B002:オーケストラの演奏者、首席奏者(トップ)の位置

【SJPOジュニアオーケストラ講座】 首席奏者(トップ)の位置

◆オーケストラの楽器配置を前回勉強しましたが、今回はその楽器の中でどういう順番に演奏者が並んでいるのか、またトップとも呼ばれる首席奏者の位置はどのように決まっていくのか見ていきましょう。

【首席奏者(トップ)の場所の決め方のルール】

◆オーケストラでは人数が多いので、全員がバラバラに指揮者に合わせるのではなく、各パートはそれぞれの「首席奏者(トップ)」に合わせるのがルールです。そして首席奏者同士で、コンサートマスターを中心にアンサンブルを作って、オーケストラ全体を合わせていきます。

◆それでは、首席奏者の場所はどのように決まっているのでしょうか?

◆まず弦楽器と管楽器では首席奏者の位置の決め方が異なります。

弦楽器では、プルトと呼ばれる二人一組のユニットで演奏しますが、一番前の第一プルトのうち、客席に近い側が首席奏者になります。したがって上記では舞台下手側(舞台に向かって左側)に近い第一ヴァイオリンと第二ヴァイオリンは第一プルトの向かって左側、チェロとヴィオラとコントラバスは向かって右側が客席に近いので右側の人が首席奏者となります。

◆管楽器は首席奏者同士のアンサンブルがしやすいように、舞台中央に近い側が首席奏者、以降外側に2番奏者、3番奏者となります。したがって、上手側のオーボエ、ファゴット、トロンボーンは中心に近い向かって左側が首席奏者、フルート、クラリネット、トランペットは向かって右側が首席奏者となります。

◆ただしホルンは少し異なります。ベルが斜め右後ろに向いているため、2番以下の奏者が首席奏者の音を聴いて合わせやすいように、上手側/下手側のどちらに配置されている場合は、前列の舞台に向かって右側が首席奏者で左側が二番奏者、同様に後列右側が三番奏者、左側が4番奏者となります。

◆打楽器の場合は様々な楽器があるのですが、ティンパニ奏者が打楽器内では首席奏者の役割を担います。

ティンパニは中央に配置されることが多くあります。それ以外は特に決まったルールはないのですが、基本的にバスドラムとシンバルは隣り合って配置されます。ただしステージの大きさや他の楽器編成などによって他の位置に配置されることもあります。


【プルト(Pult)とは?】

◆プルトとはドイツ語で譜面台や机という意味です。

◆オーケストラにおいて弦楽器奏者は二人で一台の譜面台を共有してみることから、奏者二人一組を1プルトと数えます。

前から「1プルト」、「2プルト」となりますが、「一プル、二プル」と省略されることも多いです。

◆またプルトでは、客席に近い方が「表」、遠い方が「裏」と呼ばれますので、「3プルの表」、「4プル裏」というような呼び方で演奏者(場所)を特定します。

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