D001_01スラヴ舞曲集 解説

【SJPOジュニアオーケストラ講座】 A.ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集

【スラブ舞曲集について】

◆チェコの作曲家のアントニン・ドヴォルザーク[Antonin Leopord Dvorak](1841-1904)作曲の舞曲集で、第1集作品46(B83)と

第2集作品72(B147)とも各8曲からなります。

最初はピアノ連弾のために書かれましたが、後に作曲者自身によって全曲が管弦楽用に編曲されました。

【作曲の背景:スラブ舞曲集第1集作品46(B83)】

◆ドヴォルザークは30代後半頃、音楽の個人レッスンの合間に作曲活動をしていました。1877年に「モラヴィア二重唱曲集」で

オーストリア帝国政府の奨学金審査に応募した時に審査員を務めていたブラームスが、ドヴォルザークを高く評価して、

懇意にしていた出版社のジムロック社に紹介したところ、早速出版されて大成功を収めました。

するとジムロック社はドヴォルザークに、ブラームスの「ハンガリー舞曲集」に匹敵するようなピアノ連弾曲集の作曲を

依頼して、1878年3月にスラブ舞曲集第1集が出版されると、ただちに人気を博しました。4月にドヴォルザーク自身で編曲した

管弦楽版が出版されると、これも大成功を収めて一気に世界中で人気を博すことになりました。

◆編成

Picc/Fl*2/Ob*2/Cl*2/Fg*2/Hr*4/Tp*2/Tb*3/Tim/Sym/Tri/B.D./弦5部

※PiccはNo.1,3,6,7,8のみ、FlはNo.1,6,7,8は1本、No.2,5は2ndFlがpicc持ち替え

【作曲の背景:スラブ舞曲集第2集作品72(B147)】

◆第1集の成功を受けて、ジムロック社の要望で、1886年6月にわずか一ヶ月あまりでピアノ連弾版の第2集作品72(全8曲)を

完成させました。

そして第1集と同様にわずか2カ月で管弦楽版に編曲して1887年1月に出版されました。

◆第2集ではチェコ以外のスラヴ地域の舞曲を広く取り入れているのが特色です。各曲は第2集だけの番号で呼ばれることも

ありますが、多くの場合は第1集からの通し番号で第9番~第16番と呼ばれます。

◆編成

Picc/Fl*2/Ob*2/Cl*2/Fg*2/Hr*4/Tp*2/Tb*3/Tim/Sym/Tri/B.D./Bell/弦5部

※PiccはNo.7のみ、FlはNo.7のみ1本、No.2,5は2ndFlがpicc持ち替え

Sym/Tri/B.D.はNo.1,3,5,7のみ。Bellはno.8のみ

【スラヴ舞曲集の構成と楽器編成】

曲名

調性

ハ長調

ホ短調

変イ長調

ヘ長調

イ長調

ニ長調

ハ短調

ト短調

ロ長調

ホ短調

ヘ長調

変ニ長調

変ロ短調

変ロ長調

ハ長調

変イ長調

拍子

3/4

2/4

2/2

3/4

2/4

3/4

2/4

3/4

2/4

3/8

2/4

3/8

4/8

3/4

2/4

3/4

使われている舞曲

フリアント

ドゥムカ、ヴォヴチャーカ

ポルカ、スコチナー

ソウセツカー、ポロネーズ

スコチナー 、ヴルターク

ソウセツカー、マズルカ

テトカ、ヴルターク、クヴァピーク

フリアント

オドゼメック

スタロダ-ヴニ・ソウセツカ-

スコチナー、コザツカ

ドゥムカ

シュパツィールカ

スタロダーヴニ

コロ

ソウセツカー、マズルカ

時間

約4分

約5分

約4分

約7分

約3分

約6分

約4分

約4分

約4分

約6分

約4分

約5分

約3分

約4分

約3分

約7分

楽器編成

曲集

第1集

作品46

(B.83)

個No.

No.1

No.2

No.3

No.4

No.5

No.6

No.7

No.8

No.1

No.2

No.3

No.4

No.5

No.6

No.7

No.8

番号

第1番

第2番

第3番

第4番

第5番

第6番

第7番

第8番

第9番

第10番

第11番

第12番

第13番

第14番

第15番

第16番

Pic

1

(1)

1

-

(1)

1

1

1

1

1

1

1

1

1

(1)

1

Fl

1

2

2

2

2

1

1

1

2

2

2

2

2

2

1

2

Ob

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

Cl

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

Fg

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

Hr

4

4

4

4

4

4

4

4

4

4

4

4

4

4

4

4

Tp

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

Tb

3

3

3

3

3

3

3

3

3

3

3

3

3

3

3

3

Tim

1

1

1

1

1

1

1

1

1

1

1

1

1

1

1

1

Sym

1

1

1

1

1

1

1

1

1

-

1

-

1

-

1

-

B.D.

1

1

1

1

1

1

1

1

1

-

1

-

1

-

1

-

Tri

1

1

1

1

1

1

1

1

1

-

1

-

1

-

1

-

Bell

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

1

第2集

作品72

(B.147)

【スラヴ舞曲集で使われている様々な舞曲】

【J.ブラームスのハンガリー舞曲集と、A.ドヴォルザークのスラブ舞曲集の違い】