A004:速度記号をマスターしよう

【SJPOジュニアオーケストラ講座】 速度記号をマスターしよう

◆演奏記号のうち、速度(テンポ)を表す記号を速度記号といい、一般的にイタリア語で表されます。

◆速度記号は作曲家によって使われ方が異なることもあるので、意味をそのまま覚えるのでなく、曲によって雰囲気をつかむ目安として用いるのが望ましいです。

◆太字はメトロノームに用いられている標準的な速度記号です.

◆M.M.は「メルツェルのメトロノーム(Mälzel's Metronome)」という意味です。

【メトロノームの発明者】

◆現在のメトロノームは、1812年頃にオランダ人の楽器関係の発明家のディートリッヒ・ニコラウス・ウィンケルが考案しました。しかしウィーンに住んでいたドイツ人の友人のヨハン・ネポムク・メルツェル(「M.M.」で名前が使われてます)がアイデアを盗んで1816年に特許を取ってしまったので、メルツェルが発明したと言われています。

【メトロノームが広まったのは?メトロノームを最初に使った作曲家】

◆メトロノームを最初に使った作曲家はベートーベンでした。晩年に耳が聞こえなくなってきていたベートーベンにメルツェルがメトロノームを勧めたのがきっかけに、曲の速さをメトロノームで表す方法が一気に広まったと言われています。

【イタリア語の接尾辞】

単語の終わりにつけて意味を付け加えるものを接尾辞(せつびじ)といいます。その中で速度記号に関係あるものを紹介します。

1)-ino、-etto 「少し」「やや」という意味になります。

Adajo→Adajetto Andante→Andantino Allegro→Allegretto Largo→Larghetto

2)-issimo 「最も」「非常に」という意味になります。

Presto→Prestissimo 速度ではないですが、フォルティッシモ、ピアニッシモも同じ「-issimo」の接尾辞がつきます。