちになりました。
投稿を見た方が第2回戸手高校カフェを申し込んでくださるなど大きな反響となりました。
地域の方の温かな眼差しやエールは、しっかりと生徒の心に届いています。深く感謝申し上げます。
「戸手高校カフェ、オープンでーす」の変わらぬ司会者の明るい声が響き渡るなか、第2回戸手高校カフェに17名の高齢者の参加がありました。
今回は脳トレを兼ねビンゴゲームをしました。お題は「冬」。冬を連想させるものをグループで出し合いマスに書きました。司会者が言った答えに〇がつくと、大きな万歳や歓声があがりました。「動物」、「料理」とお題が進むにつれ、マスの数も9マスから16マスと増えていきました。みんなで知恵を出し合い、どのマスに書くかなど作戦会議をするところもありました。結果発表をしたあと参加賞として校内で採れた銀杏をお土産にお渡ししました。
参加者の方から桐の小箱の寄贈があり、早速お菓子を入れました。カフェでは生徒が注文を聞き、お茶を運ぶ姿だけでなく、司会やその他の場面でも手際が良いと皆様からお褒めの言葉をいただきました。
今回は家庭科から借りたミシンで雑巾を縫いました。音とスピードに慣れていない生徒が怖がる横で、「ここを持てば指まで縫わんから大丈夫!」と手ほどきを受け、フットコントローラーを踏むことができました。
参加者の方のドジャースの帽子に興味津々で会話が弾みました。「この帽子が海を渡ってきたんじゃなー」の一言にみんなで大笑いしました。世代を超えて楽しい会話が広がりました。
福山オレンジの会所属の認知症予防支援相談士の参加者の方から「認知症マフ」の情報提供をいただきました。
認知症マフとは、認知症特有の症状から手元に不安を感じる人が触れたり、手を通したりして落ち着けるように、さまざまな飾りをつけた円筒形のニット小物のことです。イギリスなどの海外の高齢者施設や医療機関でも使われており、英語ではtwiddlemuff(トゥイドルマフ)と呼ばれ親しまれています。2023年度日本認知症ケア学会でも紹介されました。
カフェに集うなかで参加者同士の交流がさらに深まる場に進化しつつあります。
第4回スマホ教室が図書室で開催されました。「戸手高校スマホ教室」のチラシを見て初めて参加される方も含め、高齢者4名の方が冷たい風が吹くなか、自転車や車で来校してくださいました。
今回はアプリのインストールの仕方について担当の授業者が説明しました。①アプリを開く、②調べたいアプリを入れる、③インストールを押す、などの操作方法をスマホの画面を載せたスライドで手順を示しました。そして最後にアプリのインストールの際の注意点を説明しました。個別で詳しくご説明する際には、どの方も熱心にノートを執られていました。年齢を重ねても主体的に学ぶ姿が学びの原点であることを改めて感じました。
スマホの個別指導を終えたあと、参加者の方が福山の折りバラの折り方を教えてくださいました。折りバラのことを別名「福山ローズ」というそうです。私たちに馴染みのあるばら祭りですが、戦後復興の平和への願いを込め、平成15年のばら祭りで折バラプロジェクト(ローズ・フォー・ピース)が誕生したそうです。
世代を超えて学び合いが続いています。
第27回生徒発表会が令和7年2月6日に実施されました。
「戸手高校カフェ~スマホ教室の取り組みから生まれた次世代に繋ぐ21名の新たな挑戦」と題し、3年生の課題探究(I‐DOT)の取り組みの成果を代表生徒2名が発表しました。
発表の後半は以下の通りです。
結果、地域の課題を解決するために取り組んだスマホ教室と戸手高校カフェに75名の高齢者の参加がありました。【説明がわかりやすい】【よく理解できた】【外出する楽しみができた】などの喜びの声が励みとなり、挑戦することができました。
そして1年間の探究を通して私たちは8つの力を身につけることがで
きました。
世代を超えてコミュニケーションの楽しさを味わう【コミュニケーション力】
しっかりとお話を伺う【傾聴力】 思いを馳せる【洞察力】 認知症の理解につながる【知識力】 来校者をお迎えする【対応力】
先を見通しながら動く【先見力】
チラシを作り地域に届ける【発信力】 そして21名が一丸となり取り組んだ【協働力】です。
この貴重な経験を糧に、それぞれの進路でも力を発揮していきたいと思います。
と8分間の発表を結びました。
高校時代に高校生だからこそできる認知症カフェを目指し、仲間と協働して戸手高校カフェを立ち上げ運営した経験が、これから進むそれぞれの進路の中で活躍の原点になれば幸いに思います。福祉や医療方面に進む生徒だけでなく、服飾関係に進む生徒が、認知症があってもなくても着脱が容易な服をデザインする日が来ることを参加者からも期待されていました。探究の種が芽を出し、先の未来で花を咲かせる日が来ることを願います。
地域の皆様、関係機関の皆様、生徒に関わってくださったすべての皆様に心より感謝申し上げます。1年間ありがとうございました。