A006:アーティキュレーションをマスターしよう-(2)

【SJPOジュニアオーケストラ講座】 アーティキュレーションをマスターしよう(2)

ジュニアオーケストラ講座【A006 アーティキュレーションとアクセント-(2)】

◆アーティキュレーション記号で、「その音を特に強く」を意味する様々な記号をとりあげます。

【様々なアクセント】

◯アクセント(通常)

・その音を特に強く演奏します。

pのフレーズのときは、pの中で際立たせます。

◯アクセント(山形)

・その音を特にはっきりと強く。

横向きのアクセントよりも、さらにはっきりと強調します。

pのときはその中で際立たせます。

◯アクセントスタッカート

・スタッカートは音の長さを短くして(≒音価の約半分)、アクセントは強調するものなので、スタッカートの長さで短く、さらに強調して演奏する。

【その他の「音を特に強める」意味の音楽記号】

◯fz:フォルツァンド[sforzand]・フォルツァート[sforzato]

・イタリア語のforzare(フォルツァーレ)という「無理強い(むりじい)する」・「こじ開けるという意味からきている用語です。

◯sf・sfz ◯スフォルツァンド[sforzand]・スフォルツァート[sforzato]

・イタリア語のsforzare(スフォルツァーレ)という「無理強いする」・「力を振り絞る」・

「精一杯努力する」という意味からきている用語です。

fzもsf(sfz)も同じような意味ですが、forzareの頭に"s"がついたsforzareは、より強調する意味になりますので、厳密にいうと"sf"の方が"fz"よりもさらに強調するというイメージとなります。

◯rf:リンフォルツァンド[rinforzand]・リンフォルツァート[rinforzato]

・rinforzare(リンフォルツァーレ)という「補強する」・「元気にする」・「強固にする」という意味からきている用語でforzareやsforzareより「力強く豊かで骨太な」イメージです。

・rfが他の記号に比べて一番大きな違いとしては、fzやsfやアクセントなどはその音だけを強調するのに対して、rfはその音だけでなく、そこから後のフレーズ全体を強調するときに使われることが多く

◯fp:フォルテピアノ[fortepiano]

・fで演奏した後すぐにpに落とします。アクセントやsfなどは強く演奏した後は、減衰に任せますが。fpは演奏者が意図的にすぐpに落とすのが他と大きく異なります。

★ここがポイント

◆fzもsf(sfz)も同じような意味ですが、forzareの頭に強調の意味の"s"がついたsforzareは、より強い意味なので、厳密にはsfの方がfzよりも、さらに強いニュアンスとなります。

◆rfが他の記号に比べて一番大きく異なるのは、fzやsfやアクセントなどがその音だけを強調するのに対して、はその音だけでなく、そこから後のフレーズ全体を強調するときに使われることが多くあります。

★大まかな順番で覚えよう!

※右側へ行くほど、より大きく強調する傾向があります。

[アクセント(通常)]<[アクセント(山形)]<[フォルツァンド・フォルツァート]<[スフォルツァンド・スフォルツァート]<[リンフォルツァンド・リンフォルツァート]

【演奏上の注意】

◆これらの様々な用語の違いは、必ずしもすべての作曲家が意識して使い分けている訳ではありません。

音楽記号は一つの意味で決めつけるのではなく、基本を理解した上で曲の雰囲気や前後のフレーズの関係を考えて柔軟に表現していきましょう。